プレスリリース
AI Lab、インタラクション分野のトップカンファレンス「HRI2022」にて共著論文採択 ー高齢者と子供、ロボットを介したインタラクションが双方に有益な影響をもたらし得るー
株式会社サイバーエージェント(本社:東京都渋谷区、代表取締役:藤田晋、東証一部上場:証券コード4751)は、人工知能技術の研究開発組織「AI Lab」研究員の宋思超、馬場惇および、大阪大学の中西惇也特任助教(常勤)、吉川雄一郎准教授、石黒浩教授らによる共著論文が、インタラクション分野の国際会議「HRI 2022」※1に採択されたことをお知らせいたします。
「HRI」は世界中の様々な研究者が一堂に集い毎年開催される国際会議で、「CHI」※2「IROS」※3 などと並び、インタラクション分野で権威あるトップカンファレンスの一つです。
このたび「AI Lab」からは本件ならびに、リサーチサイエンティスト宋思超、馬場惇および、大阪大学の中西惇也特任助教(常勤)、吉川雄一郎准教授、石黒浩教授らによる共著論文※4 の2本が本会議にて採択されており、2022年3月にオンラインで開催される「HRI 2022」で発表を行います。さらに、ポスターセッション(Late-Breaking Reports)においても3本の論文が採択されており、合計5本の発表を行う予定です。
■研究背景
「AI Lab」では、2017年から大阪大学大学院基礎工学研究科と共に、ロボットなどの対話エージェントによる接客・広告技術の確立や科学的知見の獲得を目的とした共同研究に取り組んでおり、2020年からはムーンショット研究開発事業 ※5 の一環として「遠隔対話ロボットで働く」をテーマにした実証プロジェクトを行っています。
近年、子ども・子育て支援を拡充していくことの重要性が増している一方、保育士の有効求人倍率は年々増加し、保育・教育をサポートする人員が不足しているという課題があります。
このような背景から、実証プロジェクトの一環として、保育経験のある主婦や高齢者の方が、保育園にて遠隔からロボットを通して絵本の読み聞かせや挨拶運動を行う実証実験を2020年2月に行いました。
■論文の概要
今回採択された共著論文「Robot-mediated Interaction Between Children and Older Adults: A Pilot Study for Greeting Tasks in Nursery Schools 」では、高齢者が遠隔からロボットを通して園児に挨拶の声掛けを行うことで、双方にどのような影響があるかについて調査を行いました。
子供と高齢者の交流は、双方にメリットのある世代間交流として注目を集めています。子どもにとっては、感情的・社会的な成長機会となり、高齢者にとっては、自尊心や幸福感の向上・ストレスの減少など精神的に良い影響を与えられるとされています。
本研究では、このように「相互にメリットがある関わり」が遠隔操作ロボットを通しても実現できるかどうか、試験的に調査いたしました。
1週間の実証期間の間、5名の高齢者がそれぞれ1日ずつロボットを通して約40名の登園時の園児へ「おはよう」「今日も元気だね」といった挨拶や会話をしたところ、下記の主な結果が確認できました。
▼実証結果
「HRI」は世界中の様々な研究者が一堂に集い毎年開催される国際会議で、「CHI」※2「IROS」※3 などと並び、インタラクション分野で権威あるトップカンファレンスの一つです。
このたび「AI Lab」からは本件ならびに、リサーチサイエンティスト宋思超、馬場惇および、大阪大学の中西惇也特任助教(常勤)、吉川雄一郎准教授、石黒浩教授らによる共著論文※4 の2本が本会議にて採択されており、2022年3月にオンラインで開催される「HRI 2022」で発表を行います。さらに、ポスターセッション(Late-Breaking Reports)においても3本の論文が採択されており、合計5本の発表を行う予定です。
■研究背景
「AI Lab」では、2017年から大阪大学大学院基礎工学研究科と共に、ロボットなどの対話エージェントによる接客・広告技術の確立や科学的知見の獲得を目的とした共同研究に取り組んでおり、2020年からはムーンショット研究開発事業 ※5 の一環として「遠隔対話ロボットで働く」をテーマにした実証プロジェクトを行っています。
近年、子ども・子育て支援を拡充していくことの重要性が増している一方、保育士の有効求人倍率は年々増加し、保育・教育をサポートする人員が不足しているという課題があります。
このような背景から、実証プロジェクトの一環として、保育経験のある主婦や高齢者の方が、保育園にて遠隔からロボットを通して絵本の読み聞かせや挨拶運動を行う実証実験を2020年2月に行いました。
■論文の概要
今回採択された共著論文「Robot-mediated Interaction Between Children and Older Adults: A Pilot Study for Greeting Tasks in Nursery Schools 」では、高齢者が遠隔からロボットを通して園児に挨拶の声掛けを行うことで、双方にどのような影響があるかについて調査を行いました。
子供と高齢者の交流は、双方にメリットのある世代間交流として注目を集めています。子どもにとっては、感情的・社会的な成長機会となり、高齢者にとっては、自尊心や幸福感の向上・ストレスの減少など精神的に良い影響を与えられるとされています。
本研究では、このように「相互にメリットがある関わり」が遠隔操作ロボットを通しても実現できるかどうか、試験的に調査いたしました。
1週間の実証期間の間、5名の高齢者がそれぞれ1日ずつロボットを通して約40名の登園時の園児へ「おはよう」「今日も元気だね」といった挨拶や会話をしたところ、下記の主な結果が確認できました。
▼実証結果
● 約60%の園児がロボットの挨拶に対して返事を持って会話した。 これは、保育士が普段行っているあいさつ運動のときの感覚値と同等であった。(園長による評価) ● ロボットは園児に人気があり、園児はロボットと触れ合うことで、通常よりも意欲的に登園する様子が観察され、保護者からの評価にも同様のことが見受けられた。 ● 高齢者の93%・園児の77%が「嬉しそう・楽しそう」に会話をしていた。 ● 操作者への5段階アンケートで「この仕事をまたやりたいか」の平均は4.8と高い評価を得ることができた。 ● 遠隔操作者が毎日変わっても、園児との交流に大きな支障がないように見受けられた。 |
さらに、ロボットを介したインタラクションは、対面やビデオを介したものに比べて以下の点で、利点があることが見受けられました。
・子供に親しみやすいロボットの外観は、対話の機会を増やすことができる。
・遠隔操作者が交代しても、前任の遠隔操作者が築いた親密な関係を引き継ぐことができる。
このような実験結果から、ロボットを介したインタラクションは、双方にとって有益なインタラクションになりうることが示唆されました。
(※本実験は予備実験の規模であり、サンプルサイズの増加や精神的な健康の改善に関する検証方法改善が必要です。)
■今後
今回発見した知見をもとに、さらなる実験を行い、遠隔操作ロボットによる十分な接客サービス提供の実現に向け、探索してまいります。「AI Lab」は今後も、大学・学術機関との産学連携を強化しながら様々な技術課題に取組むとともに、「人とロボットが共生できる世界」を目指し、より一層ロボットを含めた対話エージェントによる接客対話技術の研究開発に努めてまいります。
※1 ACM/IEEE International Conference on Human-RobotInteraction
※2 ACM CHI Conference on Human Factors in Computing System
※3 International Conference on Intelligent Robots and Systems
※4 共著論文「Costume vs. Wizard of Oz vs. Telepresence: How Social Presence Forms of Tele-operated Robots Influence Customer Behavior」についてはこちらのプレスリリースで詳細をご確認ください
※5 「ムーンショット型研究開発事業」
超高齢化社会や地球温暖化問題など重要な社会課題に対し、人々を魅了する野心的な目標(ムーンショット目標)を国が設定し、挑戦的な研究開発を推進する制度。
・子供に親しみやすいロボットの外観は、対話の機会を増やすことができる。
・遠隔操作者が交代しても、前任の遠隔操作者が築いた親密な関係を引き継ぐことができる。
このような実験結果から、ロボットを介したインタラクションは、双方にとって有益なインタラクションになりうることが示唆されました。
(※本実験は予備実験の規模であり、サンプルサイズの増加や精神的な健康の改善に関する検証方法改善が必要です。)
■今後
今回発見した知見をもとに、さらなる実験を行い、遠隔操作ロボットによる十分な接客サービス提供の実現に向け、探索してまいります。「AI Lab」は今後も、大学・学術機関との産学連携を強化しながら様々な技術課題に取組むとともに、「人とロボットが共生できる世界」を目指し、より一層ロボットを含めた対話エージェントによる接客対話技術の研究開発に努めてまいります。
※1 ACM/IEEE International Conference on Human-RobotInteraction
※2 ACM CHI Conference on Human Factors in Computing System
※3 International Conference on Intelligent Robots and Systems
※4 共著論文「Costume vs. Wizard of Oz vs. Telepresence: How Social Presence Forms of Tele-operated Robots Influence Customer Behavior」についてはこちらのプレスリリースで詳細をご確認ください
※5 「ムーンショット型研究開発事業」
超高齢化社会や地球温暖化問題など重要な社会課題に対し、人々を魅了する野心的な目標(ムーンショット目標)を国が設定し、挑戦的な研究開発を推進する制度。