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技術

AI Lab、意思決定研究分野の国際学会「SJDM Annual Meeting 2026」にて論文採択

AI技術の研究開発組織「AI Lab」に所属する研究員の市場 創大による論文が、判断・意思決定研究分野のトップカンファレンス「SJDM Annual Meeting 2026」※1に採択されたことをお知らせいたします。
「SJDM Annual Meeting」は、心理学・経済学・マーケティング・組織行動学など、判断と意思決定に関する研究者が参加する学際的な学会です。採択された論文は、2026年11月20日から22日にアメリカのカリフォルニア州サンディエゴで開催される「SJDM Annual Meeting 2026」にて発表予定です。

■背景

AI Labでは、マーケティング全般に関わる幅広いAI技術を研究・開発しており、大学・学術機関との産学連携を強化しながら、さまざまな技術課題に取り組んでいます。
なかでも経済学領域における研究チームでは、高度な理論研究や社内外のデータを活用した応用研究により、消費者の行動メカニズムや意思決定プロセスの解明、ならびにマーケティング施策の最適化を推進しています。

■採択された論文について

「What consumers don’t think to ask: Decision structuring and its implications for preference measurement」
著者:市場 創大(サイバーエージェント AI Lab)、Zhihao Zhang(University of Virginia, Darden School of Business)


一般的なマーケティング分析や研究では、消費者があらかじめ整理された検討項目をもとに意思決定を行うことが前提とされてきました。しかし、現実の購買行動やサービス利用においては、検討項目が与えられておらず、消費者自身が「何を基準に意思決定をするか」を自ら生成しながら意思決定を行う場合があります。

本研究では、消費者が意思決定の際に検討項目を生成するプロセスに着目し、外部からの情報提示が選択基準の形成に及ぼす影響を明らかにしました。例えば、商品購入時に当初は「価格」や「デザイン」といった直感的な基準だけで検討していた消費者が、適切な情報提示を受けることで「サポート体制」や「機能性」といった新たな検討基準を自ら形成し、選択を変化させるプロセスなどを分析・検証しています。
研究の結果、消費者が「重要であると考える検討項目」と「意思決定の瞬間に直感的に考慮している検討項目」の間には乖離があることを解明しました。さらに、デジタルプラットフォームや広告などを通じて適切な情報を提示することで、消費者の生成する検討項目そのものが変化し、最終的な意思決定に影響を与える可能性を示しました。

この知見は、消費者が自分にとって重要な情報を常に把握しているわけではなく、適切なタイミングや文脈で情報を提示することが、ユーザーの選択の幅を広げ、新たなニーズの発見を促す鍵となることを示唆しています。

■今後

本研究で得られた知見は、消費者の意思決定メカニズムへの深い理解をもとに、インターネット広告におけるランディングページ(LP)の最適化や広告バナー表現の改善など、より効果的なクリエイティブ制作・情報提示手法への活用が期待されます。
AI Labは今後も、消費者の意思決定や行動に関する研究を推進し、学術的な発展に貢献するとともに、得られた知見を事業領域へ還元し、マーケティング効果の最大化とユーザー体験の向上に努めます。


※1 Society for Judgment and Decision Making(SJDM)