
「学際的情報科学センター」で学際的な研究開発に従事する高野雅典と徳島大学 横谷謙次准教授・京都大学 阿部修士准教授の論文「Pacemaker Effects on Online Social Rhythms on a Social Network」が国際論文誌「Journal of Physics: Complexity」に採択されました。学際的情報科学センターでは、社外の研究機関と協働しながら、情報科学とその隣接領域の学術的な知見に基づき、主に当社のメディア事業における研究開発に取り組んでいます。
「Journal of Physics: Complexity」は物理分野の複雑系科学に関するオープンアクセスジャーナルです。この度採択された論文「Pacemaker Effects on Online Social Rhythms on a Social Network」は人間の活動の周期性がシンクロすることに着目し、コミュニケーションアプリ上での介入実験によって介入対象とその友人に与える影響を調査した研究です。
■論文の概要
背景: 人間は概ね24時間周期で活動しています。その周期や位相は太陽光だけでなく他者とのコミュニケーションなど社会的な刺激からも影響を受けます。すなわち、それらは社会ネットワーク上で相互作用する結合振動子系であるとみなせます。同様のことはコミュニケーションサービスの利用リズム(オンライン社会リズム)についても言えるはずです。オンライン社会リズムをコントロールすることは、健康的な生活リズムへの貢献が期待できます。本研究では安定したリズムを刻むペースメーカーを導入することで、オンライン社会のリズムを整えることを考えました。しかし、理論的な研究では、ペースメーカー効果はソーシャルネットワークのような相互に接続されたネットワークには広く広がらないと予測されています。
目的: 本研究ではオンライン社会リズムを整えるための方策を知ることを目的として、ペースメーカーを導入したオンライン社会リズムの特徴を、実証的なオンライン社会ネットワーク上で調査しました。
方法: アバターコミュニティアプリ「ピグパーティ」を用いた数百人のプレイヤー(ペースメーカーである参加者)のオンライン社会リズムに対する介入実験を行いました(N= 416)。
結果: 基本的にはピースメーカーは友人のオンライン社会リズムにほとんど影響を与えないことがわかりました。これは相互同調が友人とその友人のリズムを安定させるからです。ただし参加者と友人が共通の友人を多く持つ場合、介入はその友人のリズムに影響を与えました。このことは、密につながったグループへの介入は彼らとその友人のリズムを整える可能性を示唆しています。
目的: 本研究ではオンライン社会リズムを整えるための方策を知ることを目的として、ペースメーカーを導入したオンライン社会リズムの特徴を、実証的なオンライン社会ネットワーク上で調査しました。
方法: アバターコミュニティアプリ「ピグパーティ」を用いた数百人のプレイヤー(ペースメーカーである参加者)のオンライン社会リズムに対する介入実験を行いました(N= 416)。
結果: 基本的にはピースメーカーは友人のオンライン社会リズムにほとんど影響を与えないことがわかりました。これは相互同調が友人とその友人のリズムを安定させるからです。ただし参加者と友人が共通の友人を多く持つ場合、介入はその友人のリズムに影響を与えました。このことは、密につながったグループへの介入は彼らとその友人のリズムを整える可能性を示唆しています。
■論文
・Masanori Takano, Kenji Yokotani and Nobuhito Abe
・Pacemaker Effects on Online Social Rhythms on a Social Network
https://iopscience.iop.org/article/10.1088/2632-072X/ad3ed5
・Pacemaker Effects on Online Social Rhythms on a Social Network
https://iopscience.iop.org/article/10.1088/2632-072X/ad3ed5
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