責任者の”戦略脳”を鍛え、事業の持続的成長を支える「決算戦略説明会」

IR

サイバーエージェントはこれまで、新規事業案等を提案する「あした会議」などから数多くの事業を継続的に生み出してきました。現在、孫会社等を含む連結子会社数は105社※にものぼります。

また、次々と新規事業を創出すると同時に、市場をリードする存在へ成長させることにも注力しています。今回は、当社の持続的成長の要でもある事業創出の“その後”を支える仕組みについてご紹介します。

※2021年9月末現在

事業責任者の「戦略脳」を鍛える「決算戦略説明会」

当社では、経営者と事業の成長を推進することを目的に「決算戦略説明会」という取り組みを行っています。

各事業責任者が戦略をプレゼンする場を設け、戦略への確信・企業価値向上への手応えが感じられない場合や、結果が伴わないことが続く際には、事業内容の転換などを実施。また、事業戦略の説明責任を果たす機会を通じて、事業責任者の「戦略脳」を鍛える場としても活用されています。

「決算戦略説明会」を始めた経緯について、過去に藤田はこう話しています。

藤田「経営者は、結果を出せば何をやっても正しいと言われ、そうじゃないと何をやっても批判される立場です。結果が全てなので、覚悟してのぞまないといけない。そして、結果にコミットするなら、戦略をつくる力は外せない能力になります。

サイバーエージェントはインターネット事業をずっと展開してきて、ある時までは『とりあえずやってみよう』が正しかったんですね。事業をスタートするのにコストがかからないし、出遅れる代償があまりに大きいので、まずは始めてみようと。見込みがなければ撤退と判断することもありました。

そうやって多岐に渡る分野を事業責任者に任せている中で、今まであまり戦略を聞いたことがなかったことに気づきました。一方で私は、四半期に一度の決算説明会で『なぜこの数字になったか』『なぜここに投資するのか』といった会社の状況を説明する責任があります。そのプレッシャーをぜひ子会社社長にもシェアしてあげたいと思いました(笑)。そういった経緯で生まれたのが『決算戦略説明会』です。

スタートアップ企業の社長は、資金調達のために戦略を見事に語っていたりしますよね。うちの子会社社長や事業責任者にはそういう機会がなかったので、この決算戦略説明会で鍛えたいなと思っています。あえて厳しいことを言って突き返したりしていますね。」

プレゼンの場は、本物の決算説明会さながらの緊張感

2019年に開始後、半期に一度開催してきた決算戦略説明会。藤田をはじめ役員陣を投資家に見立てる形で上場企業の決算発表を模擬的に再現し、緊張感ある雰囲気で実施されます。また、一定の役職以上の社員がオンラインにて視聴し、チャットを通じて自由に質問が可能となります。

一つの事業につきプレゼンテーションの時間は3分。資料に決まったフォーマットはなく、事業内容にあわせて各々がオリジナルで作成します。現況や今後の戦略についてプレゼン後、藤田や取締役の日高、中山から質疑が飛び交い、一つひとつに対して事業責任者が打ち返していきます。

プレゼン時の話しぶりや雰囲気、表情などからも事業のコンディションがうかがい知れるため、事業責任者は全方位に注意を払う集中モードに。メディア事業やインターネット広告事業、ゲーム事業だけでなく、連結子会社や事業も対象となり、2022年4月の開催では約50事業の戦略が発表されました。

藤田社長から「全部頑張るって言ってるね」と言われた初回プレゼン

ここからは、決算戦略説明会による変化や印象深いエピソードについて、事業責任者2名のコメントをご紹介します。

佐野「初めて決算戦略説明会でプレゼンした時、藤田社長から『全部頑張るって言ってるね』と言われたことが強く印象に残っています。当時は事業を伸ばすために必要な部分がありすぎて、選択と集中が出来てなかった。戦略として成立してなかったんですね。

子会社社長をしていると、結果が全て、という感覚があります。戦略を立てて実行し、成果を出してそこで評価される、というのが当たり前でした。そんな中で決算戦略説明会が始まり、実行前の戦略に客観的なフィードバックを受ける機会ができたことは貴重でしたね。

先ほどの藤田社長の言葉がきっかけで、戦略をシンプルにつくることを意識し始めました。徹底的に考え抜くことは変わりませんが、結果的にシンプルな戦略に落とし込むことで、現場のメンバーたちにも伝わりやすく実行力も高まっていると感じています。

さらに、オンラインで視聴している社員から『今回のプレゼンはよかったね』『これはどういうこと?』など、終了後に連絡が入ることもあります。自分の戦略やプレゼン内容の良し悪しが、社長や役員陣以外の複数の目から手応えとして感じられるのは非常に大きいですね。」

西島「中長期の視点で戦略・戦術を描くことができる有難い機会だなと感じています。過去を見直し、未来の戦略を整理する。マーケットで勝つために何をするのか、思考を深めるトレーニングになりますね。

初めて参加した3年前、担当役員を相手に徹底的に『壁打ち』して戦略プレゼンを練り上げました。質問者である社長や役員は何が知りたいのか、どうしたら伝わるか、ということを考え念入りに準備したので、当日は緊張よりもむしろ楽しめましたね。結果的に『こんなにシンプルで良いのか』というくらい、削ぎ落とされたプレゼンになりました。

CyberACEでは、毎月の締め会などで私が話す場があるのですが、ここでも決算戦略説明会での経験が役立っています。伝えるメッセージは一つに絞り、シンプルで覚えやすく、社員が思わず言いたくなる言葉に。いかにそういう言葉へ磨いていけるかは毎回考えていますね。

また、全社の理解が深まることも決算戦略説明会に参加するメリットの一つ。各子会社の戦略・戦術を擬似体験として学ぶことができ、自社にどんなアセットがあるのか、連携できる部分はあるかなどを知る場として活用しています。」

変化の速いインターネット産業で成長を続けていくためには、環境の変化、市場の変化にスピーディに対応し、新たな事業を育てていく必要があります。

今後もサイバーエージェントでは、新規事業を次々と生み出すことにとどまらず、長期的な社会的価値と経済価値の創出により、持続可能で活力のある社会の発展へ貢献することを目指します。

サイバーエージェントの新規事業創出に関する取り組みはこちらにまとめています。ぜひ合わせてご覧ください。


 

LINE公式アカウント、友だち募集中!

この記事をシェア

公式SNSをフォロー

  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • Line

記事ランキング

【若手の育成】若手が“自走する”独自施策「YMCA」

IR

20代社員の成長を目的とした、育成施策「YMCA」。
若手社員を中心に部署横断の組織を作り、自主的にサイバーエージェントの未来に必要な様々な施策を行っています。
この「自分で考え、自分で決めて、自分でやる」というセルフ・リーダーシップの考え方に基づいた取り組みを、専務執行役員の石田は「絶好の成長機会」と話します。

若手社員の育成に「YMCA」がどう寄与しているのか、本組織の8期理事を務める上田の言葉から紐解きます。

※「YMCA」とは、ヤングマンサイバーエージェントの頭文字から。

IR - 新着記事

Page Top