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プレスリリース

AILab、データマイニング分野におけるトップカンファレンス「CIKM 2024」にて主著論文採択

ー 顧客体験をシミュレーションで検証可能な基盤を提案 ー

AI

株式会社サイバーエージェント(本社:東京都渋谷区、代表取締役:藤田晋、東証プライム市場:証券コード4751)は、人工知能技術の研究開発組織「AI Lab」に所属する研究員の春日瑛・米谷竜による論文が データマイニングの国際会議「CIKM」※1の「Short Research Paper」に採択されたことをお知らせいたします。「CIKM」は世界中の研究者によって毎年開催される国際会議で、データマイニング分野では「KDD」※2「WSDM」※3などと並び権威のある国際会議の1つです。2024年度の本会議におけるShort Research Paperの採択率はおよそ26.8%と難易度が高く、この度採択された論文は2024年10月にアメリカで開催される「CIKM 2024」での発表を予定しています。

◼️背景

近年、小売企業をはじめとする多くの企業が顧客体験の向上および、それに伴う収益向上のために、デジタルや店頭における様々な販促施策を実施しております。

消費者行動が多様化する中で効果的な販促施策を発見するためには、施策をテスト的に行い実際の効果を検証する必要があります。一方、この手法での検証には費用や時間がかかるなど、コスト面で課題を抱える企業も多く存在しています。

このような課題に対し、AIの活用により過去の行動データ等から効果を事前予測する技術に期待が寄せられています。
当社の研究開発組織「AI Lab」は、これらの技術開発を行う「Activity Understanding(行動理解)チーム」を形成しております。機械学習やコンピュータビジョン、ロボティクス、ユビキタスコンピューティング、データマイニングなど複数分野からの多角的なアプローチにより、小売や医療など実世界において複雑に変化する環境の中で人々の多様な行動を計測・理解し、AIによって生成された情報を適切に活用する技術の社会実装に取り組んでおります。

◼️論文の概要

このたび採択された「CXSimulator: A User Behavior Simulation using LLM Embeddings for Web-Marketing Campaign Assessment」では、ECサイトにおける閲覧やクリックなどのユーザー行動や、クーポンやキャンペーン、新商品の紹介といった施策間の行動遷移パターンを、大規模言語モデルを用いて表現・学習する”CXSimulator”を提案しています。本手法を用いることで、新たに企画した施策に対して起こりうるユーザーの行動や、それによりもたらされる売上効果等をシミュレーションすることができます。

実際に、既存のECサイトで計測されたユーザーの行動ログデータを用いて実験を行ったところ、既存手法に比べて高い精度でユーザーの行動を予測でき、さらにマーケティングの専門家による施策の評価とシミュレーションによる施策の評価に高い相関関係が見られました。

これにより、販促施策の変更を実際に行わずとも効果を予測することが可能となり、大きな費用と時間をかけずに収益を向上させる効果的な施策を発見することが期待できます。

◼️今後

本研究において提案した手法では、EC上でのユーザー行動データを対象としていますが、モバイルアプリや店頭におけるユーザーの行動データを用いることで、アプリ販促や店頭販促への応用も可能です。

当社は今後も、行動計測・理解、AI活用による予測技術の研究開発に取り組み、小売企業をはじめとする様々なマーケティング施策やリテールメディアへの応用を推進してまいります。


※1 CIKM 2024: 33rd ACM International Conference on Information and Knowledge Management
※2 「KDD」ACM SIGKDD Conference on Knowledge Discovery and Data Mining
※3 「WSDM」ACM International Conference on Web Search and Data Mining