
「学際的情報科学センター」で学際的な研究開発に従事する高野雅典と、徳島大学の横谷謙次准教授との共著論文「Avatars' Social Rhythms in Online Games Indicate Their Players' Depression」が査読付き英文ジャーナル「Cyberpsychology, Behavior, and Social Networking」に採択されました。学際的情報科学センターでは、社外の研究機関と協働しながら、情報科学とその隣接領域の学術的な知見に基づき、主に当社のメディア事業における研究開発に取り組んでいます。
「Cyberpsychology, Behavior, and Social Networking」は、人間とコンピュータの相互作用、サイバー心理学の学際的な研究をテーマにした、査読付き英文ジャーナルです。この度採択された論文「Avatars' Social Rhythms in Online Games Indicate Their Players' Depression」は、アバターコミュニケーションアプリの利用リズムの乱れが抑うつ症状と関連していることを示しました。
■論文の概要
アプリやソーシャルゲームのデータセットはデジタルバイオマーカーの一種であり、利用者の多くの特徴を暗黙的に保持しています。メンタルヘルスもそのひとつです。本研究ではアバターコミュニケーションアプリ「ピグパーティ」のデータセットを利用して、利用リズムの乱れと抑うつ症状の関連を分析しました。その結果、利用リズムが乱れるほど抑うつ症状が出やすいことがわかりました。一方で利用リズムを含む様々なアプリ内行動データを用いても、抑うつの予測は困難であり、予測には洗練されたデータセットとモデル構築の必要性が示唆されます。本研究の発見はアプリの利用リズムを整えるキャンペーンなどによって利用者のメンタルヘルスを改善できることを示唆します。
■論文
Kenji Yokotani and Masanori Takano, "Avatars' Social Rhythms in Online Games Indicate Their Players' Depression", Cyberpsychology, Behavior, and Social Networking, 25:11, 718-732, 2022.
- URL
https://doi.org/10.1089/cyber.2022.0058 - プレプリント
https://www.researchgate.net/publication/364729457_Avatars'_Social_Rhythms_in_Online_Games_Indicate_Their_Players'_Depression
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