内定承諾後の過ごし方が入社後ギャップを減らす ──就活早期化をふまえた内定者サポート

採用

近年、新卒の就職活動は早期化しています。26年卒の大学生の就職活動の内定率は25年6月時点で81.6%というデータ※1もあり、早くからキャリアを考え始める学生が増えています。しかし、早期内定は入社までの期間が長くなり、結果的に内定辞退につながるケースも。そこで、サイバーエージェントのビジネスコース新卒採用では、内定を得た学生が自信を持ってキャリアを選択できるようサポートを実施しています。
本記事では、当社が内定者期間を未来への助走期間と捉え、いかに学生の成長と適材適所を実現しているのか、採用戦略室の門倉と、実際にサポートを受けた社員の声を通してお伝えします。
※1 株式会社インディードリクルートパートナーズ 就職プロセス調査(2026年卒)「2025年6月1日時点 内定状況」より

内定者期間は1年を超えることも

サイバーエージェントのビジネスコースでは、夏と冬の本選考に加え、採用直結型の早期インターンシップを実施しています。大学3年生の9月頃に内定を得る場合もあり、「内定者期間」が1年半となることも。内定承諾後の過ごし方について採用戦略室の門倉に聞きました。

─ 早期から就活を始める学生は増えていますか?

そうですね、早い時期からの応募は増えています。
今年の会社説明会には、大学2年生の3月時点で1,000人以上が参加してくれるほどです。
これは新卒採用の競争激化に加え、OBOGから就活は早く始めた方が有利という話を聞いたり、就活サービスやSNSで早くから就活の情報に触れる学生が増えていることが背景にあると感じています。

当社では2026年度の新卒採用から大学3年生向けのインターンシップを毎年6月前後に実施していますが、その応募者も年々増加しています。インターンシップ参加者には最も早い場合で大学3年の9月頃に内定を出すので、内定から入社までの期間が長い学生が多くなっています。

─ 2023年からは内定者向けのサポートプログラムを開始していますね。

以前から、内定者が実務を体験できる内定者アルバイトをはじめとして様々なサポートを実施していましたが、内定者期間が長い学生が増えてきたこともあり、2023年に2025年度卒内定者向けのサポートを仕組み化し、誰でもキャリアを考える機会を得られるように設計しています。

一人ひとりが最適な配属先を見つける、適材適所の仕組み作り

─ 内定者サポートプログラムについて教えてください。

内定者サポートの中核を担うのが、スタートダッシュプログラム「ゼロスタ」です。これは社内で社員の適材適所を叶えるために運用している仕組みを、内定者に向けてアレンジしたものになっています。


事業が多岐に渡るサイバーエージェントでは、キャリアエージェントと呼ばれる社内ヘッドハンター組織が、面談やエンゲージメントサーベイ「GEPPO」を通じて社員のキャリアの希望を引き出し、異動公募制度「キャリチャレ」によって異動の機会や情報提供を行っています。

「ゼロスタ」も同じく、キャリア相談専任の人事との面談や「GEPPO」を通じて内定者のキャリア観ややりたいことを引き出し、そのうえで、内定者アルバイトや研修によって実践的な機会を提供し、入社後の配属先についての情報や、業務を得られるようにしています。

社員の意欲を尊重して挑戦の機会を提供し、最後は期待をかけて任せる、抜擢することを、人材育成の基本としています。これは、抜擢によって生まれたチャンスを通じて社員が「自分で考え、自分で決める」という決断経験によって自律自走の精神を育むためのもの。内定者期間からこうした経験を積むことで、入社後も違和感なく、スムーズに業務に取り組めると考えています。

─ プログラムの中で、内定者アルバイトは新卒社員の98%以上が経験2していますね。

内定者アルバイトをしている学生ほど、その後の活躍スコアが高くなっていることがわかっています。これは単に配属のマッチングを目的とした仕組みに留まらず、1年目からのスタートダッシュにもつながっていることを示しています。
※2 2025年度実績
 

新入社員が語る、内定者期間のリアルな価値

「ゼロスタ」をはじめとした内定者サポートによって、多くの新入社員が入社後のスタートダッシュを実現しています。23年度に実施した新入社員アンケートでは、93%が今の環境で「チャレンジできている」、88%が「入社後のギャップがない」と回答しています。実際に早期から就活を始めた新卒入社社員に話を聞きました。

─ いつから就活を始めましたか?

大江:大学3年生の5月くらいから始めました。SNSで就活に関連する広告をよく目にするようになったことがきっかけです。
内定を得たのは12月で、年内には承諾しました。

天本:私は修士1年の4月からです。
理系だったのですが、メーカーや研究職以外でのキャリアに興味があったので、周囲よりもかなり早く就活を始めました。内定は10月に出て、翌週には承諾しました。

─ 内定者期間を振り返って、自分が配属を選ぶ上で役に立ったと感じる経験はなんですか?

 天本:就活の時点では働きたい事業部が決まっていなかったので、担当人事に社員とたくさん話す機会がほしいと伝え、様々な社員と話す機会をもらいました。
今働いているシロクも、担当人事に事業責任者との面談を組んでもらったことがきっかけで興味を持ちました。

大江:私も人事にたくさん頼りました。社員はもちろん、同期との繋がりも作ってもらえたことが大きかったです。
入社前に「こんな人と働きたい!」とイメージしていたような人と実際に出会えて、大きなモチベーションにつながりました。その時出会った同期や社員とは、今も相談できる関係を築けています。  

─ 選考時の担当人事とキャリア相談専任担当が、内定者期間から人との繋がりを作るんですね。社員との面談ではどんなことを話しましたか?

大江:配属を考えるために、実際に現場で働く社員から見た私の適性や強みをたくさん聞かせてもらいました。
加えて、配属先として考えていたインターネット広告事業本部の局長には、サイバーエージェントのインターネット広告事業の魅力と営業という職種の未来を聞いて、自分がやりたいことが将来的にどのようにキャリアに繋がるかを教えてもらいました。

配属に関する悩みは担当人事やキャリア相談専任担当に伝えていたからこそ、面談する社員も親身になってくれたんだと思います。

天本:私は、業務内容や自分のキャリアについて相談しました。
業務の軸では、実際に入社したら何ができるかを聞いていました。配属希望は複数の事業部で迷っていたので、候補となる事業部それぞれで具体的にできる業務と自分ができることのインパクトを知り、理解度を同じ程度に上げることで、納得して配属希望を決めたいと考えていました。
面談相手の社員は事業も熟知しているし、内定者アルバイトを通じて私のことも知っているので、もし配属されたら何をやらせてもらえるかを具体的に聞くことができました。

もうひとつの軸としては、配属されたら自分がどう成長できるのかです。
学生時代は理系で、高校から大学院までずっとものづくりを学んでいましたが、作ったものをどう売るのか全く知りませんでした。だからこそ、それを学びたいと思ってサイバーエージェントに入社したんです。
面談をしてもらったシロクではブランドづくりに関わることを聞き、キャリアの選択肢が広がり、自分に自信を持てるようになると感じました。

─「ゼロスタ」のプログラムで印象的だったのは何ですか?

大江:内定者アルバイトが一番記憶に残っています。
配属先の希望を考える上で、がむしゃらになれる環境を経験したいと思い、3つの部署でアルバイトを経験しました。実際の業務と近い環境で取り組むことで、モチベーションもパフォーマンスも高く頑張れそうなところを見つけられたと思います。

天本: 私も内定者アルバイトが配属先の決め手になっています。私は研究や課外活動が忙しかったため、1日で業務を体験できる短期アルバイトという制度を活用しました。※3
シロクでは、事業責任者との面談を経てアルバイトをしたのですが、仕事中のチームの雰囲気が面談で聞いていた通りだったんです。アルバイトを通じて人間関係の不安がなく、シロクでなら成果に向かって一直線に走れるなと感じられました。これから5年10年先も働くということを考えても、この部署だったらできると直感できました。
※3 現在は制度変更
 

─内定者期間の間にキャリアについて不安になることもあったと思いますが、どうやって相談していましたか?

天本:配属希望を考える必要があったので、キャリアへの悩みはありましたが、どこに配属されても頑張れると思っていたので、ポジティブな悩みでした。
キャリアの悩みやプライベートも含めて、自分の状況は「GEPPO」で回答していました。
なんとなく前向きな時は「晴れ」、研究が大変な時は「雨」と答えることもあったと思います。
私は大阪の大学に通っていたので、そんな時はZOOMで話したり、東京に行く機会をもらっていました。

大江:私も内定者アルバイトをしている時に、モチベーションが下がったり、業務に余裕がない時は正直に「雨」と回答していました。回答は人事のみがが見ていて、面談を組んで細かくキャッチアップしてくれていたので、会社への信頼感が持てました。
アルバイト以外でも、私は内定が早かったので、周囲から「就職先をそんなに早く決めて大丈夫?」と心配されて不安になることも多かったです。
ですが、面談やイベントを通じて会社との接点がたくさんあったことで、人や仕事、会社全体に対しての不安が解消されたと思っています。
社員や人事との面談を通じて、入社を決めた自分の選択に自信が持てましたし、内定者アルバイトを経て、ここで働きたい!という部署が見つかって、働くことがすごく楽しみだと自然に思えました。  

サイバーエージェントでは、内定者に寄り添った取り組みによって入社1年目のスタートダッシュをサポートしています。部活、研究、留学など、学生生活の過ごし方は多岐にわたりますが、学生の個々のニーズに合わせ、今後も様々な施策を展開して参ります。

Profile

  • 採用戦略室 マネージャー
    門倉 拓哉
    2022年度入社。入社以来、採用戦略室にて新卒採用に携わる。
    2025年度、2026年度ビジネスコース新卒採用責任者を務める。

  • (株) シロク
    天本俊
    2025年度入社。学生時代は研究活動に加え、アーティスト支援を行う財団法人の運営に携わる。
    2025年4月よりシロクに配属となり、ブランド開発を含むマーケティングに従事。

  • インターネット広告事業本部
    大江 寛乃
    2025年度入社。学生時代は大学の広告研究サークルに所属し、広告の提案・制作を経験。
    2025年4月よりインターネット広告事業本部に配属となり、アカウントプランナーとして従事。

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