DX内製エンジニア専門組織「INTECH」始動
-サイバーエージェントが切り拓くDX内製の未来-

DXが進む現代のビジネス環境において、迅速かつ高品質なプロダクト開発が求められる中、当社はDXコンサルティング本部と連携する内製エンジニア専門組織「INTECH」を新たに設立しました。
内製化の強みをどのように活かし、クライアント企業に価値を提供していくのか。また、DX市場でこの組織が目指す未来とは何か。
「INTECH」責任者である山田(CTO統括室 室長)、山口(DXコンサルティング本部責任者)鬼石(主席クリエイター)の3名が、組織設立の背景と今後の展望について語ります。
DX内製エンジニア組織の立ち上げまで
ー「INTECH」はDX事業における内製エンジニアの専門組織ですが、具体的にはどういった組織になるのでしょうか。
山田:「INTECH」は当社のDXコンサルティング本部で手掛ける案件のプロダクト開発を行う専門組織です。これまでの体制では、企画や開発ディレクションを自社で担当しながら、開発は外部のパートナー企業と連携することが主でした。
本組織を新設したことで、DXコンサルティング本部内で全てのモノづくりを完結できる環境が整います。そうすると、スピード感を飛躍的に向上させつつ、より高付加価値なサービスをクライアント企業に提供できるようになります。
私自身、これまでメディア事業やゲーム事業のプロダクト開発やグロースに数多く携わる中で培った経験を活かし、「INTECH」の立ち上げを「あした会議※」で提案。現在、責任者を務めています。
山口:これまでの体制では外部パートナーと協力することでそれぞれの専門性を活かせる反面、予め細かく要件を整理しないとスムーズに進行しないケースが少なくありませんでした。開発初期においては大きな不都合は無いのですが、当社の強みである「ローンチ後のグロース」を重視するフェースでは、柔軟で迅速な対応が求められます。
こうした背景から、開発組織の必要性を感じ、今回の新組織設立に至りました。「INTECH」によって、消費者の声に応えつつ素早く機能をアップデートしていく体制が可能となり、大きな強みを発揮できると考えています。
山田:その開発組織を社内で作ることが競争優位性となると思っています。まだ立ち上げ始めたばかりですが、すでに数十名のエンジニアが携わる予定です。

ー「INTECH」はどのような市場価値を創出できると考えていますか。
鬼石:サイバーエージェントが長年培ってきた独自の開発ノウハウやグロース手法を、クライアント企業に提供できると考えています。
私は13年前に入社してから「ABEMA」をはじめ複数のtoC向けサービスの立ち上げに携わってきました。そうした経験から得た プロデューサー・デザイナー・エンジニアが連携しながら高速でプロダクトを進化させる開発文化を「INTECH」にも適用していきます。
例えば「ABEMA」の立ち上げ時では、社長の藤田がプロデューサー、デザイナー責任者として私がいたのですが、メンバー全員が自分の分掌の責任を持ちつつ、一丸となって理想のアプリ像を追及しました。全員でレビューし合いながらスクラップ&ビルドを繰り返し、200個ぐらいのモックを作りながら一つひとつを試し、多くの気づきを得ることで品質を高めていけたのです。このような経験からオーナーシップを持って開発に取り組むことの重要性を体験しましたし、「INTECH」でもスピード感とチーム力を浸透させていきたいと考えています。
山田:さらに、「INTECH」では単なる実務的な開発にとどまらず、エンジニアがプロジェクトの上流工程に積極的に関わることを目指しています。プロダクトの改善案を技術者の視点から提案し、自らの手でものづくりを推進する。これこそ「INTECH」が提供する本質的価値です。
山口:既に同様の取り組みを行ったクライアント企業のアプリにおいては、登録率や継続率などの指標が飛躍的に改善し、AppストアやGoogleplayストアの無料ランキングでもTOP10に入るなど効果が出ています。
DXコンサルティング本部を立ち上げてから3年ほど経ちましたが、クライアント企業のサービスをサイバーエージェントサービスと同様の品質に高めることができたのは大きな自信になりました。この成功モデルをより多くのプロジェクトに展開し、市場全体へのインパクトを拡大していければと思います。

ーいま、4月の本格立ち上げに向けて取り組んでいることを教えてください。
山田:「INTECH」は2024年10月に新設されました。現在、支援対象プロダクトを複数選定しており、技術的なキャッチアップや分析を行い、開発を引き継ぐ準備を進めています。
また、エンジニアの中にはアプリ開発を専門としていなかったメンバーもいるため、実際にプロダクトを触りながら開発スキルを向上させています。
もともとゲーム事業やメディア事業でプロダクト開発やグロースに携わってきた経験を持つエンジニアたちなので、グロースのポイントを見極める力に長けています。そのため、アプリ開発のスキルの習得も驚くほど早いスピードで進んでおり、4月の本格始動に向けて確かな手ごたえを感じています。
山口:これまでDXコンサルティング本部は日本で約500社くらいの開発会社を見てきました。しかし、グロースに力を入れ、そのスキルを多く持つエンジニアが存在する会社は少ないのが現状です。
その中で「INTECH」のエンジニアは、グロースに特化したマインドとスキルを備えているため、私たちにとってとても頼もしい存在になっています。
鬼石:これまでも、同様の体制で内製開発を行ったクライアントのプロダクトが、グッドデザイン賞を受賞したり、AppストアランキングTOP10に入るなど高評価を頂いた実績があります。このような経験を踏まえると、内製開発がいかにクライアント企業の競争力強化に貢献できるかを実感します。
さらに「ABEMA」の開発で得た知見も「INTECH」を通じて活かしていけると考えています。自社でプロダクトを内製することで、品質の面でもパフォーマンスの面でも、マーケットで引けを取らないものを提供できることを証明し続けたいですね。

「INTECH」が目指す日本のデジタルサービスの未来とは
ー今後の展望を教えてください。
山田:「INTECH」を通じて、これからのエンジニアのあるべき姿を示せるような組織にしていきたいと考えています。現在、日本のDXは一定の進歩を見せていますが、まだアナログからデジタルへの変換に留まり、その先へ進めていない分野が多いのが現状です。
私たちは、より高いクオリティのプロダクトを、スピード感を持って提供し続けることが重要だと考えています。この取り組みによって、当社のクライアントには大きな価値を感じていただけていると確信しています。また、新たなプロダクト開発や新しいご依頼を通じて、まだ多くの可能性を切りひらけると感じています。
これまで私たちは、プロダクト開発や成長(グロース)支援の分野で数々の成功を重ねてきました。その経験とノウハウを存分に活用し、私たちが考える理想的なDXの形を社会に提供していきたいと思います。そして、次世代のエンジニアに求められる姿を、「INTECH」を通じて具体的に体現し、社会全体に価値を届けられる組織へと成長していきたいと考えています。
山口:デジタルプロダクトで一番大事なことは、単にプロダクトを作ることに留まらず、その後も継続してグロースさせることです。
サービスを成長させ続けるためには、グロースに集中して取り組める体制を整えることが欠かせません。特にクライアントビジネスにおいては、この体制が構築できるかどうかが、日本のデジタルサービスの発展を左右する重要なポイントになっていくと考えています。
「INTECH」が発足したことで、一気通貫したサイバーエージェントクオリティのサービスが提供できるようになりますので、最適なUI/UXを実現できる“ベストパートナー”として、より多くの消費者に愛されるサービスを数多く生み出していきたいと考えています。この取り組みを通じて、日本社会全体のデジタルサービス水準を引き上げ、さらには社会の発展そのものに貢献していきたいと思っています。
鬼石:私はこの組織の発足によって、日本の産業全体のデジタル化がさらに推進され、それが日本経済の発展にも寄与できると思っています。
これまで様々な企業のプロダクトを見てきましたが、日本の経済を支えるような大企業でも、プロダクトの開発やリニューアルの段階で止まってしまい、その後の「継続的な成長=グロース」に十分な力を注げていない現状を数多く目にしてきました。そこにこそ、大きな課題と改善の余地があると思います。
プロダクトの立ち上げは、あくまでスタート地点でしかありません。そこから絶えずグロースを続け、UXを常に進化させることで、初めてそのプロダクトが真に選ばれる存在となります。「INTECH」では、サイバーエージェントがこれまで培ってきた強力な内製ノウハウを最大限に活用しながら、日本国内におけるデジタルプロダクトの品質を根本から引き上げていきたいと考えています。
この取り組みは一朝一夕で実現できるものではありませんが、時間をかけて着実に結果を出していけたらと思っています。
※「あした会議」:https://www.cyberagent.co.jp/way/list/detail/id=27411

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