研究開発組織「AI Lab」ー企業競争力の源泉ー

設立から9年を迎えた、サイバーエージェントの研究開発組織「AI Lab」。広告業界では類を見ない約100名の多様な領域の研究員が所属し、日々最先端のビジネス課題の解決と学術貢献に取り組んでいます。
これまでにAI研究をリードする企業として日本4位、世界49位にランクインした実績もあるなど、国内トップクラスの企業研究所としてサイバーエージェントの競争力を牽引する研究組織。その実態に迫ります。

AI Lab 紹介資料
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国内トップクラスのAI研究力
企業研究所ー。グローバルの成長企業は、多くの額を投資し研究開発を進めながら、潜在的利益がある領域で中長期的なビジネスを構築しています。日本においても近年では、特に新興IT企業やベンチャー企業が研究組織を創設することが増えています。
AI Labは2016年に発足したサイバーエージェント独自の研究開発組織です。国内の広告企業においては最初期に誕生した研究組織で、デジタルマーケティング全般に関わる幅広いAI技術の研究開発を目的に設立されました。
2025年4月時点では、約100名(うち約65%が博士号取得者で構成)と、広告業界では類を見ない数の専門知識を持つ研究員が在籍しており、これまでにNTTや富士通に続きAI研究をリードする企業として日本4位、世界49位にランクインした実績があります。(※国内広告企業では唯一のランクイン)
経済学・グラフィックス・クリエイティブ・接客対話・行動理解の5領域における研究を進めており、サイバーエージェントの企業競争力を高めています。



社会実装連携は年間約150件
研究の応用によりサービスの効果倍増へ
社会実装とは、「研究で得られた新しい知見」を企業が提供するサービスやプロダクトに活用し、実際に役立てることです。一般的に研究をサービスに応用することは難しく、プロジェクトの規模によっては1件の社会実装に数年の期間がかかることもあります。
AI Labでは、事業とスムーズな連携をとることで自社サービスへの社会実装を積極的に行っており、年間で進行中の社会実装プロジェクトは150件を超えます。
直近では研究とビジネスを繋げ社会実装を加速させる「AI Strategy & Planning室」がAI Lab内に立ち上がるなど、研究領域を超えたコラボレーションやより多くの連携を実現しています。
このように研究内容を実サービスに応用することで、広告効果が2倍以上になった事例もあるなど、サービスの性能向上に大きく寄与しています。広告配信サービスのほか、極予測シリーズやAIタレント・ロボットによる遠隔接客など、実装済みのサービス領域は多岐に渡ります。また「ゲームAI Lab」「アニメーションAI Lab」の設立や「ABEMA」との連携も進めており、広告領域で培った研究開発力をエンタメ領域にも広げています。

大学との共同研究で研究開発力を強化
数億円規模の成果も
AI Labは、最先端の研究を行っている大学との共同研究に積極的に取り組んでいます。この産学連携は、大きな相乗効果を生み出し、実際に共同研究の成果をプロダクトに実装した結果、数億円以上の収益に貢献するなど、目覚ましい成果を上げています。
現在、AI Labは約45件の産学連携を実施しており、特に広告領域においては、国内トップクラスの研究室と連携しています。大学との密接な関係構築により、常に最新の知見を取り込み、イノベーションの創出を加速させています。
共同研究において、AI Labは大学側からも高い評価を得ています。「研究開発の現場とサービスの現場が近く、フィードバックが速い」ことや、「高い技術力があり、着実に共同研究が進められる」ことが評価されています。こうした大学との迅速な意思疎通ができる専門性と確かな技術力こそが、AI Labの強みであり、共同研究の成功を支える基盤となっています。

世界中の権威ある学会で年間約85本の論文が採択
日本トップクラスの研究組織、それを裏付けるのが、論文採択数です。
学会に論文が採択されるというのは、その分野において新しい発見/手法を生み出せたということ。それをAI Labは続々と生み出せていることです。
AI Labでは広告における研究に関わる各学問、研究領域において、世界で権威のある国際学会等で発表しています。去年は87本もの論文が採択されました。
(※2024年1月-12月までの年間の査読採択数87本)
企業の飛躍の要となるR&D
研究組織が企業にとってもたらすメリットは多岐にわたります。
例えば新たな収益源を生み出すこと。
現に広告領域では、研究によって開発された新しい技術やアプローチが、サービスの性能向上・機能拡大に繋がり数億円以上の売り上げにつながるケースも出ています。
また新領域での研究を先行して行うことで、市場の未開拓領域に進出しスピード感高く事業機会を生み出すことも実現しています。2023年には早期に独自の大規模言語モデルを公開するなど、いち早くR&D領域において先行し研究できていることが企業競争力につながっています。
これが実現できるのは、技術者・ビジネス・役員(経営意思決定者)が三位一体となり高いレベルでチャレンジが可能な体制が作れているからです。この体制を作り上げるのは並大抵のことではなく、入り口から苦戦する企業が多いのが実態ですが、当社では約10年前と早期から組織作りに注力しており、現在の研究体制が実現しました。
事業との距離が近く速いサイクルで研究・開発ができることが、大きな武器となっています。AI Labは今後も、「研究を通して価値を作る」ことに本気で取り組む研究組織として、社会の期待に応えていきます。
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ABEMAにおける生成AI活用の現在地──生成AI時代の開発とエンジニアの成長戦略

新しい未来のテレビ「ABEMA」では、サービスの成長とともに開発体制も進化を続けています。近年では、コンテンツ体験の向上や業務効率化を目的に、生成AIを活用した取り組みが開発局内でも進んでいます。
本記事では、プロダクト開発部門で生成AIの導入を推進してきたプリンシパルエンジニアの波戸と、レコメンド機能の開発を担うエンジニアリングマネージャーの菅にインタビューをしました。具体的な導入事例から現場での変化、生成AI時代のエンジニアに求められる学ぶ姿勢まで、「ABEMA」の開発現場における「生成AI活用の現在地」を聞きました。