サイバーエージェントの次世代を担う、新任執行役員7名
2024年10月、サイバーエージェントは新執行役員体制を発表しました。
2020年から、監督と執行を明確に区分した新執行役員体制に移行。事業領域の拡大と共に執行役員の人数を増員し、経営人材の育成と筋肉質な経営体制を構築しています。本記事では、新たな執行役員7名をご紹介します。
2023年設立の生成AI活用を推進する専門組織「AIオペレーション室」の室長を務める上野 。「生成AIで2026年までにオペレーション業務を6割削減する」という目標を掲げ、全社を挙げて急ピッチに進めてきた。生成AIによる変化をインターネットの登場と同等のビジネスチャンスと捉える当社において、社員約8,000名の旗振り役となるこの大役は、組織のけん引力に優れた上野に適任だ。
「入社以来、未経験分野で挑戦の連続だった」と上野は話す。スマートフォンゲーム子会社でキャリアをスタートした後、自ら事業提案したアラサー向け・大学生向けのコミュニティサービスや、生放送配信サービス「FRESH LIVE」など、幅広いドメインで複数のメディア立ち上げを経験。なかでも「FRESH LIVE」でプロダクトマネージャーとして30名の開発チームを率いた経験が彼女の能力を開花させた。専務執行役員の石田は、「経営陣の意図を的確に理解し、それを現場に落とし込む能力に優れている。経営と現場の連携を強化し期待以上の成果を生み出すことができる人物」と上野を評する。
自身の執行役員選出についてはこう語る。「私は他の執行役員とは少し異なるキャリアを歩んできましたが、それこそが私の強みです。独自の視点を持ち、自分らしいアプローチで役割を全うし、サイバーエージェントの新たな可能性を広げる部分に貢献できたらと思っています。」
当社が中長期的にオリジナルIPの創出を目指す中、そのマネタイズを支える事業を幅広く担うのが大友だ。2023年にエンターテインメント興行の専門部署を設立後、コマース、配信等の部門を管掌。広告の協賛タイアップなどもあわせ、興行を軸に重層的な収益創出に取り組む。
大友の興行ビジネスとの出会いは2015年に遡る。eスポーツの興行ブランドとして「RAGE」を立ち上げた。これまでに約30タイトルほどの大会やリーグを開催し、2022年には国内最大規模となる1万3,000人動員を達成するなど、日本のeスポーツの発展に大きく貢献した。
そこで培った知見やノウハウを生かし、現在はデジタルとリアルを掛け合わせた様々な興行を実施。チケットが完売した東京ドームイベント「Creator Dream Fes ~produced by Com.~」をはじめ、総来場者数54万人※の「ABEMAアニメ祭り」など、その数は2024年だけでも15本以上。成長著しい新興エンタメ市場の開拓に尽力する。
今後についてこう語る。「私たちが手掛けるビジネスは、自社だけで完結するものではなく、ユーザーファースト、IPファーストを大事にしています。そこに、イベント・グッズの企画制作、運営、チケット販売、配信、広告などあらゆるセクションが1つに揃うサイバーエージェントグループのアセットを掛け合わせて、コンテンツやIPホルダーへの収益還元を最大化することが私の役目。IPの成長と、事業の収益化に最も貢献する存在を目指します。」
※ステージイベントの「ABEMA」視聴者数の来場者数を含む
執行役員の中で唯一、主席エンジニアでもある木村。2023年に主席エンジニアに着任後は、自身の強みであるデータサイエンス(DS)および機械学習(ML)技術を活用し、会社全体のエンジニアの採用・育成や組織戦略の策定に加え、開発生産性の向上にも寄与している。「データを生かすノウハウ」と「技術」を全社に広め、事業の価値と競争力を強化することに力を注ぐ。
2011年に入社した木村は、エンジニアとして広告効果測定事業のプロダクト開発や、広告配信事業の立ち上げに携わった後、海外マーケットを視野に入れサンフランシスコにも拠点を設立するなど、開発および事業責任者として事業を推進してきた。2020年からは購買データを活用したマーケティングプラットフォームの構築・事業拡大に取り組み、その後、自身で組織を立ち上げたデータサイエンスチームを率いて、広告事業のリテールメディアのDX推進に尽力している。「エンジニア」「開発責任者」「事業責任者」と役割を横断する“三刀流”ができる稀有な存在である。
木村は、生成AIの可能性に着目し、技術と事業の未来を見据えている。「生成AIを代替や能力拡張にとどめるのではなく、役職の垣根を超えて誰もが使いこなせる状態にすることで会社の未来は大きく変わる。技術と事業の両面での進化を推進すること、それが執行役員としての自分の存在意義です。」
2008年の入社から一貫して広告事業に従事し、国内外業界を問わずトップクラスの顧客企業を担当する坂井。入社4年目で当時最年少となる営業局長となった。2016年にはブランド広告主のインターネット活用を支援する専門部署を設立し、顧客企業の開拓および関連事業の拡大に尽力。サイバーエージェントのブランド広告を築いた一人だ。現在は営業の管掌に加え、マーケティング、ストラテジックプランニング、クリエイティブなど、関連事業やプロジェクトを幅広く率いる。
学生時代は音楽活動に注力した。音楽で誰かに喜ばれたり驚かれたりすることに魅力を感じたことから、仕事では広告を通じて世の中に驚かれるような新しいことをしたいという思いで入社。その思いは着実に叶えられていると話す。「インターネットでのマーケティングの重要性が増し、広告のプランニングだけでなく、経営課題の解決や、戦略の策定、実行支援に至るまで幅広く求められるようになりました。かつては考えられなかった強力な外部パートナーとの連携や協業も進んでいます。双方の強みやアセットを掛け算して、新たな挑戦を続けています。」
未来への投資として広告事業の“次の種”を見つけていく一方で、堅実な姿勢も伺える。「泥臭く足元の業績を作っていくことも欠かせません。そういった攻守の絶妙なバランスはインターネット広告事業の担当役員 岡本(執行役員 副社長)や内藤(常務執行役員)の背中を見て学びました。両軸をしっかり進め、将来広告事業を任せてもらえる存在になりたいです。」
QualiArtsの代表を務める辻岡は、15年にわたるゲーム会社でのキャリアを持つ。2016年に自身が立ち上げた同社は、ジャンル特化と3D技術への投資が奏功し、バンダイナムコエンターテインメントと共同開発した『学園アイドルマスター』(配信元:(株)バンダイナムコエンターテインメント 開発運営:(株)QualiArts)のヒットを生んだ。同タイトルは提供当初からセールスランキング1位を記録。ユーザーからの評価も高く、その後も好調だ。「設立当初に決めた戦略が実を結んだ。」と辻岡は話す。
辻岡のキャリアは社長室で代表藤田の経営哲学を直接学ぶことから始まった。その後、投資事業を経て、2009年にサイバーエージェントグループ初のモバイルゲーム子会社としてサムザップを設立。手探りながらも『戦国炎舞ーKIZNA-』のヒットを生み出した成功体験は、市場の可能性を実感し、事業展開に対する洞察力を深めることに繋がる。
その後、メディア事業のゲーム責任者として500人を超える組織を率い、マネジメント手法の多様化を会得。子会社社長と主力事業の責任者、両方を経験している社員は社内でも稀で、多様な役割が彼の経営スキルと修羅場の胆力を培った。
辻岡のキャリアにおいて大きな転換点は2年前。執行役員 副社長でゲーム事業管轄の日高からの提案で、ゲーム事業の戦略やディフェンス面の強化に尽力したこと。経営管理やCSなど守備範囲を広げれば広げるほど、一人では何もできないことを痛感したと当時を振り返る。「今後はグローバルでのヒットタイトルを、そして将来的には自分たちのIPを創出したい。そのためにはもっとリスクを取っていくことが必要で、現状の延長線上ではなく、新たな挑戦をしていきます。」
成長企業やスタートアップに特化した広告代理事業で、創業以来増収を続けるCyberACE。コロナ禍で急速に普及が進んだオンラインビジネスだが、同社はそれ以前からオンラインを駆使し、全国各地のあらゆる企業に営業活動を行ってきた。近年はAIや独自システムを活用した自動化にいち早く取り組み、社員の生産性向上にも注力。「取引社数が増えても、高い顧客満足度を追及していきたいです。」と代表の西島は言う。
2009年入社の西島はエリアマーケットの詳しさが買われ、2018年に同社の代表に抜擢される。それ以前は、西日本各支社でメーカー、教育、人材、通販クライアントなど幅広い業種の営業経験を積んだ。地方独自のマーケット環境の中、その地に合わせた営業戦略と顧客ファーストの姿勢が実を結び、九州エリアの売上規模を倍増させた実績を持つ。その裏には、組織体制の強化が不可欠だったという。「当時、メンバーの成長が業績の飛躍に直結することを実感しました。その時に、サイバーエージェントグループの中で最も人材が成長する組織をつくろうと決めました。」その思いから自身が立ち上げたCyberACEは独自の育成や評価制度を用い、人材育成に力を入れている。
すべての顧客企業へサービス提供を目指す当社のインターネット広告事業にとって、CyberACEのすそ野を広げる営業活動は重要だ。「全国の将来性ある成長企業やスタートアップ企業こそ、次世代の日本経済を支える中心だと捉えています。まだ出会えていない企業は沢山ある。企業と人材の成長を支えられるよう、尽力していきます。」
当社インターネット広告事業の競争力である「運用力」を10年以上かけて強固なものにしたのが、運用広告責任者の蜷川だ。国内トップクラスの広告効果は、国内主要媒体からの数々の受賞実績が証明している。
2009年入社の蜷川は営業を経験した後、2013年にインターネット広告の基盤ともいえるSEM領域の専門部署を立ち上げた。その後、国内外に拠点を置くオペレーション専門子会社シーエー・アドバンスの役員を兼務して組織の強化にコミット。現在は広告運用のコンサルティング、設計、開発部門の責任者も務める。「入社以来、周りを巻き込んで成果を出すことにこだわってきた。」と話す。チームプレーの意識は、学生時代に打ち込んだサッカーで培われた。2021年に自身の管轄組織が150人から1,000人規模にまで拡大するも、丁寧なマネジメントと属人に頼らない仕組みを追及。困難を乗り越え、一朝一夕では到底まねできない運用力を実現する組織体制を築き上げた。
今後は広告のAI活用をさらに進化させる。目下、広告の発注を受けてから、施策設計、広告配信、レポーティングまで自動化できるよう開発を進める最中。「そうなれば、SMBを含むより多くの広告主にハイレベルなサービスを提供できるので、さらなるビジネスチャンスの機会となる。また今後は広告事業で培った、技術やオペレーションの仕組みをゲーム事業やメディア事業へ展開し、全社的な事業成長にも貢献していきたいです。」
サイバーエージェントは、上記7名の新任執行役員を含め総勢35名の執行役員体制となりました。
引き続き、AIの全社的な活用や事業領域の拡大を牽引し、高収益なビジネスモデルの構築に尽力してまいります。
■執行役員一覧
https://www.cyberagent.co.jp/corporate/executiveofficers/
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