株式会社サイバーエージェント(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:山内隆裕、東証プライム市場:証券コード4751)は、人工知能技術の研究開発組織「AI Lab」に所属する研究員らによる6本の論文が、機械学習分野の国際会議「ICML 2026」※1 の本会議に採択されたことをお知らせいたします。
「ICML」は世界中の研究者によって毎年開催される国際会議で、「NeurIPS」※2 と並び、機械学習・深層学習・最適化等の分野において権威のある会議の1つです。
AI Labからの論文採択は今年で7年連続※3となります。また、このたび当社から採択された論文のうち「Asymmetric Perturbation in Solving Bilinear Saddle-Point Optimization」が、Oral(口頭)発表に選出されました。Oralは学会に採択された論文の中でも限られた研究のみに与えられ、2026年では全投稿の0.7%程度と非常に難易度の高いものです。
このたび採択された論文は、2026年7月に韓国・ソウルで開催される「ICML 2026」にて発表を行います。
「ICML」は世界中の研究者によって毎年開催される国際会議で、「NeurIPS」※2 と並び、機械学習・深層学習・最適化等の分野において権威のある会議の1つです。
AI Labからの論文採択は今年で7年連続※3となります。また、このたび当社から採択された論文のうち「Asymmetric Perturbation in Solving Bilinear Saddle-Point Optimization」が、Oral(口頭)発表に選出されました。Oralは学会に採択された論文の中でも限られた研究のみに与えられ、2026年では全投稿の0.7%程度と非常に難易度の高いものです。
このたび採択された論文は、2026年7月に韓国・ソウルで開催される「ICML 2026」にて発表を行います。
■背景
近年、機械学習の発展に伴い、AIを活用した最適な意思決定や効果的な広告配信に注目が集まっています。AI Labでは、大学や学術機関との産学連携を強化しながら、幅広いAI技術の研究・開発に取り組んでおり、インターネット広告においてユーザーに合わせた広告テキストを提示する技術の開発や、より精緻な効果検証を可能にする技術の開発など、実際のサービスにおける意思決定戦略を対象とした研究を積極的に進めてきました。
このたびICML 2026で採択された6本の論文では、これらの意思決定戦略をさらに効率的かつ高精度に評価・学習するための新たな手法を提案しており、今後のサービスへの応用や新しいマーケティング手法の発展につながることが期待されます。
このたびICML 2026で採択された6本の論文では、これらの意思決定戦略をさらに効率的かつ高精度に評価・学習するための新たな手法を提案しており、今後のサービスへの応用や新しいマーケティング手法の発展につながることが期待されます。
■論文の概要
「A Strictly Proper Scoring Rule and a Calibration Metric for Interval-Censored Data Analysis」
著者:柳澤 弘揮・秋山 俊太(サイバーエージェント AI Lab)
「Why Agentic Theorem Prover Works: A Statistical Provability Theory of Mathematical Reasoning Models」
著者:園田 翔(理化学研究所/サイバーエージェント AI Lab)・秋山 俊太(サイバーエージェント AI Lab)・上里 友弥(サイバーエージェント AI Lab/国立情報学研究所)
「Non-Stationary Online Structured Prediction with Surrogate Losses」
著者:坂上 晋作(サイバーエージェント AI Lab/国立情報学研究所/理化学研究所)・包 含(統計数理研究所/東北大学/理化学研究所)・ Yuzhou Cao(Nanyang Technological University)
「Asymmetric Perturbation in Solving Bilinear Saddle-Point Optimization」
著者:阿部 拳之・坂本 充生・蟻生 開人 (サイバーエージェント AI Lab)・岩崎 敦(電気通信大学)
「Last-Iterate Convergence of Regularized Gradient Methods for Stochastic Monotone Variational Inequalities」
著者:伊藤 伸志(東京大学/理化学研究所)・土屋 平(東京大学/理化学研究所)・蟻生 開人・阿部 拳之(サイバーエージェント AI Lab)
「Modeling Covariate Transition for Efficient Estimation of Longitudinal Treatment Effects in Randomized Experiments」
著者:安井 翔太 (サイバーエージェント AI Lab)・岡 達志 (慶應義塾大学)・千原 直己(大阪大学)
著者:柳澤 弘揮・秋山 俊太(サイバーエージェント AI Lab)
| 広告を見たユーザーが購入に至るまでの期間や、顧客がサービスを離脱するまでの期間などを確率分布として予測する手法は「生存時間分析」と呼ばれます。本研究は、その中でも、特定の期間内でのみ出来事の発生が確認できる「区間打ち切りデータ」の解析精度を高める新技術を開発したものです 。予測モデルが真の確率分布を正しく学習できる世界初の数理的な評価指標を提案し、その正当性を理論的に証明しました 。現実世界のデータを用いた実験により、提案指標で学習したAIモデルが従来の統計手法と同等以上の高い予測性能と優れた柔軟性を発揮することを確認し、生存時間分析の実務における分析精度を大きく向上させました。 ▼参考 https://icml.cc/virtual/2026/poster/65937 |
「Why Agentic Theorem Prover Works: A Statistical Provability Theory of Mathematical Reasoning Models」
著者:園田 翔(理化学研究所/サイバーエージェント AI Lab)・秋山 俊太(サイバーエージェント AI Lab)・上里 友弥(サイバーエージェント AI Lab/国立情報学研究所)
| 数学の推論モデルに検索や形式検証などの道具を組み合わせ、複雑な数学の問題を自動で解く「定理証明システム(エージェント型定理証明器)」は近年高い成果を上げていますが、なぜこれほど高度な推論が成功するのかという理論的背景は未解明でした。 本研究では、このAIシステムが正解に到達する確率(統計的証明成功確率)を数理モデルを用いて定式化し、探索過程やデータ構造が性能に与える影響を世界で初めて理論的に解明しました。これにより、高度なAIシステムが現実世界の複雑な問題に対していつ、なぜ成功するのかを数理的に解析するための新しい道具ができました。 |
「Non-Stationary Online Structured Prediction with Surrogate Losses」
著者:坂上 晋作(サイバーエージェント AI Lab/国立情報学研究所/理化学研究所)・包 含(統計数理研究所/東北大学/理化学研究所)・ Yuzhou Cao(Nanyang Technological University)
| 入力データに対して予測を繰り返し行う「オンライン構造予測」では、時間の経過とともにデータの傾向が変化する「非定常環境」において、予測精度をどこまで維持できるかという理論的保証に限界がありました。 本研究では、環境の変化の大きさや、変化する状況に追従するために必要な複雑さに応じて、累積予測損失の上限を数学的に明らかにしました。特に、データ傾向が変化する環境でも、少ない変更で良い予測器を追跡できる場合には、高い精度を維持できることを理論的に証明しました。さらに、学習効率を高める学習率の設定手法を提案し、実証実験でも有効に機能することを確認しました。 |
「Asymmetric Perturbation in Solving Bilinear Saddle-Point Optimization」
著者:阿部 拳之・坂本 充生・蟻生 開人 (サイバーエージェント AI Lab)・岩崎 敦(電気通信大学)
| 近年、マルチエージェント環境での意思決定や大規模言語モデルの学習をはじめとした多くの機械学習タスクにおいて、「ミニマックス最適化問題」の重要性が高まっています。このような問題では、学習の不安定さや遅さが課題となっており、それに対するアプローチとして両方の意思決定者の更新方向をシフトさせることで学習を安定化・高速化させる方法が用いられてきました。一方で、このアプローチでは最終的に最適なモデルへ到達できない可能性があるという課題がありました。 本研究では、片方の意思決定者のモデルの更新方向だけをシフトさせる「非対称摂動」という新たなアプローチを提案しました。これにより、従来のアプローチの利点である高速な学習を維持しながら、幅広い条件下で最適なモデルへ到達できることを理論的かつ実験的に示しました。 |
「Last-Iterate Convergence of Regularized Gradient Methods for Stochastic Monotone Variational Inequalities」
著者:伊藤 伸志(東京大学/理化学研究所)・土屋 平(東京大学/理化学研究所)・蟻生 開人・阿部 拳之(サイバーエージェント AI Lab)
| マルチエージェント環境では、各意思決定者が必ずしも正確な情報を得られるとは限らず、ノイズを含む観測に基づいて学習を進める必要があります。このような不確実性のある状況において、安定かつ高速に学習できる手法を開発することは、重要な課題となっていました。 本研究では、観測に含まれるノイズの大きさに応じた速度で学習を進められることが理論的に保証される学習アルゴリズムを提案しました。さらに、ノイズが小さい場合には学習が加速する性質を明らかにし、不確実性を含む環境における学習効率を大きく向上させられる可能性を示しました。 ▼参考 https://icml.cc/virtual/2026/poster/62646 |
「Modeling Covariate Transition for Efficient Estimation of Longitudinal Treatment Effects in Randomized Experiments」
著者:安井 翔太 (サイバーエージェント AI Lab)・岡 達志 (慶應義塾大学)・千原 直己(大阪大学)
| 重要な効果検証方法の一つであるA/Bテストにおいて、実施した施策の効果がいつ現れ、どれほど持続するかという時系列的な長期影響を正確に捉えることは困難でした。 本研究では、時間の経過とともに変化するユーザーの状態や行動データの推移を数理モデル化することで、長期的な施策効果を極めて高精度かつ効率的に推定する新しい分析フレームワークを開発しました。これにより精緻で無駄のないデータ駆動型のビジネス意思決定を可能にします。 ▼参考 https://icml.cc/virtual/2026/poster/61852 |
■今後
本研究の成果は、インターネット広告における広告オークションや当社の提供する価格エージェント、動画ストリーミングプラットフォーム等、幅広い事業への活用が期待されます。
「AI Lab」は今後もビジネス・社会課題の解決に向けたAI技術をプロダクトに取り入れるとともに、技術発展と学術発展に貢献するべく、研究・開発に努めてまいります。
※1:「ICML」International Conference on Machine Learning
※2:「NeurIPS」Neural Information Processing Systems
※3:
ICML 2025(プレスリリース)
ICML 2024(プレスリリース)
ICML 2023(プレスリリース)
ICML 2022(プレスリリース)
ICML 2021(プレスリリース)
ICML 2020(プレスリリース)
「AI Lab」は今後もビジネス・社会課題の解決に向けたAI技術をプロダクトに取り入れるとともに、技術発展と学術発展に貢献するべく、研究・開発に努めてまいります。
※1:「ICML」International Conference on Machine Learning
※2:「NeurIPS」Neural Information Processing Systems
※3:
ICML 2025(プレスリリース)
ICML 2024(プレスリリース)
ICML 2023(プレスリリース)
ICML 2022(プレスリリース)
ICML 2021(プレスリリース)
ICML 2020(プレスリリース)