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プレスリリース

AI Lab、自然言語処理分野のトップカンファレンス「ACL 2026」にて3本の論文が採択

AI

株式会社サイバーエージェント(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:山内 隆裕、東証プライム市場:証券コード4751)は、AI技術の研究開発組織「AI Lab」に所属する星野 翔、本多 右京、 張 培楠、関井 大気、佐藤 文彬、サイバーエージェントのミッション型インターン参加者MAO KEYU※1ならびに、連結子会社の株式会社AI Shift(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:米山 結人)の村田 栄樹による論文が自然言語処理分野の国際会議「ACL 2026」※2の本会議に1本、Findingsに2本、採択されたことをお知らせいたします。なお当社において、ACLでの論文採択は3年連続となります。

「ACL」は、自然言語処理分野(NLP)において権威あるトップカンファレンスのひとつです。このたび採択された論文は、2026年7月2日から7日にかけてアメリカのサンディエゴで開催される「ACL 2026」にて発表を行います。

また、併設のワークショップ「SemEval 2026」において、レビューテキストに関する感情分析タスクで論文が採択※3されています。

■採択された3本の論文について

「AI Lab」では、知能の本質を探求する基礎研究から、広告クリエイティブやAIエージェント等の実サービスへの応用、社会実装までを一気通貫で推進しています。

●本会議
NLPチームでは、「広告テキストの自動生成」や「広告表現の理解」の基礎研究に取り組むとともに、当社が提供するAIで効果の出せる広告テキストを予測・自動生成する「極予測TD」への技術・知見導入を通じた社会実装に取り組んでいます。

Does Self-Consistency Improve the Recall of Encyclopedic Knowledge?
著者:星野 翔・本多 右京・ 張 培楠(サイバーエージェント AI Lab)

CoT※4に代表される大規模言語モデル(LLM)の推論時スケーリング手法は、数学など論理的思考を問う問題に極めて有効ですが、医学など知識を問う問題には通用せず限界がありました。本研究は、代表的ベンチマークMMLUを「記号推論」と「知識問題」の2つに再定義し、これらの手法を厳密に再検証しました。その結果、CoTを発展させたSelf-Consistencyが両者に効果的と分かり、GPT-4oを用いた検証において過去最高の正解率89%を達成しました。本成果は、AIにより広告クリエイティブの審査を自動化する「審査AI」などへのプロダクト応用が期待できます。

※4 Chain-of-Thought:LLMに対し問題を解く過程の中間的な推論ステップを明示的に生成させる手法


●Findings
2023年に発足したActivity Understanding(行動理解)チームにおいては、実世界における人々の行動を理解することで、より効果的なAIサービスを提供することを目指し研究を行っており、既に当社が展開するリテールメディア事業において、小売実店舗向け動線推定システムに関する研究をはじめとした社会実装を進めてまいりました。

A2O: LLM-based Agentic Learning of Action-to-Object Features for Video Action Recognition
著者:関井 大気・佐藤 文彬(サイバーエージェント AI Lab)

従来の動作認識AIでは、動作そのものではなく、背景や人物の外観といった本来無関係な情報を手がかりに判断してしまう「ショートカット学習」が課題となっていました。そこで本研究では、人間の行動に関する知識を持つLLMをエージェントとして活用し、動画内で注目すべき物体をAI自身が試行錯誤しながら自動的に最適化する枠組み「A2O」を提案しました。本技術により、将来的にはクリエイティブ制作における動画解析や編集の効率化への貢献が期待されます。



AI Shiftでは、AIエージェント構築・運用プラットフォーム「AI Worker Platform」をはじめとする「AI Worker」シリーズを展開し、AIエージェントの社会実装を推進しています。性能とコストを考慮した最適なモデルを提供することは顧客価値創造につながる極めて重要な課題です。

BiCSRouter: Bi-Level Cross-System Routing for Utility-Aware LLM Inference
著者:MAO KEYU(東京科学大学)・村田 栄樹(サイバーエージェント AI事業本部/AI Shift)・本多 右京(サイバーエージェント AI Lab)

LLMの使用において、タスクの複雑さやコストに応じて最適なモデルやシステム構成を選択する「LLMルーティング」が重要な研究課題となっています。本論文では、単一/複数エージェントシステムを横断してルーティングする新たな問題を定式化し、これに基づく二段階のルーティングフレームワークを提案しています。実証実験において、15種類の代表的なベースラインを上回る性能を達成しました。最高水準の公開モデルと比較して精度低下をわずか2%に抑えつつ推論コストを46%削減し、学習データとは異なる分布のタスクに対しても高い汎化性能を示しました。本研究の成果は、AI Shiftの提供する「AI Worker Platform」などの基盤技術として活用することを目指しております。

 
■今後

今回採択された研究成果は、次世代のクリエイティブ制作技術への技術基盤となるとともに、当社で取り組む「審査AI」での広告クリエイティブの自動審査技術や、AI Shiftの提供する「AI Worker」シリーズなどAIエージェント関連サービスの技術開発および精度向上に寄与することが期待されます。
「AI Lab」は今後もビジネス・社会課題の解決に向けたAI技術をプロダクトに取り入れるとともに、技術発展と学術発展に貢献するべく、研究・開発に努めてまいります。


※1 東京科学大学所属 2025年10月1日より2026年4月30日までミッション型インターンに参加
※2 The 64th Annual Meeting of the Association for Computational Linguistics
※3 SemEval 2026のTask 3 (DimABSA)のSubtask 3において、複数言語で上位評価(英語・タタール語で1位、日本語で2位)を獲得
  「Ensembling LLM Predictions using Demonstration Retrieval for Dimensional Aspect-based Sentiment Analysis」
  Kosuke Yamada, Sho Takase, Ryosuke Kohita