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技術

AI Lab、「ACM ISWC」に小売実店舗向け動線推定システムに関する論文が採択

AI Tech Studio

人工知能技術の研究開発組織「AI Lab」研究員の米谷竜・馬場惇およびサイモンフレーザー大学准教授でありAI Lab技術アドバイザリーのYasutaka Furukawa氏による論文が「ACM ISWC 2024」にて採択されたことをお知らせいたします。


■背景
昨今、小売企業が自社で保有する消費者の購買データなどを活用し、オンライン広告(ECサイトやアプリ)・オフライン広告(店頭サイネージやポップ)を配信する「リテールメディア」の導入が広がっています。

一方店頭サイネージは、広告を閲覧した来店客の回遊行動を追跡することの難しさから、広告効果を計測するためのデータ取得や利活用が十分に出来ていないという課題があります。
一般的に回遊データの収集には、BLEビーコンやAIカメラといった計測機器が用いられますが、いずれも導入と運用にコストがかかります。
これに対し、スマートフォンの加速度や角速度といった慣性データを用いた動線推定技術が盛んに研究されていますが、計測誤差の蓄積にともなって推定結果が不正確となるため、先述の計測機器を併用した補正が不可欠でした。

論文の概要

このような背景のもと、このたび採択された論文「RetailOpt: Opt-In, Easy-to-Deploy Trajectory Estimation from Smartphone Motion Data and Retail Facility Information」では、ID-POS情報と店内地図を用いて来店客が購入物を手に取った棚の位置を特定することで、スマートフォンによる動線推定を補正するシステムを提案しています。

本システムを導入することで、ID-POSが既に導入された店舗であれば、BLEビーコンやAIカメラといった追加機器を必要とせず、より低コストで動線推定が可能となります。
また、店内行動データとID-POSデータを紐づけることで、店頭サイネージに流した広告の購買効果の計測を実現できます。

さらに、それぞれの来店者がスマートフォンアプリを通して推定可否の選択が可能となるなど、プライバシー保護への対応も容易に行うことが出来ます。
本システムは、実データを用いた評価実験により、その有効性を確認しています。


■今後
今後、当社で推進しているリテールメディア事業に研究成果を活用することで、実店舗広告の効果向上への貢献が期待されます。「AI Lab」は今後も、プロダクトと協働しビジネス上重要な分野における研究・開発に努めてまいります。