自律型対話AI技術を調剤事業に本格展開!
ー ドラッグストア・調剤薬局の人手不足問題解消へ ー
近年、ドラッグストア・調剤薬局において、薬剤師の人手不足や人員配置のバラツキによる業務量不均衡などが社会的な課題となっています。当社は2020年に医療DXを推進する「株式会社MG-DX」を設立し、ドラッグストア・調剤薬局の対人業務を支援する「遠隔接客AIアシスタント」を提供しています。
すでに大手チェーン複数社からテスト導入のお声がけをいただく中、さらなる開発・導入体制強化のために、MG-DXにおいて「遠隔接客事業部」を設立しました。
サイバーエージェントグループだからこそ実現できる、プロフェッショナルの能力を最大限に拡張する接客システムとは?
自律型対話AI技術でドラッグストア・調剤薬局の人手不足問題に挑む
サイバーエージェントの100%子会社である株式会社MG-DX(以下、MG-DX)は、2020年よりドラッグストアや薬局を中心とした医療機関のDX推進を支援しています。
ドラッグストア・薬局では近年、薬剤師の人手不足・人員配置のバラツキによる業務量不均衡が問題で、特に地方においては深刻な課題として国も警鐘を鳴らしています。
さらに、2024年12月からは健康保険証の新規発行が廃止されマイナ保険証への移行が進むため、薬局での問い合わせや窓口対応が増え、薬剤師の業務負荷が増大する可能性も。
このような状況を受け、MG-DXでは2024年8月にサイバーエージェントのAI研究開発組織「AI Lab」と遠隔接客AIアシスタントを共同開発し、ドラッグストア・調剤薬局向けに提供を開始しました。ロボット・CGアバターなどの対話エージェントによる受付業務の一次対応、稼働に余裕のある他店舗応援スタッフによる遠隔接客を組み合わせることで、薬剤師の業務負荷軽減や生産性向上に期待が寄せられています。
そしてこのたび、2024年11月にMG-DXにおいて「遠隔接客事業部」を設立し、開発・導入支援体制の強化を図ります。
調剤×遠隔接客事業を実現できる3つの理由
薬局のような専門的な環境における接客DXは、高度な接客対話に関する技術・ノウハウ、調剤業務への深い理解が必要となります。難易度が高い本事業を実現できる理由を3つのポイントに分けて紹介します。
01. 国内トップクラスの実証実験数で培った接客対話の知見
AI研究開発組織「AI Lab」は2017年に接客対話エージェントチームを発足、ロボット研究の第一人者である大阪大学 石黒浩教授の研究室と共同研究講座を開設し、内閣府が推進するムーンショット型研究開発制度のプロジェクト推進を行うなど、多岐にわたる研究開発に取り組んでまいりました。
これまで実施した商業施設や小売店舗をはじめとした様々なフィールドでの実証実験は、その数なんと約70件。接客ロボットに対する利用客のリアルな反応の調査、利用客に受け入れられるロボットのふるまいやインタラクションの設計、外的なノイズ環境への適応、利用客の行動の高速な認識・応答技術など、数多くのノウハウを蓄積・公開してきました(累計54本の論文が査読付き会議・論文誌に採択:2024年10月時点)。こうした知見を最大限に活かし、調剤薬局の患者さんに広く受け入れられる接客を実現します。
02. AIによる独自の行動認識技術と多拠点管理のインターフェース
本事業では、ロボット・CGアバター等を活用し、基本的な接客はAIが対応、複雑な質問のみスタッフが遠隔で対応を行い複数拠点での同時接客を実現することで、人手不足問題の解消を目指します。
そのためには、AIが自律的に接客できる範囲を最大化すると同時に、適切なタイミングで有人接客に切り替えが可能なシステムの構築が求められます。
AIの自律的な接客においては、AI Lab が開発する独自の機械学習モデルを活用することで、ユーザの言語的ふるまいだけでなく、目で見てわかる非言語的ふるまい(ジェスチャーや対話の間 等)を高速に認識・推定することが可能です。
例えば、お客さんが困っている様子が観察されたらロボットやCGアバターが自発的に声をかけるなど、高速な行動認識によりユーザーの内面の状態を検知することで、AIが自律的に接客できる範囲を最大化します。
参考:当たり前のことが当たり前にできる音声対話受付ロボットの開発
一方で、複雑な質問や状況には、AIの対応から遠隔の有人対応にスムーズに切り替え可能なインターフェースも開発しており、過去の実証実験では、スタッフ1名が遠隔で5拠点のロボットを同時に管理・操作し、案内成功率90%以上を達成しました。
これらの技術開発により、将来的には1名で10~100拠点の遠隔接客が可能となる見込みです。
03. 医療DXに特化した「MG-DX」の事業推進実績
2020年に設立したMG-DXでは、オンライン調剤サービス「薬急便」を提供し、クオール薬局やサンドラッグといった大手ドラッグストア・調剤薬局に導入いただいております。
これまで、多くの調剤部門のスタッフ・患者さんにご活用いただき、現場のニーズに応えながらサービスをブラッシュアップさせることで、調剤領域における業務の知見を深めてまいりました。
企業のDXを推進するためには、単にサービスを導入するだけでなく、導入後にお客様に継続して利用していただけるようなサービスに仕上げることが重要です。
ドラッグストア・調剤薬局と協業しながらDX推進をおこなってきたMG-DXならではの豊富な知見を活かし、薬局業務に最適な遠隔接客サービスの開発により『お待たせしない薬局づくり』を支援します。
10万人のエキスパートが1000万人をサポートする世界へ
AI Labがこれまでに蓄積した接客インタラクションノウハウや高速認識・応答技術を、医療DXを推進するMG-DXが持つドメイン知識と掛け合わせることで、社会的ニーズの強い調剤領域で、薬剤師の人手不足問題の解消を推進します。
さらには、1人のエキスパートが複数のロボットを通じて、複数のユーザーを同時にサポートできるスキームの構築を目指し、2035年までに10万人のエキスパートが1000万人の日常を支援するような世界の実現に向けて、今後も技術開発を進めてまいります。
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