株式会社サイバーエージェント(本社:東京都渋谷区、代表取締役:藤田晋、東証プライム市場:証券コード4751)は、人工知能技術の研究開発組織「AI Lab」に所属する研究員の野村将寛および横浜国立大学の濱野椋希氏、白川真一氏ならびに横浜国立大学/スキルアップAI株式会社の斉藤翔汰氏による共著論文が、進化計算分野の国際会議「GECCO2022」※1の本会議に採択されたことをお知らせいたします。
「GECCO」は世界中の研究者によって毎年開催される国際会議で、最適化における重要領域である進化計算分野において権威ある国際会議の1つです。このたび採択された論文は、2022年7月に開催される「GECCO 2022」にて発表を行います。(※アメリカのボストンにおいて、オフラインとオンラインのハイブリット開催を予定)なお、本論文は「ENUM(Evolutionary Numerical Optimization)トラック」においても、ベストペーパー賞にノミネートされています。
■研究背景:高品質なクリエイティブ制作のための最適化
「AI Lab」ではマーケティング全般に関わる幅広いAI技術を研究・開発しており、大学・学術機関との産学連携を強化しながら様々な技術課題に取組んでいます。なかでも、クリエイティブ領域における活動として、クリエイティブ表現全般に関わる幅広いAI技術を研究するとともに、メディア理解の基盤となる評価指標やモデルの分析方法の開発も行うなど、応用研究だけでなく基礎研究にも注力をしています※2。
クリエイティブ制作においては、より魅力的なデザインの学習のために、デザインに影響を与える変数の最適化が重要となります。例えば、グラフィックデザインを支援するためのレイアウト自動生成※3においては、最初に自動生成したレイアウトに対して最適化を行うことで、望ましいレイアウトの生成を実現しています。このように、最終的な成果物の品質を高めるためには、最適化の精度を向上させることが重要となります。
レイアウト自動生成の先行研究においては、連続的な変数を最適化の対象としていましたが、レイアウト構造全体を学習対象とした場合には、連続的な変数に加えて離散的な変数も最適化の対象となることがあります。しかし、既存の最適化方法では、連続的な変数と離散的な変数を同時かつ効率的に最適化することは困難でした。
■論文研究の概要
このような背景のもと、今回採択された共著論文「CMA-ES with Margin: Lower-Bounding Marginal Probability for Mixed-Integer Black-Box Optimization」※4では、対象問題が連続的な変数に加えて離散的な変数を含む場合でも効率的な最適化を可能にする最適化の方法を提案しました。これまでは効率的な探索が困難であった問題に対して、提案された方法が既存の方法よりも効率的かつ高精度に最適化が可能であることを実験により示しています。本手法はクリエイティブ領域にも応用可能であり、より高品質なクリエイティブの制作を可能にすることが期待されます。
■今後
本研究において提案された方法は、クリエイティブ領域以外にも、機械学習モデルの設定最適化※5などの様々な問題に対して応用が可能です。「AI Lab」は今後もAI技術を取り入れたより品質の高い広告配信技術の実現を目指し、研究・開発に努めてまいります。
※1 「GECCO」The Genetic and Evolutionary Computation Conference
※2 AI Lab、コンピュータビジョン分野のトップカンファレンス「CVPR2022」にて3本の主著論文採択 ー研究開発の基礎技術となる指標や分析方法を提案ー
※3 AI Lab、マルチメディア分野のトップカンファレンス「ACM Multimedia」にて共著論文採択 ー最適化による制約を満たしたレイアウトの生成手法を提案ー
※4 Ryoki Hamano, Shota Saito, Masahiro Nomura, Shinichi Shirakawa, "CMA-ES with Margin: Lower-Bounding Marginal Probability for Mixed-Integer Black-Box Optimization", GECCO 2022.
※5 AI Lab、人工知能分野のトップカンファレンス「AAAI 2021」にて共著論文採択 ー 事前情報を活用した効率的なハイパーパラメーター最適化手法を提案 ー
AI Lab、データマイニング分野の主要国際会議「CIKM」にて共著論文採択ー 正解情報のないデータに対するハイパーパラメーター最適化手法を提案 ー
「GECCO」は世界中の研究者によって毎年開催される国際会議で、最適化における重要領域である進化計算分野において権威ある国際会議の1つです。このたび採択された論文は、2022年7月に開催される「GECCO 2022」にて発表を行います。(※アメリカのボストンにおいて、オフラインとオンラインのハイブリット開催を予定)なお、本論文は「ENUM(Evolutionary Numerical Optimization)トラック」においても、ベストペーパー賞にノミネートされています。
■研究背景:高品質なクリエイティブ制作のための最適化
「AI Lab」ではマーケティング全般に関わる幅広いAI技術を研究・開発しており、大学・学術機関との産学連携を強化しながら様々な技術課題に取組んでいます。なかでも、クリエイティブ領域における活動として、クリエイティブ表現全般に関わる幅広いAI技術を研究するとともに、メディア理解の基盤となる評価指標やモデルの分析方法の開発も行うなど、応用研究だけでなく基礎研究にも注力をしています※2。
クリエイティブ制作においては、より魅力的なデザインの学習のために、デザインに影響を与える変数の最適化が重要となります。例えば、グラフィックデザインを支援するためのレイアウト自動生成※3においては、最初に自動生成したレイアウトに対して最適化を行うことで、望ましいレイアウトの生成を実現しています。このように、最終的な成果物の品質を高めるためには、最適化の精度を向上させることが重要となります。
レイアウト自動生成の先行研究においては、連続的な変数を最適化の対象としていましたが、レイアウト構造全体を学習対象とした場合には、連続的な変数に加えて離散的な変数も最適化の対象となることがあります。しかし、既存の最適化方法では、連続的な変数と離散的な変数を同時かつ効率的に最適化することは困難でした。
■論文研究の概要
このような背景のもと、今回採択された共著論文「CMA-ES with Margin: Lower-Bounding Marginal Probability for Mixed-Integer Black-Box Optimization」※4では、対象問題が連続的な変数に加えて離散的な変数を含む場合でも効率的な最適化を可能にする最適化の方法を提案しました。これまでは効率的な探索が困難であった問題に対して、提案された方法が既存の方法よりも効率的かつ高精度に最適化が可能であることを実験により示しています。本手法はクリエイティブ領域にも応用可能であり、より高品質なクリエイティブの制作を可能にすることが期待されます。
■今後
本研究において提案された方法は、クリエイティブ領域以外にも、機械学習モデルの設定最適化※5などの様々な問題に対して応用が可能です。「AI Lab」は今後もAI技術を取り入れたより品質の高い広告配信技術の実現を目指し、研究・開発に努めてまいります。
※1 「GECCO」The Genetic and Evolutionary Computation Conference
※2 AI Lab、コンピュータビジョン分野のトップカンファレンス「CVPR2022」にて3本の主著論文採択 ー研究開発の基礎技術となる指標や分析方法を提案ー
※3 AI Lab、マルチメディア分野のトップカンファレンス「ACM Multimedia」にて共著論文採択 ー最適化による制約を満たしたレイアウトの生成手法を提案ー
※4 Ryoki Hamano, Shota Saito, Masahiro Nomura, Shinichi Shirakawa, "CMA-ES with Margin: Lower-Bounding Marginal Probability for Mixed-Integer Black-Box Optimization", GECCO 2022.
※5 AI Lab、人工知能分野のトップカンファレンス「AAAI 2021」にて共著論文採択 ー 事前情報を活用した効率的なハイパーパラメーター最適化手法を提案 ー
AI Lab、データマイニング分野の主要国際会議「CIKM」にて共著論文採択ー 正解情報のないデータに対するハイパーパラメーター最適化手法を提案 ー