進化しつづけるサイバーエージェントの技術と創造力のカンファレンス「CyberAgent Developer Conference 2023」イベントレポート
当社では様々な技術領域において、これまで積み重ねてきた挑戦の中で得た知見や最新の取り組み状況などを、カンファレンスや勉強会を通して積極的に発信しています。その中でも当社主催の主要なカンファレンスとして、各領域のエキスパートによるセッションをお届けする「CyberAgent Developer Conference」、若手エンジニア・クリエイターが中心となって創り上げる技術カンファレンス「CA BASE NEXT」をそれぞれ開催してきました。
今年はこれら2つのカンファレンスを統合し、2023年6月28日、29日の2日間にわたって「CyberAgent Developer Conference2023(以下、CADC2023)」として開催。AI・インフラ・バックエンド・SREネイティブ・フロント・3DCG・クリエイティブなど過去最大規模となる全54のセッションをオンラインにてお届けしました。
1日目は “NEXT” Dayと題して「情熱を、創造力に。」をテーマに当社に所属する若手技術者の情熱と創造力を、2日目の “EXPERT” Dayでは「挑戦を、競争力に。」というテーマの下、当社のエキスパートが中心となり、これまで積み上げてきた高い技術力とクリエイティブ力を発信しました。こちらでは2日間にわたるカンファレンスの一部の様子をご紹介します。
【1日目:"NEXT" Day】情熱を、創造力に。
当社代表の藤田と、"NEXT" Day運営統括でAI事業本部所属の小林による「Opening Keynote」でスタートしました。藤田からの開会の言葉の後、小林からは当カンファレンスの見どころと、当社に所属する若手メンバーの情熱や創造力、活躍、成長を促進するための取り組み「次世代マネジメント室」と「YMCA」について紹介しました。
「次世代マネジメント室」は、マネジメントができるエンジニアを育成することを目的に、2019年に発足しました。育成としての側面だけでなく、次世代のエンジニアが全社技術組織における経営課題を代表取締役 藤田や専務執行役員 技術担当の長瀬に提起し、その解決に至るまで執行を担うのが特長です。また、全社を横断した連携が必要な場合には、グループ全体の技術戦略策定を行う横軸組織「CTO統括室」と連携を行うことで、技術経営や開発組織の牽引についての知識を吸収しています。2023年7月現在は第4期のメンバーが担当しています。
また、若手人材育成のための全職種・全社横断プロジェクト「YMCA」は、20代のトップラインを引き上げて抜擢のチャンスをつくること、そして当事者意識を持ってサイバーエージェントの未来を考えるきっかけをつくることを目的に2015年に発足しました。様々な取り組みを実施していますが、中でも「YMCAあした会議」では若手メンバーだけで経営課題についてディスカッションし、代表取締役 藤田に直接提案します。「YMCAあした会議」を通して、次世代の技術者に向けた新たな施策が多く生まれました。
"NEXT" Dayでは全31セッションをお届けしました。
"NEXT" Dayならではの挑戦的な試みとして実施した「特別セッション」の1つ、「グラレコで紐解く! CAクリエイターがチャレンジをやめない理由」では新卒入社したクリエイターたちがグラフィックレコーディングを用いて、これまでの数々のチャレンジを振り返りました。リアルタイムでセッションの内容を可視化しながら、サイバーエージェントの組織文化を通じて、自分たちが入社以降チャレンジし続けられた理由を紐解きました。
また、20ある「通常セッション」の1つ、「Next.js x 内製HeadlessSaaSで実現する Jamstackなフロントエンド開発」では、子会社CAMに所属するフロントエンドエンジニアの松本がお話しました。CAMを含む専務執行役員 飯塚が統括する約10のスタートアップ群では、jamstackを採用することで、これまで特性の違う多くの新規サービスを効率よくハイクオリティで開発してきましたが、最近ではフロントエンドのフレームワークとして新たにNext.jsを採用しています。
さらに、次世代・シニアなど年次に関係なく、特定領域に熱量を注ぐ技術者による5つ「コミュニティセッション」では、「Unity最新情報トークセッション ~C#・VFX Graph・グラフィックス・UI Toolkit~」をお届けしました。ゲーム・エンターテイメント事業部のUnity領域および3DCG領域のDeveloper Expertsである向井・矢野、同Next Expertsである山口・山上がUnityにおけるC#の最新情報やVFX Graph、最新のグラフィックス事情、UI Toolkitなど、自身の注目技術について語り合いました。
【2日目:"EXPERT" Day】挑戦を、競争力に
翌日開催した、"EXPERT" Dayは常務執行役員(技術担当)長瀬、執行役員 クリエイティブ担当の佐藤・CA Creative Center マネジメント統括室 石山・クリエイティブクオリティ統括室 山幡による基調講演でスタートしました。基調講演の様子はそれぞれ「サイバーエージェントグループ技術経営のコア『変化対応力』を推進する、3つのエンジン」「クリエイティブを会社の競争力にするための、サイバーエージェント クリエイターの取り組み」にて詳しく紹介しておりますので、ぜひご覧ください。
"EXPERT" Dayでは、各領域のエキスパートが中心となった登壇のほか、当社技術者とGoogle合同会社やアドビ株式会社、Node.js Association、イエール大学とのコラボセッションの全22セッションを発表しました。
「データで見るサイバーエージェントグループのSREと横断的なSRE推進の取り組み」では、2014年に入社以来、SREとして50以上のメディアサービス・基盤システムへのSRE推進やリスク改善、サービス立ち上げを経験し、現在はSREの横断組織マネージャーを務める柘植が組織戦略や部署を横断した様々な取り組みについてお話しました。また、セッション終了後には、参加者の皆様からの質問に答えるライブQ&Aを実施しました。
なお、SRE領域のDeveloper Expertsにも選ばれた柘植のキャリアについては、「サービスの信頼性と可用性を担保するSREが目指す『サイバーエージェント流ベストプラクティス』模索の道のり」も合わせてご覧ください。
また、「ブランド視点とマーケ視点を併せ持った、新R25のアニバーサリーブランディングのすべて」と題したセッションでは、子会社CAMでデザインマネージャー / クリエイティブディレクターを務める室橋がお話しました。「新R25」は、2004年からリクルートが運営していたフリーペーパー「R25」のブランドを受け継ぎ、2017年9月に誕生したメディアです。 SNSで話題になる記事コンテンツを次々と生み出し、近年ではWEBメディアのほかYouTubeチャンネルにも注力しています。 当セッションでは、2019年から2022年までの間に実施したブランド戦略の裏側をお伝えし、その後和やかな雰囲気でライブQ&Aを行いました。
「Always Fresh」のもと、クリエイティブの全てを社内のクリエイターが担う
当社では創業25周年となる今年、サイバーエージェントのあらゆる制作活動においてアップデートし続ける、新しさを求め創意工夫する、というメッセージを込めて「Always Fresh」というブランドコンセプトを新たに掲げました(参照:「ブランドコンセプト『Always Fresh』にこめた想い」)。当カンファレンスも、当社のクリエイティブ力を発信する重要な場の1つと考え、制作やディレクションなど全てを社内のクリエイターが担いました。
当カンファレンスのキービジュアルは、"NEXT" DAYと "EXPERT" DAYそれぞれのコンセプトで構成されています。
“NEXT” DAYは、サイバーエージェントの若手から生み出されるエネルギーを表現しています。若手の持つ情熱や葛藤などさまざまな感情が、会社を飛び出して社会を変えていくという意思を表しており、若手らしい、枠にとらわれない勢いや躍動感のある動きにこだわりました。
"EXPERT" DAYは、サイバーエージェントの幅広い技術力を、質感の違う紐に見立てています。複数の紐が複雑に重なり合い、1つに編まれ、新しい価値を織りなす様を表現しました。また、時代に合わせて柔軟に姿を変えていくイメージを伝えるべく、公式サイトでは紐の動きにも工夫し、制作しました。
また、「CADC2023」では、サイバーエージェントグループが一丸となって盛り上がるための施策の1つとして、オフィス内の食堂やカフェとコラボレーションした特別メニューを企画。期間限定ということもあり、社員に大好評でした。
今後も当社では、培ってきた技術的知見や最新の取り組み状況を、年次や職種、肩書きに関わらず積極的に発信し、様々な技術コミュニティに貢献していきたいと考えています。
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当社には、特定の分野に抜きん出た知識とスキルを持ち、第一人者として実績を上げているエンジニアを選出する「Developer Experts制度」があります。その次世代版である「Next Experts」として選出したエンジニアは、各専門領域において培った知見をサイバーエージェントグループ全体に還元すべく、技術力の向上に努めています。
2018年に新卒入社し、数々のXR関連(※)のプロジェクトに関わり、現在はXR研究所の所長を務める岩崎は、Mixed Reality領域のNext Expertsも担当しています。XR研究所のミッションに「サイバーエージェント全体にXR技術を啓蒙し、新たな事業の種を育てる」を掲げる岩崎に、サイバーエージェントにおけるXR領域の現在地と、次世代の技術に対するチャレンジについて聞いてみました。
※ XR(extended reality、cross reality)は、現実世界と仮想世界を組み合わせ、新しい体験を実現する技術の総称です。AR(拡張現実)、MR(複合現実)、VR(仮想現実)などの先端技術を総称します。