プレスリリース
AI Lab、インタラクション分野のトップカンファレンス「HRI 2026」にて3本の論文採択
―商業施設においてユーザに影響を与える対話ロボットの行動学習・音声空間・販促能力を調査―
株式会社サイバーエージェント(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:山内隆裕、東証プライム市場:証券コード4751)は、人工知能技術の研究開発組織「AI Lab」研究員の宋思超・岡藤勇希・蟻生開人・岩本拓也・馬場惇ならびにUniversity of Wisconsin-Madisonの小池栄美氏・大阪大学の石黒浩教授らによる論文が、インタラクション分野の国際会議「HRI 2026」に採択されたことをお知らせいたします。
「HRI」※1 は世界中の様々な研究者が一堂に集い毎年開催される国際会議で、「CHI」「IROS」※2 などと並び、インタラクション分野で権威あるトップカンファレンスの1つです。
このたび「AI Lab」から採択された論文は、2026年3月16日から19日にかけてイギリス、スコットランドのエディンバラで開催される「HRI 2026」にて発表を行います。
「HRI」※1 は世界中の様々な研究者が一堂に集い毎年開催される国際会議で、「CHI」「IROS」※2 などと並び、インタラクション分野で権威あるトップカンファレンスの1つです。
このたび「AI Lab」から採択された論文は、2026年3月16日から19日にかけてイギリス、スコットランドのエディンバラで開催される「HRI 2026」にて発表を行います。
■背景
「AI Lab」では、2017年から大阪大学大学院基礎工学研究科システム科学知能システム構成論知能ロボット学(石黒研究室)と共に、ロボットなどの対話エージェントによる接客・広告技術の確立や科学的知見の獲得を目的とした共同研究に取り組んでおり、2020年からはムーンショット研究開発事業 ※3 の一環としても実証プロジェクトを行うほか、トップカンファレンス「IROS 2025」「HRI2025」での論文採択・発表を行うなど積極的な活動を行っております。
「AI Lab」では、2017年から大阪大学大学院基礎工学研究科システム科学知能システム構成論知能ロボット学(石黒研究室)と共に、ロボットなどの対話エージェントによる接客・広告技術の確立や科学的知見の獲得を目的とした共同研究に取り組んでおり、2020年からはムーンショット研究開発事業 ※3 の一環としても実証プロジェクトを行うほか、トップカンファレンス「IROS 2025」「HRI2025」での論文採択・発表を行うなど積極的な活動を行っております。
■論文の概要
「What you reward is what you learn: Comparing rewards for online speech policy optimization in public HRI」
著者:宋思超(サイバーエージェント AI Lab)・岡藤勇希(サイバーエージェント AI Lab) ・蟻生 開人(サイバーエージェント AI Lab)・ 小池栄美(University of Wisconsin-Madison)
「Practical Insights into Designing Context-Aware Robot Voice Parameters in the Wild」
著者: 小池栄美(University of Wisconsin-Madison)・岡藤勇希(サイバーエージェント AI Lab) ・宋思超(サイバーエージェント AI Lab)
「From Metrics to Meaning: Insights from a Mixed-Methods Field Experiment on Retail Robot Deployment」
著者:宋思超(サイバーエージェント AI Lab)・岡藤勇希(サイバーエージェント AI Lab) ・岩本拓也(サイバーエージェント AI Lab)・馬場惇(サイバーエージェント AI Lab)・石黒浩(大阪大学)
著者:宋思超(サイバーエージェント AI Lab)・岡藤勇希(サイバーエージェント AI Lab) ・蟻生 開人(サイバーエージェント AI Lab)・ 小池栄美(University of Wisconsin-Madison)
| 本研究は、商業施設での実運用を想定し、対話ロボットの対話戦略(話す速さ×説明の長さ)をオンライン学習で最適化しつつ、報酬設計(満足度/会話の綺麗な終わり/2往復以上の継続)が獲得されるロボットの対話戦略にどのような影響を与えるかを調査しました。 従来の研究は実験室環境での検証が中心で、実際の商業施設のように利用者が多様で状況が変動する環境では「何を成功とみなすか」が曖昧なため最適化が難しいという課題がありました。私たちは商業施設で12日間・約1,400件の会話ログを収集し、上記3つの報酬設計と獲得される対話戦略に影響する要因(混雑度・一人/グループ・来店目的など)をあわせて解析しました。 結果として、成功の定義が変わると獲得されるロボットの対話戦略が変わり、環境中の様々な要因がその効果を大きく左右することを実証しました。この知見から、目的と状況に応じて話し方を自動切替する実運用の指針を提示します。これにより、現場の会話ロボットがより効果的かつ安全に、接客・案内・プロモーションへ展開できるようになります。 |
「Practical Insights into Designing Context-Aware Robot Voice Parameters in the Wild」
著者: 小池栄美(University of Wisconsin-Madison)・岡藤勇希(サイバーエージェント AI Lab) ・宋思超(サイバーエージェント AI Lab)
| 本研究は、対話ロボットの話し方に関わる音声パラメータ(音量・話速)をその場の状況に合わせて自動で切り替えるための実践的な設計指針を示します。これまでの多くの研究は実験室で行われており、実際の現場の騒音や周囲の視線、来訪者の目的の違いまで十分に扱いきれていませんでした。私たちは事前に6名へのインタビューを通じて最適な話し方の必要性を明らかにした上で、商業施設に案内ロボットを8日間設置し、音量×話速の9条件の話し方を検証し、通行者725名からアンケート評価を集めました。結果として、年齢が高いほど同じ音量でも“うるさく感じにくい”、周囲に人がいる時や会話が深まった時はロボットの話速に敏感になるなど、環境中の要素が感じ方を大きく左右することが分かりました。これを踏まえ、騒音や周囲の人の有無、会話の深さ、利用目的に応じて、音量・話速・間の取り方を賢く調整する“場に合う声”の作り方を提案します。その結果、駅や商業施設、病院受付などで、聞き取りやすさとプライバシー・周囲への配慮を両立した案内が可能になります。 |
「From Metrics to Meaning: Insights from a Mixed-Methods Field Experiment on Retail Robot Deployment」
著者:宋思超(サイバーエージェント AI Lab)・岡藤勇希(サイバーエージェント AI Lab) ・岩本拓也(サイバーエージェント AI Lab)・馬場惇(サイバーエージェント AI Lab)・石黒浩(大阪大学)
| 本研究は、小売店舗の入口におけるロボットの展示方法とロボットと店員の役割分担を整えることで、通行人の関心を実際の接客につなげるための実践的な設計を示します。 これまで、ロボットは来訪者を店舗の前に立ち止まらせる効果はあるものの、その後の入店や、店員との連携による商品体験や購入にはつながりにくいという課題がありました。私たちは寝具店において12日間の実証を行い、店舗入口でのロボットの展示方法、声かけの合図、立ち位置などを工夫することで、「いつ・誰が・どのように接客を引き継ぐか」を来訪者に分かりやすく示す方法を整理しました。その結果、店舗入口での来訪者の関心は高まりやすい一方、店員への連携が分かりにくい展示では入店につながりにくいことが明らかになりました。特に、店員への合図の工夫と店舗内への動線づくりが、来訪者の行動を左右する重要な要素であることが分かりました。これにより、店舗は余計な運用負担を増やすことなく、入口で生まれた関心を店内の案内・体験・購入へとスムーズにつなげる設計判断が可能になります。 なお、本研究はムーンショット型研究開発事業の研究プロジェクトの一環として、大阪大学大学院基礎工学研究科システム科学知能システム構成論知能ロボット学(石黒研究室)との共同研究において実施されました。 |
■今後
本研究では、ロボットがユーザーの特性に合わせて、高いパフォーマンスの接客サービスを行っていくための重要な知見を発見できたと考えています。今回発見した知見をもとに、さらなる実験を行い、ロボットが十分な接客サービスを提供できるために探索してまいります。
「AI Lab」は今後も、大学・学術機関との産学連携を強化しながら様々な技術課題に取り組むとともに、「人とロボットが共生できる世界」を目指し、より一層ロボットを含めた対話エージェントによる接客対話技術の研究開発に努めてまいります。
※1:「HRI」ACM/IEEE International Conference on Human-Robot Interaction
※2:「CHI」ACM Conference on Human Factors in Computing Systems
「IROS」「IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems
※3:ムーンショット型研究開発事業
本研究では、ロボットがユーザーの特性に合わせて、高いパフォーマンスの接客サービスを行っていくための重要な知見を発見できたと考えています。今回発見した知見をもとに、さらなる実験を行い、ロボットが十分な接客サービスを提供できるために探索してまいります。
「AI Lab」は今後も、大学・学術機関との産学連携を強化しながら様々な技術課題に取り組むとともに、「人とロボットが共生できる世界」を目指し、より一層ロボットを含めた対話エージェントによる接客対話技術の研究開発に努めてまいります。
※1:「HRI」ACM/IEEE International Conference on Human-Robot Interaction
※2:「CHI」ACM Conference on Human Factors in Computing Systems
「IROS」「IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems
※3:ムーンショット型研究開発事業