最高品質のクオリティで、継続的なヒットタイトルの創出を
2009年の参入以来、スマートフォンゲームの市場拡大とともに成長を続けてきたゲーム事業。新型コロナウィルスの影響やリオープニングの本格化等、大きな環境の変化があったこの数年を振り返るとともに、現在のゲーム事業の競争優位性や、今後の展望について当社取締役の日高と常務執行役員の浮田に聞きました。
競争が激化する環境下、総合力で勝負
-国内のスマートフォンゲーム市場の現況を教えてください。
日高:国内のスマートフォンゲーム市場は、コロナ禍の巣ごもり需要を受けて拡大したゲーム人口が定着するなど、ここ数年で大きく変化しました。現在の市場規模は、約1兆2,129億円※1で、中国、アメリカに次ぎ、世界第3位です。
当社においても、2021年2月に提供を開始した「ウマ娘 プリティーダービー」※2が大ヒットし、変革期であったと思います。
右肩上がりで成長を続けてきたスマートフォンゲーム市場ですが、リオープニング等の影響もあり市場成長は落ち着きつつあります。
今後、市場の成熟や海外企業の台頭に伴い、競争はさらに激化するでしょう。ますます高いクオリティが求められる中で、継続的にヒットタイトルを創出するためには、自社の総合力の底上げが不可欠であると考えています。
※1 角川アスキー総合研究所「ファミ通モバイルゲーム白書2023」(2023年3月)
※2「ウマ娘 プリティーダービー」:© Cygames, Inc.
国内最大規模の開発体制で「AAA戦略」を目指す
-今後の事業戦略をどのように考えていますか。
日高:当社のゲーム事業は、ゲームに特化した10社の子会社が各社の強みを生かした戦略、開発を行っています。
オリジナルIPに強い(株)Cygamesは、数多くのヒットタイトルを創出。代表作の1つである「グランブルーファンタジー」※は、9周年を超えた現在も当社の主力タイトルであり、2023年11月と2024年2月にはコンソールゲームの提供も予定しています。
「ウマ娘 プリティーダービー」※1は、TVアニメやコミックの制作など、スマートフォンゲームの枠に留まらないクロスメディア展開で、長くユーザーに愛されるタイトルを目指しているところです。
浮田:その他のゲーム子会社であるSGE(スマートフォン・ゲーム・エンターテイメント事業部、以降SGE)においては、強力なIPで世界的なヒットを目指す「AAA(トリプルエー)戦略」という目標を掲げています。
2023年9月に提供を開始した「FINAL FANTASY VII EVER CRISIS」※2は、「AAA戦略」の好例です。大人気シリーズ「FINAL FANTASY VII」※3の世界観を壊すことなく、スマートフォンゲームを通して、既存のファンの方にご満足いただくのはもちろんですが、新たなファン層の拡大も目指していければと考えています。
-どういった点が競争優位性になっているのでしょうか。
浮田:スマートフォンゲームにおいて、国内最大規模の開発体制と運用力だと思います。
厳しい競争の中でヒット作品を創出するためには、盤石な開発体制や技術力、クオリティを追求する強い信念、運用力、どれも外すことは出来ません。
過去に比べ1タイトルあたりの開発期間は長くなっていますが、各メンバーが高い熱量で取り組んできたことで、サイバーエージェントのクオリティへの信頼度が上がり、最近では有力なIPのコンテンツホルダーの方からのお声掛けが増えています。
また、独自の強みを持った子会社間の柔軟な連携や人員の流動性も優位性だと思います。
ゲーム事業全体で、最終的なマネジメント層のクオリティチェックだけでなく、開発段階から現場間での情報交換が活発に行われています。
子会社の垣根を越えて、グループシナジーを最大化してきたことで、現在はどの会社が手掛けても、高水準のタイトルを生み出せるようになりました。
※2「 ウマ娘 プリティーダービー」:© Cygames, Inc.
※3「 グランブルーファンタジー」:© Cygames, Inc.
※4「 FINAL FANTASY VII EVER CRISIS」:© SQUARE ENIX
Powered by Applibot, Inc. CHARACTER DESIGN: TETSUYA NOMURA /
CHARACTER ILLUSTRATION: LISA FUJISE
※5「FINAL FANTASY VII」:© SQUARE ENIX
長く愛されるタイトルは現場の熱量が不可欠
-子会社が複数ありますが、共通した人材戦略はあるのでしょうか。
日高:現在当社が手掛けている大型タイトルの開発には最低3年かかっており、リリース後も24時間体制で運用が必要となります。長く愛されるタイトルというのは、高い技術力はもちろんですが、制作現場がユーザーのことを徹底的に考え抜いているか、また現場が本当に面白いと思っているかという、熱量の中から生まれるものだと思っています。
浮田:その点、現場のメンバーはそれぞれ深い愛情をもって取り組んでいると感じますね。
「AAA戦略」も開始から6年ほど経過し、開発からリリース、運用までを経験した中心メンバーの手がけるタイトルが3巡目を迎えたことで、好循環がうまれています。経験のある人員層が厚くなったことで、組織がより強固となってきた事を実感しており、ノウハウの共有や育成面で今後さらに加速することを期待しています。
日高:2009年から開始したゲーム事業ですが、スマートフォンゲーム市場においてのサイバーエージェントグループは今や国内最大規模の組織となり、最新の開発設備や、優秀な人材が最大限の能力を発揮できる環境が整ってきたと思います。
今後も子会社毎の強みを生かした様々なアプローチで、世界に通用する最高品質のタイトルを目指していきます。
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