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技術

アバターのカスタマイズがオンライン上のソーシャルサポートとユーザー満足度を高める仕組みを解明した論文が、国際学術誌「Cyberpsychology, Behavior, and Social Networking」に採択

「学際的情報科学センター」で学際的な研究開発に従事する高野雅典を第一著者とする論文「Avatar Customization Predicts Subsequent Online Social Support and User Satisfaction via Avatar Identification」(共著: 横谷謙次准教授(徳島大学)、加藤隆弘教授(北海道大学)、阿部修士教授(京都大学)、高史明教授(東洋大学)が、国際学術誌「Cyberpsychology, Behavior, and Social Networking」に採択されました。学際的情報科学センターでは、社外の研究機関と協働しながら、情報科学および隣接領域の学術的知見に基づき、当社サービスの体験価値向上につながる研究開発に取り組んでいます。

研究概要

本研究では、「ピグパーティ」を含む日本国内でよく利用される3つのアバターコミュニケーションサービス利用者を対象に、約9か月間隔の2時点の縦断調査を実施し、カスタマイズ頻度、アバター同一視、オンライン・ソーシャルサポート、ならびにユーザー満足度指標(NPS、CSAT、継続意向、課金など)の関連を分析しました。

研究の背景と目的

アバターを介したコミュニケーションは、匿名性を保ちながら豊かな非言語表現や感情表現を可能にし、オンライン上での自己開示や相互理解を促進する重要なコミュニケーション手段です。こうした場では、他者からの支援(オンライン・ソーシャルサポート)が生まれやすく、ユーザーの「居場所」やつながりの形成に寄与する可能性があります。

一方で、多くのアバターコミュニケーションサービスはエンターテインメントを主軸に設計されており、センシティブな話題や支援行動を前面に出すことは、サービスの世界観や利用文脈と必ずしも一致しない場合があります。そこで本研究では、プラットフォーマーが自然に促進しやすい「アバターのカスタマイズ」に着目し、カスタマイズ → アバターへの同一視(avatar identification) → ソーシャルサポート・満足度へとつながる心理・行動メカニズムを、統合的に検証しました。

研究の主な結果

本研究の分析から、主に以下が示されました。

1. アバターのカスタマイズ頻度は、その後の「アバター同一視」を高める
より頻繁にアバターをカスタマイズするユーザーほど、後の時点で「自分とアバターの結びつき(同一視)」が高まる傾向が確認されました。

2. 「アバター同一視」と「オンライン・ソーシャルサポート」は相互に高め合う(正のフィードバック)
アバター同一視が高いほど、その後のオンライン・ソーシャルサポートが高まり、逆にソーシャルサポートの高さも、その後のアバター同一視を高める関係が示されました。

3. アバター同一視とオンライン・ソーシャルサポートは、その後のユーザー満足度と正に関連
アバター同一視およびオンライン・ソーシャルサポートが高いほど、後の時点でのユーザー満足度指標が高い傾向が確認されました。

4. カスタマイズは、アバター同一視を介してソーシャルサポート/満足度を高める間接効果を持つ
カスタマイズ頻度は、アバター同一視の向上を介して、オンライン・ソーシャルサポートやユーザー満足度へと波及する間接的な効果が示されました。

本研究成果の意義とビジネスへの活用可能性

本研究は、アバターコミュニケーションにおける「カスタマイズ」が、単なる装飾行動にとどまらず、アバター同一視を強め、ソーシャルサポートと満足度の向上につながる可能性を示したものです。

プラットフォーマーにとって重要なのは、アバターのカスタマイズは、以下のようにサービス運営と自然に整合する “実装しやすい介入ポイント” である点です。

・新アイテムの継続的な提供
・季節イベント(例:ハロウィン等)に合わせた着せ替え企画
・参加動機を高めるコーデ/ルーム演出の導線改善

こうした施策を通じてユーザーのカスタマイズ頻度が高まれば、アバター同一視 ↔ ソーシャルサポートの正の循環が立ち上がり、ユーザーのウェルビーイングに資する体験価値の向上と、サービスの満足度向上の両立(win-win)につながることが期待されます。

論文情報

・掲載誌:Cyberpsychology, Behavior, and Social Networking
・論文タイトル:Avatar Customization Predicts Subsequent Online Social Support and User Satisfaction via Avatar Identification
・著者:高野雅典(サイバーエージェント/慶應義塾大学)、横谷謙次(徳島大学)、加藤隆弘(北海道大学)、阿部修士(京都大学)、高史明(東洋大学)
・DOI:10.1177/21522715261423782
・URL: https://doi.org/10.1177/21522715261423782


学際的情報科学センターは今後も、より安心して利用いただけるサービス運営に繋がるよう、外部の研究機関と協働し、情報科学とその隣接領域における学術的な知見に基づいた研究開発に努めてまいります。