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技術

AI Lab、データマイニング分野の国際会議「ICDM 2026」にて論文採択

AI技術の研究開発組織「AI Lab」に所属する三橋亮太、森村哲郎、およびAI事業本部の伊藤寛武による論文が、データマイニング分野の国際会議「ICDM 2026※1」に採択されたことをお知らせいたします。
「ICDM」は、データマイニングに関するアルゴリズム、ソフトウェア、システムおよび応用研究を扱う国際会議です。本論文は、2026年11月12日から15日まで中国・瀋陽で開催される会議にて発表予定です。
■研究背景
「AI Lab」では、マーケティング全般に関わるAI技術の研究開発を進めるとともに、事業やプロダクトの現場で生じる課題を研究テーマへと落とし込み、得られた成果を実サービスへつなげる社会実装に取り組んでいます。
その中で強化学習チームは、複雑な実環境における人とAIの意思決定を支える基礎技術や、再現性・安全性・計算効率を備えたデータ活用手法の研究開発を推進しています。

■採択論文の概要

「From “Who Is This User?” to “What Does This Purchase Mean?”: A Deployed Pipeline for Semantic User Profiling at Bank Scale」

著者:三橋 亮太(サイバーエージェント AI Lab)、森村 哲郎(サイバーエージェント AI Lab)、伊藤 寛武(サイバーエージェント AI事業本部)


近年、購買データ等の行動履歴から大規模言語モデル(LLM)を用いてユーザー属性を推定する手法が注目されています。しかし、ユーザーごとに直接解析を行う従来のアプローチでは、ユーザー数の増加に伴い膨大な計算コストが発生するほか、共通する取引パターンを含むユーザー間でも表現が揺らぎ、比較や集計が難しい点 が課題となっていました。

本研究では、ユーザー属性の推論アプローチを従来の「ユーザー単位」から「取引パターン単位」へと転換した新たなパイプライン手法を提案しました。本手法は、入力データの曖昧さを排除して正式名称へ変換・抽象化する「Resolve」、頻出する購買パターンからユーザー像とその当てはまりやすさを推論する「Profile」、推論された属性をクエリ可能な意味的データベースへ集約する「Tag」の3つのフェーズで構成されています。このアプローチにより、1つの取引パターンにつき、LLMを用いた一連の分析を一度行い、その結果を繰り返し利用できます。分析済みの取引パターンの結果を再利用することで、ユーザー数が増加しても計算コストを大幅に抑えながら、一貫性のある分析が可能になります。

公開されているECコーパスを用いた評価では、本手法が、ユーザーごとの購買履歴を直接解析する方法と同程度の属性推定性能を示すことを確認しました。

 

本研究で提案した手法は、すでに当社のデータ活用広告プロダクトにおける数千万人規模の実運用環境に導入されており、従来のユーザー単位のパイプラインと比較してLLMの推論対象数を約600分の1に削減することに成功しています。なお、本手法では、当社が特許を出願している複数の技術を活用しています 。

■今後
今後は、本研究で提案した技術について、多様な購買データや取引データを活用する各種広告プロダクトへの応用・展開を目指します。「AI Lab」は最先端のAI技術研究を通じてビジネスや社会課題の解決に貢献するプロダクトの開発を進め、技術発展および学術貢献に努めてまいります。



※1 ICDM 2026(IEEE International Conference on Data Mining 2026)