代表取締役社長
山内隆裕

はじめに簡単に自己紹介とサイバーエージェントについてご説明ください。
2025年の12月にサイバーエージェントの新社長に就任した山内隆裕です。
当社は「21世紀を代表する会社を創る」というビジョンのもと、祖業の広告事業をはじめ、ゲーム事業とメディア&IP事業を展開しています。
中長期的には「ABEMA」などのメディア&IP事業を中心に、広告事業・ゲーム事業との重層的なシナジーを通じて持続的に成長していく戦略です。
「21世紀を代表する会社を創る」というビジョンをどう捉えていますか?
創業以来、当社は「個のやる気の尊重」「自由と自己責任と挑戦」のカルチャーのもと、社員一人ひとりが能力を発揮できる環境をつくることで会社を成長させてきました。
現在は、若い世代のやる気を引き出し、活躍できる仕組みづくりに私も多くの時間を割いています。
とにかくみんながやる気で、大きいことに挑戦できる会社であり続ける。それが「21世紀を代表する会社を創る」ことにつながると考えています。
山内社長は、なぜサイバーエージェントに入社されたのでしょうか?
私は新卒で入社しましたが、実は、就職活動はほとんどしていませんでした。
なんとなく当時は、働くということが退屈で窮屈なことだと思い込んでいたんです。
私が就職活動をしていた2006年は就職氷河期で、周囲では安定志向から旧来の大企業が人気だったこともあるかもしれません。
そんななか、大学で現会長で創業者である藤田(晋)の講演を聞く機会があったのですが、藤田の話は私が持っていた一般企業に対するイメージとは真逆でした。
企業で働くということは若いうちは下積みで年功序列、そんなイメージを打ち破るものでした。「若いうちから成長できる環境があり、実力次第でどんどん挑戦できる」そんな環境があり、実際にそうやって活躍している20代社員が大勢いることが伝わってきました。その時初めて「ベンチャー」という言葉を知ったんです。
気になってエントリーしてみたら、面接がトントン拍子に進んで。
面接官も本当に若い人ばかりで、「これは嘘じゃないんだ」と実感し、入社を決めました。

入社1年目はどんなことを考えていましたか?
1年目の時は、同期と比べて私はすごく出遅れていたと思います。
研修でも差を感じましたし、内定者時代から飲み会で話していても話が合わない。
焦りはすごくありました。
優秀な同期たちと肩を並べるため、それより先に行くために「何でもいいから1番になろう」と決めました。自分の向き不向きを分析しながら、自分の力が最も発揮できることで1番を目指そうと思ったんです。
1番を目指すなかで、山内社長はさまざまな機会で抜擢されてきました。その理由はなんだと考えていますか。
1番になるという高い目標に対して、周りの同期や先輩たちよりもハイペースで成長する必要がありました。だから、必然的に成長に対してすごく貪欲だったと思います。
そんな中で、周囲に対してアドバンテージを取るには、「責任の重さ」が重要だと気づいたんです。
いろんな仕事がある中で、責任の重い仕事をして結果を出している人には、どんどん大きな仕事が集まってきます。
そこで、新人時代にどうやって責任の重い仕事を任せてもらえるかが焦点になると考えました。
責任の大きい仕事は先輩が持っているので、先輩に「任せたい」と思ってもらえる存在になる。仕事に一生懸命取り組むのはもちろんですが、それだけでは差がつかない。先輩が安心できるコミュニケーションを心がけていました。
会社の規模も大きくなった今、若手がチャンスを掴むにはどうすればいいでしょうか?
意思表明をすることは大事ですね。自分の「二つ名」というか、特徴をわかりやすく顕在化させる。自己ブランディングみたいなものです。
サッカーで例えるなら、監督がピンチやチャンスの場面で起用したいと思える選手は、頭にパッと浮かびますよね。「ピンチに強い選手」「チャンスに強い選手」って、その人の特徴がありますから。
そういった社員の特徴や強みが整理されていないことは、事業にとっても損失になります。
当社では、社員がチャンスを待つだけではなく、会社が社員一人ひとりの強みや興味などを把握し、才能を開花させる適材適所に力を入れています。例えば、新規事業や新たな部署を立ち上げる際には、社員のデータベースを元に、その分野に興味や強みを持っている社員を抜擢するといったことを行っています。そのほかにも、若手社員抜擢をシステム化した「強化指定社員セレクション会議」を実施するほか、新卒採用の選考官にも幹部社員を充てています。
自分ならではの強みや特徴を出していくことが大事なことだと思っています。
最後に、これから就活を控える学生へメッセージをお願いします。
当社はこれまでも、新しい力で未来を切り開いてきた会社で、若手の挑戦と成長こそが、当社の競争力の源泉となっています。
強い意志を持ってチャレンジする人には、年齢や社歴に関係なく積極的に機会を与え、抜擢していきたいと思っています。若手だからといって遠慮する必要はありません。自身の考えを率直に発信し、自らが思い描く未来や目標に向かって思い切り挑戦してほしいと思います。