“考え”を“実現”に変える。クリエイターの企画力と説得力を鍛える「クリエイティブ・トレーニングプログラム」

技術・クリエイティブ

サイバーエージェントでは、クリエイターのスキルや活躍領域を広げる取り組みとして「Expand Program(エキスパンドプログラム)」を実施しています。
 
その一環として今回、マーケティングディレクター・山本直人氏を講師に迎え、各事業部のリーダー層のクリエイターを対象とした「クリエイティブ・トレーニングプログラム」を実施しました。
 
自らのアイデアや構想を組織や事業の中で実現するためには、その必然性を言葉にし、周囲を巻き込んでいく力が求められます。約4カ月にわたり、「考え」を「実現」に変えるための企画力と説得力を磨いた本プログラムについて紹介します。

新たなスキルや領域を広げる「Expand Program」

クリエイティブを競争力として磨き続けるためには、クリエイター自身の創造性を高めると同時に、時代の変化に合わせてスキルや活躍領域を拡げていくことが欠かせません。
 
当社では、「創造性の強化」と「スキルの拡張」の両輪でクリエイターの育成に取り組んでいます。
「Core Program(コアプログラム)」では、職種や専門領域の垣根を越えて、クリエイターとしての土台を強化。これまで、デッサン、美術史・美術理論、ビジュアルデザインなどをテーマとしたプログラムを実施してきました。
 
一方、「Expand Program」では、これまで培ってきた専門性や経験を土台に、新たなスキルを身につけ、活躍領域を広げるプログラムに取り組んでいます。
 
職種や専門性によって求められるスキルは異なるため、各部門や役割に応じて「何を拡張させるのか」を定義し、それぞれに必要な成長機会をつくっています。
 

アイデアを「実現」するための力を鍛える

今回の「クリエイティブ・トレーニングプログラム」では、マーケティングディレクターの山本直人氏が講師を務めました。自らビジョンを持ち、目的から逆算して物事を導く「ディレクション能力」と、人を巻き込み、共作することで価値を生み出す「プロデュース能力」を鍛えることがねらいです。
 
クリエイターには、アイデアを生み出し、形にする力が欠かせません。一方、そのアイデアを組織や事業の中で実現するには、「なぜ、いまこれをやるのか」「実現することで、どんな価値が生まれるのか」を明確にし、周囲を巻き込んでいく力が必要です。
 
そこで本プログラムでは、各事業部からリーダーポジションを担うクリエイターを十数名選抜し、参加者それぞれがテーマに対してプランニングを行い、プレゼンテーションを通して「企画力」と「説得力」を磨きました。
 
クリエイターが専門性を発揮するだけでなく、事業や組織を動かす力を身につけることで、クリエイティブをより大きな事業価値へとつなげていくことを目指しています。

  
株式会社サイバーエージェントインターネット広告事業本部ヘッドコーチならびにエグゼクティブ・マーケティング・ディレクター。1986年慶応義塾大学法学部政治学科卒。同年博報堂入社。制作、研究開発、ブランドコンサルティング、人材開発などを経て2004年独立。多くの企業でブランド開発およびマーケティング人材育成トレーニングをおこない、2024年5月より現職。 
『グッド・キャリア』『マーケティング企画技術』『電通とリクルート』など著書多数。青山学院大学経営学部マーケティング学科講師。日本文藝家協会会員。

株式会社サイバーエージェントインターネット広告事業本部ヘッドコーチならびにエグゼクティブ・マーケティング・ディレクター。1986年慶応義塾大学法学部政治学科卒。同年博報堂入社。制作、研究開発、ブランドコンサルティング、人材開発などを経て2004年独立。多くの企業でブランド開発およびマーケティング人材育成トレーニングをおこない、2024年5月より現職。
『グッド・キャリア』『マーケティング企画技術』『電通とリクルート』など著書多数。青山学院大学経営学部マーケティング学科講師。日本文藝家協会会員。

3回のショートセッションから、1泊2日の合宿へ

プログラムは約4カ月にわたって実施。全3回のショートセッションでは、毎回異なるテーマに対して個人でプランニングを行い、参加者全員の前でプレゼンテーションしました。
 
プレゼン後には山本氏からフィードバックを受けるほか、参加者同士でも質疑応答を実施。「考える」「伝える」「フィードバックを受ける」というサイクルを繰り返しながら、自分の企画を客観的に捉え、相手を納得させるために何が足りないのかを掘り下げていきました。
 
最後は1泊2日の合宿形式によるメインセッションを実施。これまでの学びを活かし、よりスケールの大きなテーマで本格的なプランニングを行い、最終プレゼンテーションに挑みました。

ショートセッションの様子
ショートセッションの様子
合宿の様子
合宿の様子

参加者が得た、「考え」を実現するための視点

プログラムを通して参加者からは、企画の組み立て方や伝え方を捉え直す機会になったという声が寄せられました。
 

・「経営者をはじめとした意思決定者へ提案する場面で、活かせる学びが多くあった。AI時代においては、クリエイターとして形にする力だけでなく、『何をつくるか』をクリエイティブな視点から説得力を持って提案することが、より重要になると感じた」

・「企画の組み立て方について、これまでは『前提・仕組みの説明→提案』としていたものを、『なぜ今やるのかという必然性→提案』へと変えることができた。他の参加者のプレゼンテーションから学べたことも、大きな収穫だった」

ほかにも、「『なぜ、今か?』という問いを常に自問していきたい」「提案時のロジックの組み立てに活かせそう」などの感想が挙がり、日々のディレクションや提案、マネジメントに活かせる具体的な気づきにつながっています。

「考えたことを、どう伝えるか」。山本氏が語る、今クリエイターに必要な力

ー今回のプログラムを通して、クリエイターに最も身につけてほしいと考えていたことは何でしょうか?
 

山本: SNSや動画プラットフォームの普及、制作ツールの進化、生成AIの登場などにより、個人でも表現を生み出し、発信しやすい時代になりました。一方で、世の中に流通するコンテンツは増え、一つのアイデアが人の目に留まり、実現へと進むための競争も激しくなっています。自分の考えたことを実現させていくハードルは以前にくらべてずっと高い。だからこそ「なぜ自分の考えたものを今やるべきなのか」を自信をもって伝える力がなければ、埋もれてしまいます。
 
だから今回は、アイデアを考えるだけではなく、「考えたことをどう伝えていくか」に重きを置きました。組織の中では、周囲が「一緒にやろう」と思わなければ実現には進みません。クリエイティブの研修ではありますが、背景としてはリーダーシップも視野に入れています。
 
 
ー「いまだからこそ、これをやる」と言い切るために、大切なことは何でしょうか?
 
山本: 自分の「やりたい」という内的な欲求と、外の社会の流れを常に照らし合わせることです。今日いいと思っても、明日誰かが同じことをやれば二番煎じになる。自分が今どこにいるのか、自分の考えていることが周囲とどういう関係にあるのかを見る習慣が必要です。
 
フィードバックでも、アイデア自体の良い・悪いより、「世の中の動きで見落としているものはないか?」「活かせる追い風はないか?」という視点を大切にしました。
 
 
ー 本プログラムを通して、参加者にはどのような変化がありましたか?
 
山本: 伝え方のスキルは、回を重ねるごとにどんどん良くなっていきました。参加者同士がお互いのやり方を見て「勉強になる」と話していたので、お互いに良い刺激を受けていたと思います。
 
他の人から学ぶ一方で、自分の強みを活かそうという意識も生まれてきました。「自分の色を出していい。そのうえで、背景をロジカルに説明できればきちんと伝わる」という感覚を持ってもらえたのではないかと思います。
 
 
ーこれからのサイバーエージェントのクリエイターに期待することを教えてください。
 
山本: 専門性を大事にしつつ、業界の枠組みにこだわらず、どんどん自分で領域をつくっていってほしいと思います。
 
ゲーム、UI、と限定するのではなく、スキルは専門的であっても、実際の仕事はいろいろな領域に広がっていきます。これからは領域の境目もなくなっていくと思います。
 
自分で領域を限定してしまうのはもったいない。専門的なスキルを磨きながら、「新しい自分の肩書きを自分でつくる」くらいの気持ちで、新しい領域へ踏み出してほしいですね。
 
今回改めて、誰かが頑張ることを醒めた目で見る人がいない、いわゆる「冷笑」から最も遠い空気感も、サイバーエージェントの良さだと感じました。みんなで一所懸命に取り組む風土は、これから大切にしていきたいと思います。
 

クリエイターの可能性を拡張する

AIをはじめとしたテクノロジーの進化によって、クリエイターを取り巻く環境や職種・領域の境界は、これからも変化していきます。
 
だからこそ、これまで培ってきた専門性を大切にしながら、その上に新たな能力を積み重ね、自らの活躍領域を広げていくことが重要です。当社では今後も、クリエイター一人ひとりの成長を後押ししていきます。

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