エンタメ×テクノロジーで描くファンコミュニケーションの未来

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サイバーエージェント・FanTech事業本部の挑戦

音楽、映像、ライブ配信―エンターテインメントの世界は、ファンとアーティストをつなぐ多くの場面で「テクノロジーの力」に支えられています。
その中でファンとタレント・アーティストの双方にとって利便性の高い、多様な機能を提供しているサイバーエージェントのFanTech事業本部。彼らのミッションは、言語や場所・時間といったエンタメ業界の障壁を取り払いテクノロジーでファンとの絆を深める新たなプラットフォームを作り出すことです。
今回、FanTech事業本部の統括を務める伊達が事業部の背景、取り組み、そして描く未来について詳しく解説します。

エンタメ×テクノロジーの力を結集、FanTech事業本部の設立の背景

FanTech事業本部(以下FanTech)は以下の4つの事業から成り立っています。

1.CL(LDHファンコミュニケーションサービス)
2.FANBASE(ファンコミュニティ運営ツール)
3.AWA(音楽ストリーミングサービス)
4.WRESTLE UNIVERSE(プロレス動画配信サービス)

これらのサービスは一見独立しているように見えますが、それぞれの技術基盤を共有し個別サービスの改善例を基盤にも反映するなど、相乗効果を生み出すことで単なる“プラットフォーム提供者”ではなく、ファンとアーティストの新しい接点をデザインする存在を目指しています。
 

FanTechが誕生した背景には、コロナ禍によるオンラインシフトがありました。エンタメ業界全体が「デジタルでのファン体験」に可能性を見出した時期に、サイバーエージェントの技術力やクリエイティブ力、また映像配信で培ったノウハウといった強みを最大限に活用することで、エンタメ業界のデジタルシフトに貢献できると感じました。
事業統合により各事業が持つ強みを活かしながら、シナジーを生み出せる部分は積極的に連携する「複数事業が柔軟に連携する仕組み」を構築し、同じ思想や思いを共有し、人材交流も行える体制を実現しています。

伊達 学(FanTech事業本部統括) 
2002年 サイバーエージェント新卒入社/2004年インターネット広告事業本部統括/2014年 CA18執行役員/2018年  (株)買えるAbemaTV社 代表取締役社長/2023年(株)AbemaTV D2C部門責任者/2022Fantech事業本部統括(現任)
伊達 学(FanTech事業本部統括)
2002年 サイバーエージェント新卒入社/2004年インターネット広告事業本部統括/2014年 CA18執行役員/2018年 (株)買えるAbemaTV社 代表取締役社長/2023年(株)AbemaTV D2C部門責任者/2022Fantech事業本部統括(現任)

ファンダムの再定義。「浅く広く」から「濃密に深く」へ

FanTechの独自性は「アーティストと共創する」というポリシーにあります。これは単に事務所やアーティストの要望に応えるだけでなく、本当にファンの方に支持されるサービスとなるために携わる人材が主体的に提案・改善を行う姿勢を表しています。
そのうえで特に注力しているのが「ファンダムの再定義」です。従来、エンタメ業界では「浅く広い」ファン層の獲得が主流でした。しかしFanTechは、アーティストに深く共感する「濃密なファンダム」の育成を重視しています。

例えば、「CL」ではSNSの発信以外の楽曲制作の舞台裏やアーティストの想いを共有する場として、ライブ配信やキャス配信機能を実装。SNSは拡散力が強い一方で情報が薄まりやすいことに着目し、伝えきれないアーティストの意図や想いがファンに伝わる“深い接点”を意識して設計し、100万ダウンロードを突破しています。

また、こうした取り組みはデータにも裏付けられています。FanTechではSNSでのユーザー反応を継続的に収集し、サービス改善に活用。「海外ファン向けの言語対応」や「推し活機能の強化」など、ユーザーのニーズを戦略的に取り込んでいます。その結果、「CL」では年間100以上のアップデートを実施するなど、常に進化を続けています。アプリリリースから5周年を迎えてもなおこの規模の開発・改善を続けているサービスはそう多くはないと自負しており、これはサイバーエージェントグループの特徴である、広告事業やゲーム事業、「ABEMA」などで培った継続的な改善文化が根付いているからこそ実現できています。

Made in Japanを世界へ。グローバル市場への挑戦

FanTechが目指すのは、日本のエンタメコンテンツをグローバル市場で輝かせること。
海外展開を見据えたファンクラブは、ただの“ファンの集まり”ではありません。アーティストの世界観を深く理解し、共感してくれるファンダムを作り出すプラットフォームとして設計しています。これは単にコンテンツを海外に提供するだけではなく、アーティストやIP(知的財産)が「世界のファンとつながる仕組み」を作る試みであり、日本のエンタメを支える技術基盤を活用しながら、「Made in Japan」の新たな価値を打ち出しています。


そのための機能開発においては、「言われたものを作る」という形ではなく、「何のために、どんな価値を届けたいのか」という本質的な議論からスタートし、IPをプロデュースする側とサービスを構築する側、それぞれの専門領域を尊重し合える関係性を築くことで、建設的な協力体制を実現。
各事務所が「サイバーエージェントと組めば成功できる」と思っていただけるような信頼関係の構築を日々意識しています。

組織の力を高める「人材交流」という武器

FanTechの特徴の一つが、人材交流を積極的に進める「柔軟な組織運営」です。異なる事業部のメンバーがアイデアを共有することで、新しい価値が生まれています。
例えば同じ開発基盤を持つ「WRESTLE UNIVERSE」と「FANBASE」では合同で行ったプロジェクトを契機にこれまで接点のなかったメンバー同士の技術的な議論を通じて新たな展開が生まれ始めています。またCLで培った良いカルチャーや経験を「FANBASE」に展開するなど、プロジェクトマネジメントサイドとエンジニアサイド両方で人材交流を通じた価値創出を進めています。
FanTechでは、各事業の自主性を尊重しつつ、共通の目標に向かって知見を共有する文化を大切にしており、それが強さの一つとなっています。

エンタメの未来を描くFanTechの挑戦

次なる挑戦は、「自社IPの活用」と「グローバル展開におけるパートナー化」です。現在は主にファンとアーティストをつなぐプラットフォームの運営を担っていますが、将来的には自社で創出したIPの収益化や価値創出を手掛けることや日本の誇るIPを持つ皆さんと一緒にグローバル展開を実現するパートナーになっていく構想を描いています。

音楽や映画だけでなく、YouTuberやVTuber、リアルな人物に限らない作品IPも対象にしたファンダム形成を進め、私たちが日本を代表するプラットフォームとしてデザインとテクノロジーを担い、そこに自社IPも展開していく、それが未来像です。

Made in Japanのコンテンツで世界のファンを熱狂させる。
その技術的基盤の担い手として、FanTechは挑戦し続けます。
 

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