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プレスリリース

AI Lab、進化計算分野のトップカンファレンス「PPSN 2026」にて共著論文採択

―シンボリック回帰の汎化性能を理論的に解析し、数式構造と予測性能の関係を明らかに―

AI

株式会社サイバーエージェント(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:山内隆裕、東証プライム市場:証券コード4751)は、人工知能技術の研究開発組織「AI Lab」に所属する研究員の濱野椋希ならびに、東京科学大学 情報理工学院 情報工学系 野村将寛 助教および小野功 教授による共著論文が、進化計算分野の国際会議「PPSN 2026」※1に採択されたことをお知らせいたします。

「PPSN」は世界中の研究者によって2年ごとに開催される国際会議で、最適化における重要領域である進化計算分野において権威ある国際会議の一つです。この度採択された論文は、2026年8月29日から9月2日にかけてイタリア・トレントで開催される「PPSN 2026」にて発表を行います。

■研究背景

当社が展開するインターネット広告事業やメディア事業、ゲーム事業では、多様なデータを活用した意思決定やサービス改善が日々行われています。これらを効率的かつ高精度に進めるため、機械学習や最適化技術を用いた運用の高度化が重要となっています。

一方で実際の運用では、多様な指標や過去の傾向を確認しながら、専門知識や経験に基づいて判断基準や運用ルールを設計・調整する工程が存在します。こうした人手による試行錯誤を効率化し、データに基づく判断基準を人が理解・検証できる形で構築する技術が求められています。

■論文の概要

このたび採択された「On the Generalization Bounds of Symbolic Regression with Genetic Programming」では、シンボリック回帰における未知データへの予測性能を理論的に解析しました。シンボリック回帰は、四則演算や指数・対数関数などを組み合わせ、データに含まれる関係性を表す数式を自動的に構築する手法です。予測結果の根拠を数式として確認できるため、予測精度と解釈性が両立する手法として期待されています。

シンボリック回帰の代表的なアプローチである遺伝的プログラミングでは、数式を木構造で表現し、データに適合する構造と内部パラメータを探索します。一方、探索する木構造が複雑になると、学習データに過適合し、未知データに対する予測性能(汎化性能)が低下する問題が発生します。この問題に対し、木の深さなどを制限する対処法が広く用いられていますが、こうした制限や内部パラメータの調整が、汎化性能に与える影響は十分に解明されていませんでした。

本研究では、木の深さや内部パラメータに対する条件が、汎化性能に与える影響を理論的に評価しました。本成果は、木構造の制限や数値的に安定した演算の利用など、従来から用いられてきた実装上の工夫を理論的に理解し、信頼性の高いシンボリック回帰手法を設計するための基盤となるものです。

■今後

本研究成果は、広告・マーケティング領域における事業分析や、システム運用におけるルール自動構築への応用が期待されます。
「AI Lab」は今後もビジネス・社会課題の解決に向けたAI技術をプロダクトに取り入れるとともに、技術発展と学術発展に貢献するべく、研究・開発に努めてまいります。



※1 「PPSN」Parallel Problem Solving From Nature