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プレスリリース

AI Lab、ロボティクス分野の主要ジャーナル「International Journal of Social Robotics」にて主著論文採択

― 商品推薦ロボットの長期的な影響の調査 ―

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株式会社サイバーエージェント(本社:東京都渋谷区、代表取締役:藤田晋、東証プライム市場:証券コード4751)は、人工知能技術の研究開発組織「AI Lab」研究員の宋思超・馬場惇・岡藤勇希および大阪大学大学院基礎工学研究科の中西惇也特任助教(常勤)・吉川雄一郎准教授・石黒浩教授らによる主著論文がロボティクス分野の主要ジャーナル「International Journal of Social Robotics」※1に採択されたことをお知らせいたします。

「International Journal of Social Robotics」はロボティクス分野における主要論文誌のひとつであり、ヒューマン・ロボット・インタラクションの分野においては権威ある論文誌として知られています。

なお、本研究はムーンショット型研究開発事業の研究プロジェクトの一環として、大阪大学大学院基礎工学研究科の先端知能システム共同研究講座※2との共同研究において実施されたものです。
 

■背景

近年、少子高齢社会における労働人口減少の加速やポストコロナにおける実店舗への来店客の増加見込みに対し、ロボットを活用した接客の有用性が注目されています。
このような背景から内閣府が主導する「ムーンショット型研究開発制度」※3における研究開発プロジェクトの1つとして、「誰もが自在に活躍できるアバター共生社会の実現」が進められています。
「AI Lab」では、2017年から大阪大学大学院基礎工学研究科と共に、ロボットなどの対話エージェントによる接客・広告技術の確立や科学的知見の獲得を目的とした共同研究に取り組んでまいりました。

特に、店舗における商品やサービスの販売促進・利用促進を行う対話エージェントのインタラクション技術は、小売における業務効率化や生産性向上に貢献することが期待されています。今回採択された論文では、半年間に渡って商品を販売促進するロボットを設置した際の、長期的な効果について検証しました。

■論文の概要

既存研究においては、対話ロボットによる商品の推薦効果の向上や店舗イメージの向上など、様々な効果が報告されています。一方で、対話ロボットは飽きられて次第に使われなくなるなどの課題も知られており、実際の店舗環境において長期的な効果の持続について理解することは、対話ロボットをビジネス展開していく上では非常に重要となります。

そこで本論文では、対話ロボットを6ヶ月間に渡ってベーカリーに設置して、長期的なロボットの有用性について調査を行いました。また長期的な販売促進の効果を検証するだけでなく、顧客と店員にとって、具体的にどのようなサービスを提供することが価値になるのかも調査します。


具体的には、遠隔操作型のサービスロボットを大阪府にあるベーカリー(株式会社101の運営するSOLVIVA BAKERY)の店舗内に週2日・6ヶ月間設置して、店員と一緒に商品推薦や接客の業務を担う実験をしました。顧客へのアンケート、店員とロボットの遠隔操作者へのインタビューに基づいて、サービスロボットの長期的な効果を検証しました。
 
●調査結果

<調査項目1:サービスロボットの長期的な商品推薦効果>
サービスロボットが長期的な商品推薦効果を持つことを観察しました。特に、週に1回程度ベーカリーを訪れる常連の顧客に対して効果が高くなることが確認できており、ロボットに出会う回数が多くなるにつれて、ロボットからの推薦を受け入れやすくなることが示されています。
 
図1 常連顧客のロボットによる商品推薦の接触回数と購買率
図1 常連顧客のロボットによる商品推薦の接触回数と購買率
<調査項目2:サービスロボットが提供できる価値>
インタビューとアンケートの結果から、サービスロボットは下記の価値を提供する可能性があることが分かりました。
 ・ロボットは顧客の買い物をより効率的にすることが可能
 ・ロボットが顧客と店員の会話のきっかけとなり、顧客と店舗の関係構築を促進
 ・ロボットが接客タスクを担うことによって、店員が担うべきタスクが簡素化
 ・ロボットが周囲にいることで店員の孤独感が減少し、店員に安心感を与えた

■今後

本研究では、ロボットが店舗業務の一部を担うために、ロボットの商品推薦の効果を高める上で重要な知見を発見できたと考えています。今回発見した知見をもとに、さらなる実験を行い、店舗で接客に従事するロボットの可能性を探索してまいります。「AI Lab」は今後も、大学・学術機関との産学連携を強化しながら様々な技術課題に取り組むとともに、「人とロボットが共生できる世界」を目指し、より一層ロボットを含めた対話エージェントによる接客対話技術の研究開発に努めてまいります。


※1 International Journal of Social Robotics
※2 先端知能システム共同研究講座                                         
2017年4月1日より発足した、サイバーエージェントAI Labと大阪大学大学院基礎工学研究科石黒浩教授との共同研究講座。人と社会において調和的に関わることができる、ロボットを含めた対話エージェントの実現に向けた基礎技術の確立及び、人の持つ対話能力に関する科学的な知見の獲得を目指しています。
 ※3「ムーンショット型研究開発制度





【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社サイバーエージェント AI事業本部 広報
E-mail:cyberagent.ai_pub@cyberagent.co.jp