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プレスリリース

AI Lab、インタラクション分野のトップカンファレンス「HRI2023」にて共著論文採択 ―複数台ロボットの連携による商品推薦効果を調査―

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株式会社サイバーエージェント(本社:東京都渋谷区、代表取締役:藤田晋、東証プライム市場:証券コード4751)は、 人工知能技術の研究開発組織「AI Lab」研究員の宋思超、馬場惇、岡藤勇希および、大阪大学大学院基礎工学研究科の中西惇也特任助教(常勤)、吉川雄一郎准教授、石黒浩教授らによる共著論文が、インタラクション分野の国際会議「HRI 2023」※1に採択されたことをお知らせいたします。

「HRI」は世界中の様々な研究者が一堂に集い毎年開催される国際会議で、「CHI」※2「IROS」※3 などと並び、インタラクション分野で権威あるトップカンファレンスの1つです。
このたび「AI Lab」から採択された論文は、2023年3月にスウェーデンで開催される「HRI 2023」で発表を行います。


■ 研究背景
近年、ロボットを用いた商品推薦に注目が集まっており、その推薦効果を高める手法について、多くの研究が行われています。「AI Lab」では、2017年から大阪大学大学院基礎工学研究科と共に、ロボットなどの対話エージェントによる接客・広告技術の確立や科学的知見の獲得を目的とした共同研究に取り組んでおり、2020年からはムーンショット研究開発事業 ※4 の一環として「遠隔対話ロボットで働く」をテーマにした実証プロジェクトを行うほか、国際学会にて論文発表を行うなど、積極的な活動を行っております。


■ 論文の概要
このような取り組みのもと、今回採択された論文「Out for In!: Empirical Study on the Combination Power of Two Service Robots for Product Recommendation」では、複数台(店頭/店内2台)のロボットが連携を行い商品推薦を行うことが、1台(店内のみ)のロボットによる商品推薦よりも、高い効果に繋がるか調査を行いました。


具体的には、下記の条件で実験を実施いたしました。
・ベースライン:ロボット設置無し
・条件①: 店内に1台のロボットを設置して商品推薦を行う
・条件②: 店内に1台のロボットを設置して商品推薦を行う上、店頭にもう1台のロボットを設置し、店内ロボットと連携して商品推薦を行う

※ 連携に関する主な手段は、店頭ロボットが店内ロボットの存在を来店客にあらかじめ紹介すること。発話の例:「店の中に僕の弟の〇〇(店内ロボットの名前)がいるよ!弟が商品にとても詳しいのでぜひ話に行ってみてね!」
検証にあたり、2022年6月に大阪府にある小売店(ベーカリー)で行ったところ、 主な実験結果として、下記の差異が確認できました。
 
推薦商品の販売率(販売数/製造数)※5 に関して、条件②(店頭店内連携)がベースラインと条件①(店内のみ)より有意的に高いことがわかりました。一方、条件①はベースラインと統計的に有意な差は確認できませんでした。
さらに、実験映像で来店客の行動をアノテーションした結果、来店客が買い物をする途中で店内ロボットを見た率・ロボットが推薦した商品を確認した率・推薦商品を購入した率は条件②が条件①より有意的に高いことが分かりました。

これらの実験結果から、複数台(店頭店内2台)のロボットが連携し、店頭ロボットの紹介により「来店客の店内ロボットへの注意」が高まったことで、商品推薦効果が向上することが確認できました。


■ 今後
本研究では、ロボットが高いパフォーマンスの接客サービスを行っていくための重要な知見を発見できたと考えています。今回発見した知見をもとに、さらなる実験を行い、ロボットが十分な接客サービスを提供できるために探索してまいります。「AI Lab」は今後も、大学・学術機関との産学連携を強化しながら様々な技術課題に取組むとともに、「人とロボットが共生できる世界」を目指し、より一層ロボットを含めた対話エージェントによる接客対話技術の研究開発に努めてまいります。


※1  ACM/IEEE International Conference on Human-RobotInteraction 
※2  ACM CHI Conference on Human Factors in Computing System
※3  International Conference on Intelligent Robots and Systems 
※4 「ムーンショット型研究開発事業」
※5  製造数は各条件で統一:実験のため、製造数を普段より増加