AI Lab、知識ベースおよびインテリジェント情報・工学システムに関する国際会議「KES 2025」にて主著論文採択

株式会社サイバーエージェンは、人工知能技術の研究開発組織「AI Lab」に所属する研究員の小比田涼介・春日瑛による論文が、知識ベースおよびインテリジェント情報・工学システムに関する「KES 2025」に採択されたことをお知らせいたします 。本論文は、クラウドアーキテクチャ設計支援アプリケーション「CloudArchitectBuddy（CA-Buddy）」に関する研究成果であり、2025年9月に開催される「KES 2025」にて発表される予定です。


背景
クラウドアーキテクチャ設計は、技術的専門知識とアーキテクチャに関する知識の両方を必要とする複雑なプロセスであり、しばしば曖昧な要件から解決策を導き出す必要があります。要件の明確化や拡張性・セキュリティ・コスト効率などのシステム品質の最適化は、特に経験豊富な専門家が不足している現状において、中心的な課題となっています。現在のクラウドネイティブな開発環境では、効果的なアーキテクチャ設計支援が喫緊の課題とされています。

今回採択された論文では、クラウドアーキテクチャ設計支援アプリケーション「CloudArchitectBuddy（CA-Buddy）」を提案しています。
CA-Buddyは、要件と設計意思決定を明示的に表現する「構造化された状態管理」と、プロアクティブな検証で設計進行を促進する「誘導された意思決定支援」という2つの主要メカニズムで設計をサポートします。
16人の業界実務家を対象とした研究では、チャットインターフェースと同等の設計品質を達成しつつ、CA-Buddyがより高いユーザビリティと要件特定支援で評価されました。
実際に社内システムとしても導入されており、特に初期プロダクト立ち上げフェーズにおいて有効なソリューションとなっています。

arixivリンクはこちら: https://www.arxiv.org/pdf/2505.20701


今後
本研究の成果を踏まえ、今後は検索機能やチャット機能の統合を進め、プロダクトとしての磨き込みを行います。OSS（オープンソースソフトウェア）化や社外提供も視野に入れ、より広い視野でのクラウド設計を支援してまいります。