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技術

査読付き英文ジャーナル「Telematics and Informatics」に共著論文が採択

「学際的情報科学センター」で学際的な研究開発に従事する高野雅典と、徳島大学の横谷謙次准教授との共著論文「Effects of suspensions on offences and damage of suspended offenders and their peers on an online chat platform」が査読付き英文ジャーナル「Telematics and Informatics」に採択されました。学際的情報科学センターでは、社外の研究機関と協働しながら、情報科学とその隣接領域の学術的な知見に基づき、主に当社のメディア事業における研究開発に取り組んでいます。

 

「Telematics and Informatics」は、デジタル技術の社会的影響に関する学際的な研究をテーマにした英文ジャーナルです。この度採択された論文「Effects of suspensions on offences and damage of suspended offenders and their peers on an online chat platform」は、オンラインチャットプラットフォームにて違反行為を行ったユーザーに対し、一時的もしくは恒久的にアカウント利用停止措置を講じた場合、当人だけでなくプラットフォーム上で繋がりのあるその友人にも違反抑止効果があることを検証したものです。

 

■論文の概要

プラットフォーム上において誹謗中傷など不適切なメッセージなどは、健全性を保つために利用規約などで禁止されています。そしてプラットフォームはその利用規約に沿ってモニタリングを行い、違反行動に対してアカウントの一時的または恒久的な利用停止措置を行います。違反アカウントが利用停止中であることは、そのアカウントに他のユーザーがコンタクトを試みたときに表示されるメッセージでわかります。この利用停止措置を示すメッセージが、他のユーザーへの違反行動抑止効果をもたらしている可能性があったものの、これまでその効果は十分に明らかになっていませんでした。

 

本研究ではこの効果を明らかにするためにアバターコミュニケーションアプリ「ピグパーティ」のモニタリングデータを分析しました。具体的には社会ネットワークの構造や違反する/された頻度・期間は維持したまま、利用停止措置の時間・頻度のみをランダマイズすることで擬似的に対照群を生成し、実際の利用停止措置・違反行動頻度と比較しました。

 

その結果、利用停止措置は本人だけでなく交流のあるユーザーの違反行動率も減少させることがわかりました。さらに、他のユーザーへの違反行動抑止効果は利用停止アカウントの交流範囲が広いほど高いことが示されました。

 

本研究は、モニタリングと利用停止措置の効果は副次的効果まで含めて評価すべきであること、利用停止中であることを他のユーザに示すメッセージは違反行動抑止に重要であることを示唆します。

 

■論文

Kenji Yokotani, Masanori Takano, “Effects of suspensions on offences and damage of suspended offenders and their peers on an online chat platform”, Telematics and Informatics, Vol. 68, p.101776, 2022.
URL: https://doi.org/10.1016/j.tele.2022.101776
ResearchGate: Effects of suspensions on offences and damage of suspended offenders and their peers on an online chat platform


今後も当社のメディアサービスに関連する研究成果を社会に還元できるよう、より良いメディアサービスの運営に繋がる研究・開発に積極的に取り組んでまいります。



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