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技術

アバターコミュニケーションとテキストコミュニケーションを比較した研究が、計算社会科学分野における難関国際会議「 ICWSM 2025」に採択

学際的情報科学センター

「学際的情報科学センター」で学際的な研究開発に従事する高野雅典の論文「Avatar Communication Provides More Efficient Online Social Support Than Text Communication」が計算社会科学分野における難関国際会議「 Proceedings of the Sixteenth International Conference on Web and Social Media (ICWSM-2025)」に採択されました。学際的情報科学センターでは、社外の研究機関と協働しながら、情報科学とその隣接領域の学術的な知見に基づき、主に当社のメディア事業における研究開発に取り組んでいます。

「ICWSM 2025」は計算社会科学分野における難関国際会議で、論文採択率が約25%の難関国際会議として知られています。この度採択された論文はオンラインコミュニケーションにおけるアバターの重要性を示した研究です。

論文の概要

この研究ではアバターを介したオンラインコミュニケーションがユーザーの精神的な支え(オンラインソーシャルサポート)や人間関係の安定性に与える影響に関する大規模調査を実施し、その研究成果が学術論文として採択されましたことをお知らせいたします。本研究では、当社が運営する「ピグパーティ」のほか、「Second Life」、「ZEPETO」といったアバターコミュニケーションサービスと、「Facebook」、「X」(旧Twitter)、「Instagram」といったテキストベースのコミュニケーションサービスのユーザー計8,947名を対象に比較分析を行いました。この成果は、当社の今後のサービス開発にとって重要な示唆を与えるものです。


【研究の主な結果】
1. アバターは「オンラインの心の支え」をより多く提供する傾向: 「ピグパーティ」、「Second Life」、「ZEPETO」などのアバターコミュニケーションサービスユーザーは、「Facebook」、「X」、「Instagram」といったテキストコミュニケーションサービスユーザーと比較して、オンライン上でより多くの精神的・実質的なサポートを受けていることが示されました。


2. アバターは「安定したオンラインの関係性」の構築に寄与: アバターコミュニケーションサービスユーザーは、オンライン上の人間関係がより安定的であることも確認されました。


3. オンラインのサポートとオフラインのサポートの関連性: アバターコミュニケーションサービスユーザーは、オフライン(現実世界)でのソーシャルリソースが相対的に少ない傾向が見られましたが、オンラインで得られるサポートとオフラインのサポートとの間には、テキストコミュニケーションサービスユーザーよりも強い正の関連性が認められました。


【本研究成果の意義とビジネスへの活用可能性】
本研究は、アバターを介したコミュニケーションが、ユーザー間の繋がりを深め、精神的な支え合いを生み出す可能性を客観的に示したものであり、この知見はサイバーエージェント、特に「ピグパーティ」の事業展開において、以下のような活用が期待されます。

1. ユーザーエンゲージメント向上への寄与: 研究で示された「オンラインソーシャルサポートの高さ」や「関係性の安定性」は、ユーザーのサービスへの親近感や満足度を高める重要な要素と考えられます。「ピグパーティ」において、これらの要素を育む機能を充実させることで、ユーザーの皆様により長く、深くサービスを楽しんでいただくことに繋がり、結果としてLTV(顧客生涯価値)向上に貢献する可能性があります。現実世界での充足感をオンラインに求めるユーザー層に対し、ピグパーティが提供できる独自の価値を、より多くの方に届けていきたいと考えています。


2. サービス価値向上と利用促進: オンライン上に安心できる「居場所」や「人との繋がり」を求めるニーズに応えるべく、本研究結果は、ピグパーティが提供できる価値を改めて示唆しています。アバターを通じた共感や相互理解を促すようなサービス改善を継続することで、ユーザーにとってより魅力的なプラットフォームを目指します。研究で得られた知見は、今後の機能開発やコミュニティ運営の方向性を検討する上で、貴重な指針となります。


3. メタバース時代における価値提供: アバターコミュニケーションの心理的・社会的側面への理解を深め、それをサービス体験に活かしていくことは、今後のメタバース市場の発展において重要になると考えています。本研究のような取り組みを通じて得られた知見は、メタバース社会におけるユーザ間のウェルビーイングに貢献します。

今後も研究開発への取り組みを続け、そこで得られた知見を「ピグパーティ」をはじめとするサービスの質の向上に活かすことで、ユーザーの皆様に価値あるオンライン体験を提供できるよう努めてまいります。

論文

・著者: 高野雅典(サイバーエージェント; 慶應義塾大学)、横谷謙次(徳島大学)、加藤隆弘(北海道大学)、阿部修士(京都大学)、高史明(東洋大学)

・タイトル: Avatar Communication Provides More Efficient Online Social Support Than Text Communication

・論文誌: Proceedings of the International AAAI Conference on Web and Social Media

・URL: https://doi.org/10.1609/icwsm.v19i1.35906
学際的情報科学センターは今後も、より安心して利用いただけるサービス運営に繋がるよう、外部の研究機関と協働し、情報科学とその隣接領域における学術的な知見に基づいた研究開発に努めてまいります。


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