スポーツ×テックで新しい価値の提供を目指す

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競輪・オートレースのインターネット投票サービス「WINTICKET(ウィンチケット)」。「ABEMA」との親和性の高さ、UI(ユーザーインターフェース)のデザイン力やマーケティング力を武器に、後発ながら競輪におけるインターネット投票市場において、シェア4割強にまで拡大。取扱高は二桁成長を続け、「ABEMA」関連売上高に大きく貢献しています。
近年のインターネット投票の普及により1兆円を超える競輪市場※。
今後の事業戦略を当社執行役員で(株)WinTicket代表取締役の佐野に聞きました。
※ 公益財団法人JKA「2022年度総車券売上高」(2023年4月)

新たな競輪ファンを開拓し、業界ナンバーワンに

─ 2019年の提供開始と後発ながら、年々シェアを拡大し業界ナンバーワンになりましたが、競争優位性はどこにあるのでしょうか。

他社サービスとはターゲットが明確に異なるからだと思います。
私たちは、既に競輪を楽しんでいる方々ではなく、まだ競輪経験のない層に対して魅力を伝え、「WINTICKET」を利用してもらう戦略をとっています。
競輪などの公営競技はファン層の高年齢化が進んでいますが「WINTICKET」の利用者は20代~30代が80%程度。年代層からみてもその違いは明らかです。

その戦略のために重要だったのが、サイバーエージェントのマーケティング力と「ABEMA」というメディア、そして開発力です。
マーケティングで競輪経験のない層に魅力を伝えて興味を持ってもらい、「ABEMA」の番組で競輪を理解し楽しんでもらうという体験を創出しました。そこには「ABEMA」の番組作りのノウハウや、メディアとしての知名度が生きたと思います。

また、開発力も重要です。新規層をターゲットにしているため、使いにくさや分かりづらさが離脱ポイントにならないよう工夫しています。競輪サービスであっても、若い人達にとって使い勝手の良いUIUXを実現できる開発力は私たちの競争力。公営競技で初めてスマホ決済サービスを導入したのも「WINTICKET」でした。

シェア拡大と聞くと、パイの奪い合いのように見えますが、市場内でとり合ってもサービスの成長は限定的です。新しい層を獲得し、市場全体を拡大させながらサービスも成長し、結果的にシェアが上がったという認識ですし、今後も新規層を取り込むことで、継続的に成長し続けられると考えています。

─ 1兆円を超えた競輪市場、またインターネット投票率も8割を超えてきましたが、今後、さらに利用者を伸ばすためには。

私たちは、フェーズごとに事業戦略を立てています。そのフェーズとは、属性や競輪の認知レベルを組み合わせたターゲットのどこを狙うかで分けていますが、現在の「WINTICKET」はフェーズ1の段階。まだまだこれからという感覚です。
もちろんフェーズが上がるにつれて難易度も上がるわけですが同時にノウハウも蓄積されるので、これからも業界全体と協調しながら競輪業界を盛り上げていきたいと思っています。

そして何より競輪というものはそもそもとっても面白い。
ギャンブルというとネガティブなイメージですが、適切な範囲で遊べば素晴らしいエンターテイメントです。そんな魅力的な競輪のポテンシャルも合わされば、これからも市場拡大は続けられると思います。
 

スポーツ体験をアップデートし、新たな楽しみ方を提案

─ 「WINTICKET」が目指す姿について教えてください。

スポーツ体験のアップデートをしていきたいと思っています。
具体的には、AI技術、スポーツデータ、スポーツ映像、この3つを掛け算して新しい体験、新しい価値を創っていきたいです。
今「WINTICKET」が注力している競輪は、公営競技の中で唯一の「スポーツ」であり五輪種目にもなってることが特徴です。
昨年の「FIFA ワールドカップ カタール 2022」などスポーツは、「ABEMA」でも注力している分野でもあるため、グループでのシナジーも生み出せると考えています。
もうすでに準備している取り組みも形になってきているので、近々公開できると思います。

現在「WINTICKET」は、公営競技である競輪とオートレースを提供していますが、スポーツ全体への取り組みを加速させていき、スポーツ事業をサイバーエージェントの大きな柱にしていきたいと考えています。
 

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