【協業DX】合弁企業で立ち上げる最先端の広告事業
協業の成功に欠かせないポイント

サービス

【協業DX】合弁企業で立ち上げる最先端の広告事業 協業の成功に欠かせないポイント

2020年9月にサイバーエージェントは、伊藤忠商事・ファミリーマート・NTTドコモの3社とともに、デジタル広告配信と広告代理店業を行う合弁会社「株式会社データ・ワン 」を立ち上げました。

データ・ワン ではファミリーマートの持つ購買データをもとに、お客様の興味関心を分析し、広告配信を最適化する国内初で最先端のオンライン×オフラインの取組みを進めています。

今回、データ・ワンの太田社長と当社から出向し設立時より営業部長を務める判治に、合弁会社設立において重要な組織づくりと新規事業立ち上げのポイントを聞きしました。

サイバーエージェントの多角的なDX支援

ーー データ・ワン設立時から、密な協業体勢で事業を立ち上げていますが、どのように実施されているのでしょうか?

  太田 英利   株式会社データ・ワン  代表取締役社長   1994年伊藤忠商事入社。トヨタ自動車、ファミリーマート関連会社などへの出向、米ITOCHU Technology駐在などを経て2017年伊藤忠インタラクティブ社長、2020年12月から現職。
太田 英利 株式会社データ・ワン  代表取締役社長
1994年伊藤忠商事入社。トヨタ自動車、ファミリーマート関連会社などへの出向、米ITOCHU Technology駐在などを経て2017年伊藤忠インタラクティブ社長、2020年12月から現職。

太田氏:データ・ワンはコンビニや小売店の購買データを活用した広告配信を行う会社です。これまでもインターネット広告を配信して、閲覧者が商品を買ったかどうかを分析し、PDCAを回すことは行われてきました。

しかし、データ・ワンは購買データを起点にPDCAを回していきます。
実際の購買データをもとに興味関心を分析し、広告配信を効率化・最適化することで売上を改善していく、世の中でも他では実現していないシステムだと思います。

このような新規事業を垂直立ち上げするためには、スピード感をもって組織を整えなければなりません。

そこでサイバーエージェントさんには、デジタル広告の技術継承、広告配信のシステム開発、営業体制の構築、この3つを支援していただいています。

データ・ワンは、伊藤忠・ファミリーマート・NTTドコモ各社から「出向」で集まったメンバーと、データ・ワン社で採用したメンバーで構成されており、スキルや職種、これまでの経験はみんなバラバラです。

その中で、サイバーエージェントさんから出向してもらっている判治さんには、営業部署の責任者として組織構築と、デジタル広告に関するスキルの底上げをお願いしています。

ーー責任者として出向した判治さんがデータ・ワンの立ち上げにあたって、特に意識されたことは何でしょうか?

  判治 秀丈   株式会社データ・ワン  第一営業部 部長  
(2020年12月よりサイバーエージェントより出向)  
2001年にサイバーエージェントへ入社し、インターネット広告事業において営業局長などを経験。その後、AIを活用した新規事業の立ち上げや店内サイネージを活用した販促事業の立ち上げを経験し、2020年12月より株式会社データ・ワンに出向し現職。
判治 秀丈 株式会社データ・ワン  第一営業部 部長
(2020年12月よりサイバーエージェントより出向)

2001年にサイバーエージェントへ入社し、インターネット広告事業において営業局長などを経験。その後、AIを活用した新規事業の立ち上げや店内サイネージを活用した販促事業の立ち上げを経験し、2020年12月より株式会社データ・ワンに出向し現職。

判治:自分に求められていたのは、「事業を立ち上げること」と「サイバーエージェントの良いカルチャーをデータ・ワンに持ち込むこと」の2つです。

新規事業の立ち上げを成功させるには、出向して「最初の90日」が勝負だと思っていました。なぜならメンバーの人となりを知り、信頼関係を構築するとともにまずは営業を成功させて組織を勢いづける必要があるからです。

幸いなことに、幸先よく大手のお客様と大きなお取組みを決めることができ、早い段階で、事業仮説を実証する機会に恵まれたことで、チームとしても勢いづきましたし、設定・配信・運用・レポートという一連の業務を、エンジニア含めみんなで経験できたことは、想定外の課題などを早い段階で気づけたので良かったです。

太田氏:DX支援の会社が数多く存在する中で、大企業のDXがうまくいかない背景には、発注側にも相応のリテラシーが求められる点が挙げられます。

サイバーエージェントさんの強みは協業先に入り込んで、「デジタルマーケティング力」や「運用力」「開発力」「デザイン力」「営業力」・・など、協業先に足りない部分を補いながら、発注者側のリテラシーを高めることができることだと思います。

協業でDXの成果を出すために重要なこと

ーー合弁企業で成果を出すには重要なメソッドがある、と

太田氏:私はこれまで伊藤忠商事からの出向で、8社ほど経験し、各企業で営業やデジタルマーケティングの営業部長をやってきました。

もともとのカルチャーが違うメンバーが集まる今回のような合弁会社では、会社として同じ方向を見て、会社を良くしていこうという雰囲気醸成と数字を作っていくための厳しさが必要になると思っています。

【DX最前線】「追いつけない差」を生み出す、データサイエンスの核心
【DX最前線】「追いつけない差」を生み出す、データサイエンスの核心

サイバーエージェントさんはもともと営業力のある会社で、そこに技術力やデザイン力などを取り込み、企業として強くなってきたと感じています。

その中で培った組織づくりの力と、数字を作るための厳しさをデータ・ワンに持ち込んで来てくれたことは本当に大きいと思っています。

ーー広告配信のシステム開発においてはどのような協業体勢を?

太田氏:データ・ワンの特徴でもある広告配信のシステム開発にあたってはサイバーエージェントさんの技術がふんだんに盛り込まれています。

サイバーエージェントさんというと「営業の会社」という印象が強かったんですが、開発を一緒に進めてみると技術サイドにエンジニアが沢山いて、しかもその人たちが高いスキルを持っていて優秀だというのは、イメージと違い驚きました。

判治:サイバーエージェントは2013年からアドテクの専門組織を立ち上げ、データを活用した多数の広告配信システムを開発し、自社サービスとして運用してきました。

データ・ワン立ち上げ初期からアドテク事業の開発経験のあるエンジニアが開発に加わり、「どういった配信システムを構築できれば独自性・優位性があるものを作れるか?」というところから、一緒に議論し開発を進めました。

ーーカルチャーや強みが異なる企業が集まっての議論は、大変なことも多いのではないでしょうか?

太田氏:合弁企業では、出向元の会社と合弁企業であるデータ・ワンで目指すところは同じでも、議論の中で衝突やズレが生じることはもちろんあります。

そういうときに「リーダーがどう考え、行動するか?」というのは現場のメンバーはとても敏感に見ているんですが、判治さんは行動がブレない。常にデータ・ワンのことを第一に考えて行動していることがわかります。

判治:サイバーエージェントの「良いカルチャーをデータ・ワンに持ち込む」こともミッションの一つです。なので、私がやるべきことは「パートナーであり、自分の組織でもあるデータ・ワンの成功を何より第一に考えること」だと思ってます。

太田氏:技術力やスキルセットに加えて、すごいなと思ったのは「クライアント側の立場で全て考える」というカルチャーですね。口で言うことは簡単ですが、ここまでできている会社というのはなかなかないと思っています。

判治:デジタル広告の黎明期でも競合が嫌がるような細かい作業を地道にやりきり、広告運用の成果を出し続けていたのですが、「何よりもクライアントの成功に向き合い、広告効果を出す」という執念と粘り強さがサイバーエージェントのカルチャーで大きな強みです。

徹底的に成果に向き合う、これが協業事業においても「勝ち」にいくための重要なポイントだと思っています。
また組織としても、朝会や数字のヨミ会、締め会など数字に対しての意識づけ、月一懇親会などメンバーとの対話を中心としたコミュニケーション、受注や機能リリースなどのトピックを共有し仲間を応援し賞賛するカルチャーなどを持ち込めたことは、事業と人を伸ばす点においては良かったかなと思っています。

不合理を合わせ呑んだ上での推進力

太田氏:サイバーエージェントさんは、様々な企業と取り組みを進められていますが、「あれ?」となることはあると思うんです。

例えば、是々非々のスピード感を持って進めることは大事ですが、大きな企業では、なかなかそうはいかなかったり。不合理をあわせ呑みながらやっていかないといけないところがある。でもそこも含めて、トライアンドエラーで修正しながらやっていけるのは、懐が深い会社だなと感じてます。 

スピード感の早いカルチャーを持ったサイバーエージェントのようなテック企業と、価値のあるデータを持った企業がお互いに手を組んで事業ができることは、本来すごくメリットのある話だと思っています。

粘り強く向き合っていただけているなと思っていますので、ぜひ一緒に事業を成功させていきましょう。

判治:とても面白い事業に一緒にチャレンジさせていただいています。合弁会社だからこそ各会社の良い文化を持ち寄り、支えあいながら、みんなでデータ・ワンという会社を一緒に創り上げる。

そんな体験を通じて、私自身も事業とともに成長させて頂いていると感じています。皆さんの高い期待に応えつつ、これからも新しい広告の価値をぜひ一緒につくり上げていければと思います。
 

【DX特集動画】
『テクノロジー』と 『実行力』でパートナーのDXを実現する
- サイバーエージェントの協業DX -

この記事をシェア

公式SNSをフォロー

  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • Line

記事ランキング

神奈川県とタップルが目指す新しい結婚支援

サービス

【対談】神奈川県×タップル

2023年11月、神奈川県とマッチングアプリ「タップル」は若い世代の結婚支援に取り組むため「マッチングアプリの適正利用促進に関する連携協定」を締結しました。※1
2023年に結婚したカップルが出会ったきっかけの25.0%が「マッチングアプリ」※2だという調査結果もあるほど定着したアプリ婚。本記事では、神奈川県がマッチングアプリと連携して目指す「若い世代の結婚支援」について神奈川県青少年課伊藤里佳子様にお話を伺いました。
(聞き手:タップル 浦辻 本インタビューは2024年2月に実施しました)
※1  マッチングアプリの適正利用促進に関する連携協定
※2  2023/11/16  明治安田生命「いい夫婦の日」に関するアンケート調査より

Page Top