【開催レポート】AI SHIFT SUMMIT2025 AIエージェント時代の到来 ー世界的AIリーダー6社が描く企業の生産性革命ー

イベントレポート

AI SHIFT SUMMIT 2025概要

2025年6月23日、株式会社AI Shiftは渋谷Abema Towersにて「AI SHIFT SUMMIT 2025」を開催しました。本サミットでは、AWS、Google Cloud、Microsoft、NVIDIA、Oracle、Salesforceという世界を代表するAI企業6社が一堂に会し、企業におけるAIエージェント活用の最前線と未来像について議論を展開しました。
エンタープライズ企業を中心に、当日は多くの参加者が集まり、AIエージェントが企業の競争力を左右する時代への移行を見据えた貴重な情報交換の場となりました。クローズド形式での開催となったため、各社の戦略や先進的な事例など最新の知見や情報が共有されました。

各社セッションのサマリー

NVIDIA「NVIDIA AIエボリューション」

NVIDIAは単なるGPUメーカーを超え、ソフトウェア、ハードウェア両面からAI活用を加速させるプラットフォームを提供する総合AIカンパニーとしての戦略を紹介。特にAIファクトリーの概念を軸に、シンプルな組織構造と効率的な運営によって実現するイノベーション創出の仕組みが参加者の関心を集めました。AIエコシステム全体を俯瞰する視点からの解説は、企業がAIを戦略的に活用するための重要な指針となりました。

Salesforce「Become an Agentforce Company」

Salesforceは「Agentforce」という製品を中心に、AIと人が共に働く組織への変革ビジョンを紹介。AIエージェントと人的対応を組み合わせた問い合わせ対応の事例など、実際の業務における解決率85%を実現した具体例が注目を集めました。CRMの枠を超え、あらゆるビジネスアプリケーションにAIエージェントを組み込み、制限のない「デジタル労働力」を組織に供給するという未来像と、それを実現するロードマップが明快に示されました。

AWS「地に足のついたAIエージェント活用の進め方」

AWSは長期的視点に立ったAIエージェント導入のロードマップを紹介。特に、リスク評価ツールや段階的な導入プロセスなど、企業がAIエージェントを安全かつ効果的に活用するための実践的なアプローチが好評でした。生成AIの回答で訴訟になった事例の紹介など具体的なリスク事例も交え、「AIエージェント活用は長期戦」というメッセージとともに、持続可能なAI活用のための体系的なフレームワークが提供されました。

Microsoft「Microsoftが切り拓くAgentic World」

Microsoftは自律的に動作するAIエージェントと人が協働する「Agentic World」の世界観を紹介。特に注目を集めたのは、Analystエージェントによるデータ分析機能やResearcherエージェントによる情報収集能力など、業種・業務に特化したエージェントの実例デモ。Copilotをはじめとするエコシステムとの連携も紹介され、AIエージェントが企業のワークフローを根本から変革する可能性について、具体的な活用イメージとともに説明されました。

Google Cloud「グーグル・クラウドのAI Agent戦略について」

Google Cloudは「Agentspace」を中心としたAIエージェントプラットフォーム戦略を紹介。組織におけるAIエージェントの活用を支援するための環境構築から、データの権限整理の重要性まで、実装に向けた具体的なステップを解説。特に日本リージョンの新設など今後の展開についての情報や、マルチモーダルAIの進化についての展望が、参加者の関心を集めました。AIエージェントのための安全かつ効率的な基盤づくりという視点からのアプローチが示されました。

Oracle「データで切り拓く、エンタープライズ向けAIエージェントの未来」~オラクルが描く「現実」と「未来」~

オラクルはAIエージェント活用におけるデータの重要性について解説。多くの企業が生成AIを活用する中で直面しているデータ基盤の課題と、AIエージェント時代に求められるAIデータプラットフォームのあり方について解説しました。セキュアなマルチモーダルデータの活用、自然言語から生成AIが自動でデータソースに対するクエリを作成・実行し回答を導く機能、検索精度を高める多様なアプローチなど、データプラットフォームを提供する企業としての独自の視点を紹介しました。また、さまざまなクラウドベンダーの環境上でオラクルのデータベースクラウドサービスが活用できる”マルチクラウド”アプローチも紹介され、企業のAI エージェント活用を加速する新たな可能性が示されました。

AI Shift「自律型AIエージェント実装の最前線~実際に活用してわかった導入効果と未来~」

AI Shiftは、AIエージェントを提供するうえで「手触り感のあるAI活用」を大切にしながら自社で徹底的にAIエージェントを使い倒すことに取り組んできました。講演では、サイバーエージェント社内での取り組みも含めた実際の活用事例とともに、実際に自社で活用している自律型AIエージェントをお見せしながら、人とAIの協働の現状を示しました。

参加者の声に見る「AIエージェントの波」—アンケート徹底分析

本サミットに参加いただいた方へ、AIエージェントに対する捉え方や、導入に対する課題などについてアンケートを実施しました。一部ご紹介いたします。


意識変革の瞬間—「漠然」から「確信」へ

参加者の多くがサミット後にAIエージェントに対する認識が「より前向き」に変化したと回答していました。「エージェントの時代に入っていると確信が持てた」「漠然としていた生成AIについて、各社の導入事例やロードマップや業界動向が知れ、AIエージェントの活用のイメージが鮮明になりました」といった声に象徴されるように、多くの参加者に具体的な活用イメージと導入への自信を得ていただくことができました。


次なるアクション—企業のAI導入加速

参加企業の多くが1年以内にAIエージェントの導入・拡大を計画されていることもわかりました。「各社がAIを活用している中で乗り遅れてはいけないと感じた」「AIエージェント活用が企業にとって今後の事業進捗に大きな影響がある」といった危機感と期待が、具体的な導入計画に繋がります。


浮き彫りになった課題—人材不足と組織変革

AIエージェント導入における最大の課題として、「社内のAIリテラシー・スキル不足」と「社内の推進体制」が上位を占めました。技術的な障壁よりも、人材と組織の課題が大きなボトルネックとなっていることが明らかになり、「AIエージェントを利活用することで生産性向上+人が本来するべきことへのリソースが避けるということが良く分かった」という声に代表されるように、人とAIの役割分担を明確にした組織変革の重要性が再認識されました。
 

次回開催に向けて本イベント責任者の磯野より

未来を創る次のステージへ—AI Shiftが描く「AIエージェント時代」

「AI SHIFT SUMMIT 2025」を通じて、多くの企業の皆様とAIエージェントの可能性について対話できたことを心より感謝申し上げます。世界を代表する6社のAIリーダーと多くの参加者が一堂に会し、日本企業のAI活用の未来を共に考える場を創出できたことは、私たちにとっても大きな喜びです。
サミット後のアンケートからは、参加者の多くがAIエージェントへの認識がより前向きに変化し、1年以内にAIエージェントの導入・拡大を計画している企業が沢山いらっしゃることが明らかになりました。この数字は、確実に「AIエージェントの時代」が到来していることを示しています。
同時に、「社内のAIリテラシー・スキル不足」や「推進体制の課題」という声も多く寄せられました。AIエージェントの技術自体は急速に進化していますが、それを活かす組織と人材の準備が追いついていないのが現状です。ここにこそ、私たちAI Shiftがお役に立てる機会があると考えています。
私たちは単なるAI技術の提供者ではなく、企業の皆様と二人三脚で歩むパートナーでありたいと考えています。サイバーエージェントグループ内で得た知見と失敗経験も含めて、すべてを共有し、日本企業のAI活用を加速させることが私たちの使命です。
次回のAI SHIFT SUMMITでは、今回いただいたフィードバックを活かし、より多くの業界別の具体的事例にも焦点を当てた内容をお届けします。

「手触り感のあるAI活用」を追求するAI Shiftは、これからも皆様のAIエージェント導入と活用を全力でサポートしてまいります。今回のサミットをきっかけに、ぜひ私たちと一緒に「エージェントの時代」の波に乗り、組織の生産性革命を実現していきましょう。皆様との継続的な対話を心より楽しみにしております。


株式会社AI Shift 執行役員CPO 磯野伶央

セミナーのご案内

本イベントにおける弊社の登壇内容を特別に公開するセミナーを開催いたします。実際の自律型AIエージェントについても触れておりますので、ぜひお時間ある方はお越しいただけますと幸いです。

・7/14開催のお申し込みはこちら
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