エンジニアとして “くすぶっていた” 12年間、
異動を重ねて見つけた、自分なりの成果の出し方

技術・デザイン

幅広く事業を展開するサイバーエージェントでは、人材の適材適所を目的とした様々な施策を行っています。その中のひとつ、キャリアエージェントとの出会いがきっかけで約10年の間に3回の異動を経験し、エンジニアとして明確なビジョンを持つようになったと話すのが、子会社Colorful Palette のエンジニアマネージャー 伊藤です。「エンジニアとして “くすぶっていた” 」と話す 12年間、それを変えるきっかけになった出来事とその後大切にしている価値観について聞きました。

Profile

  • 伊藤 寛起
    新卒でSIerに入社後、銀行などの業務システムの開発を経験し、2011年中途入社。Craft Eggにて「バンドリ!ガールズバンドパーティ!」の開発に携わる。その後サイバーエージェントゲーム事業部の技術統括室にて各社横断の課題解決に取り組む。2018年、Colorful Palette設立時よりサーバーサイドエンジニアとして参画。現在はエンジニア全体を統括するマネージャーとして組織を牽引している。Java、 Golangを用いたWebアプリケーション開発やリアルタイム通信、ネットワーク分野を主に担当。

「グループ全体で長く安心して働いてほしい」キャリアの土台を作った言葉

── はじめに、これまでのキャリアについて教えてください。

20歳のときに新卒でSIerに入社後、銀行などの業務システムの受託開発を行っていました。
当時はどのようなエンジニアになりたいかという明確なビジョンはなく、7年間働く中で
次第に自分たちでtoCサービスを開発、運用していく会社で働きたいと思うようになりました。その後、縁あって2011年にサイバーエージェントに入社しました。競合他社も受けましたが、サイバーエージェントの面接が最も自然体で楽しかったので、入社後もきっと楽しく働けるだろうなと思ったのが決め手です。幸いにも入社後にネガティブなギャップはありませんでした。
最初に所属したのが、メディア事業部における新規事業の技術検証チームでした。ここで出会った上司のマネジメントスタイルに非常に影響を受けており、今でも時々お会いし相談することもあります。その後コミュニティサービス等の開発を経て、2014年にゲーム事業部に異動し、子会社 Craft Eggの立ち上げに参画しました。当時「バンドリ! ガールズバンドパーティ!」のバックエンド開発を一人で行っていたものの、リリース直前にゲーム事業部内の横断組織 技術統括室から開発支援に入ってもらったことがきっかけで、同部署に異動しました。その後、2018年にColorful Paletteに参画し現在に至ります。

── サイバーエージェント入社後10年間で様々な部署・子会社を経験していますね。どのようなきっかけがあったのでしょうか?

最初の部署異動のタイミングでは、社内のヘッドハンティングチーム・キャリアエージェントにお世話になりました。コミュニティサービスの開発に携わっていた当時、これから構築したいキャリアと現状とのギャップに悩んでおり、さらに大きな責任と裁量を持って開発に取り組みたいと感じていました。そこで発足したばかりのキャリアエージェントに相談した結果ゲーム事業部が合うのではと提案を受けたのですが、その際に掛けてもらった言葉のおかげで、部署異動に対する価値観がポジティブなものに変わりました。というのも、サイバーエージェントでは人材の「適材適所」を重視していて、社員1人ひとりがモチベーション高く挑戦することが、事業の成長、業績の向上につながるのだということ。また、グループ全体で長く安心して働いてほしいという考えから、異動希望があればぜひしっかり意思表示してほしい、それを会社は基本的にはポジティブに受け止めるというものでした。キャリアエージェント担当者からそのように話してもらったことにより、自分のキャリア作りの土台ができたように思います。

異動した子会社 CraftEggにて「バンドリ!ガールズバンドパーティ!」の開発を担当した際、リリース直前に技術統括室経由で各社のエンジニアにサポートしてもらったことをきっかけに、自分自身の未熟さを痛感しました。彼らのサポートが無ければ、間違いなくあの成功は無かったと思います。当時、技術統括室は “成果の最大化と損失の最小化” をスローガンに掲げていたのですが、彼らの働き方はまさにそれを体現していました。マクロな事業目線で成果を追えるエンジニアを目指したいと思い、技術統括室への異動を自ら人事に相談しました。

その後、約1年半技術統括室で各社の技術サポートを行う中で大きな責任や裁量もあり、やりがいも感じていたものの、自らが当事者となって現場でプロダクトを生み出し、組織を作っていきたいと感じるようになりました。まさにそのタイミングで、子会社 ColorfulPaletteの立ち上げの話を聞き、代表の近藤に直接相談に行ったことが異動のきっかけです。以前に所属していたCraftEggではリリース後のサービス運用や組織をより大きく成長させるフェーズには関わっていなかったので、ColorfulPaletteでは組織の成長に当事者として全力で取り組みたいと伝えました。

20歳でエンジニアを始めてから10年、エンジニアとして成し遂げたいことが定まらない状態が続いていたものの、グループ内での異動を経験する度にそのビジョンが明確になったと感じています。インターネット産業のトレンドの移り変わりは激しく、それに伴って自分のキャリアビジョンも変わりますが、自分の努力次第でその想いを叶えられる場所がグループ全体に多様に存在しているのだと思います。
 

若手の焦りに強く共感、成果の出し方を見つけるまでの12年間も無駄ではない

── エンジニアマネージャーとして日々意識していることはありますか?

大前提として、きちんと成果を出し続けられているチームであるか、自分自身も成果に貢献できる存在であるかという点は常に意識しています。仮に良いチームビルドが出来たとしても、そのチームで何を成すのかということが何よりも大切だと考えているからです。

また、Colorful Paletteをエンジニアにとって幸せな組織にしたいと思っており、「ポジティブに仕事を楽しんでほしい」といつもメンバーに伝えています。時にはパフォーマンスを存分に発揮できないこともあるだろうし、”くすぶっている” と感じてしまう期間もあるかもしれません。それでも1日1日を楽しんで働くことが重要だと考えているし、マネージャーとしてそのような環境を支えることが役目だと思っています。そのためにまずは自分自身笑顔を忘れないようにしています。

── そのような意識を持つきっかけになった出来事はありますか?

20歳からの12年間は、技術力は日々身につけていたものの、エンジニアとして自分のキャリアに満足しているとは言えない状況でした。それが大きく変わったのが32歳、さきほどお話したゲーム事業部の横軸組織・技術統括室に在籍していた頃のことです。特にサムザップとは密に仕事をしていたのですが、サムザップの所属ではない自分を社内の締め会で表彰してくれたりと、とても温かく受け入れてくれました。横断組織の一員としてあえて一定の距離を持って関わっていたのですが、むしろそれが良い距離感だと感じました。それまでの自分は、周囲の人を信頼して任せることが苦手で、自分の熱意だけで突っ走るようなところがありました。でもサムザップと開発を共にすることで、チームメンバーを信頼して役割を分散し、強いチームをつくることの大切さに気づいたのです。自然と自分も笑顔でいられることが増えてきて、自分なりの成果の出し方に初めて手応えを感じられた瞬間でした。また、様々な子会社の開発手法や文化に触れることで、自分の視野が一気に広がった気がします。

このような経験があるからこそ、若手が入社して1~2年で「このままのキャリアで良いのか」と焦ってしまう様子を目にすると、その気持ちに強く共感します。私は12年かけて自分の得意分野や成果の出し方を見出してきた人間ですが、それを無駄だと思ったことはありません。だからこそ、「焦らず1日1日を楽しもうよ」「サイバーエージェントは多様性のある会社だから、努力し続ければきっと自分のポジションが見つかるよ」と声を掛けるようにしています。

── メンバーが仕事を楽しめるように、社内では具体的にどんな取り組みを行っていますか?

常日頃気を配っているのは出社日には必ずメンバーと雑談することですね。時には一緒に実装することもあります。個人的に “上長” と言われることが苦手で、対等な立ち位置で話したいと思っており、上下関係が生まれないような距離感の作り方を心がけています。たとえば私はマネージャーを任されたのが最近のことなのですが、全社総会で新人賞を受賞したトレーニーの大橋と一緒に「お互いマネージャーとして半人前なのは変わらないから、一緒に一人前を目指そう」と声をかけました。大橋も将来マネージャーを目指したいと言っていたし、自分も大橋から学べることが沢山あると感じたからです。お互いをリスペクトし、切磋琢磨出来る関係値の方がより成長でき、楽しく仕事に取り組めると思っています。

エンジニアは一歩間違えると、下請けのような働き方になってしまいがちです。とはいっても、自分たちの発言権ばかりを重視して、事業に寄り添わなければエンジニアのエゴでしかありません。企画職と対等な発言力を持っている強い開発組織でありながらも、事業にしっかり寄り添う姿勢を忘れずにいたいです。

── 最後に、今後の展望を聞かせてください。

Colorful Paletteをエンジニアが強い組織にすべく、エンジニアマネージャーとして引き続き頑張っていきたいです。同時に後任を育て、やがて自分のポジションを任せることで技術のトップもある程度循環する仕組みを構築していきたいと思っています。誰かに安心してエンジニア組織を任せられるようになった暁には、現場に戻ってまたコードを書きたいですね。そして日本を代表するプロダクトを創り続けられる組織にしたいです。

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