【後編】高い満足度とロイヤリティ向上に繋がる社内施策の考え方「CAramel サイクル」

女性のキャリア

女性活躍推進組織「CAramel(カラメル)」は、2017年に発足した社内の有志メンバーで構成される横軸組織*です。
*所属部署やミッションの垣根を超えた社員で構成される、全社横断組織

サイバーエージェントで働く女性社員の課題に向き合い、これまでの6年間で数多くの施策を実施し、社内実績を積み上げてきました。

本記事では「CAramel」がどのように組織づくりを行い、満足度の高い施策を実施し続けられるのか、前編・後編にわたってご紹介します。【前編はコチラ】

これらの情報が、各企業の女性活躍支援・ダイバーシティ推進プロジェクトのご担当者や、有志メンバーによる組織運営の一助となれば幸いです。

CAramelサイクルとは

「CAramelサイクル」とは、参加者の満足度とロイヤリティが上がる施策を実施する際の考え方です。4つのステップを繰り返しながら施策のアップデートを繰り返していきます。

実際の施策進行方法をご紹介いたします。

①会社とのシンクロ

「CAramel」は、会社から直接指示を受けて活動をしているのではなく、まず幹部メンバーを中心に「CAramel」全体の活動方向性を大枠決定しています。

その後、会社の方向性とも齟齬がないように、担当役員との打ち合わせを経て最終決定をしています。ここで経営層とシンクロすることで、より会社全体にインパクトのある施策を実施することができます。担当役員とは半期に一度の打ち合わせを行うほか、メッセージツールで細やかな連携をとり、日々情報をアップデートしながら活動をしています。

施策自体に役員メンバーの参加を依頼する機会も多々あります。

【参考記事】女性社員が"自然と"活躍できる環境づくりを目指す。サイバーエージェントの女性活躍とは
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②時流&社員の声をキャッチ

経営層の考えを意識した上で、現場ではどのような課題が上がっているのか、世の中の流れはどうなのかといった情報収集を行います。

社員の声をキャッチアップする上で大切にしていることは、形式ばったヒアリングではなく、生の声を拾うということです。例えば普段の業務で関わりが少ない人事から「悩みを聞きたい」と面談を組まれた際に、自分の発言がマイナスに働くのではないかと本当の悩みを打ち明けられないケースも考えられます。

本当の悩みに寄り添い社員が長く安心して働く会社にするために、私たちがコミュニケーションを取りやすい同僚や直属の先輩後輩など、自然体で話すことができる関係性の社員から生の声を拾うことで、より社員のリアルな課題に向き合う施策を実施することができます。

また、声に出ていないニーズや実は気がつけていないニーズを汲み取るためにも、時流に敏感であるように意識しています。常に世の中が注目しているテーマ・温度感の把握や、社内に対する新しい問題提起ができることも重要だと考えているためです。

「CAramel」に所属するメンバー自体も、なるべく各管轄を網羅できるよう選出しており、自分達自身が感度高く声を拾ってくることを大切にしています。
 

③「CAramel」主導の施策実施

会社の方向性を知り、社員の生の声、時流をリサーチした上で、施策を実行していきます。上述の通り、会社や役員からトップダウンで実施する施策はなく、チームごとに自主的に取り組んでいることが特徴です。

例えば、安心して働く環境づくりを目指す「キャリア支援チーム」では、会社の「長く働く人が1人でも増えてほしい」という経営課題と、現場社員の「結婚・出産後も第一線で働き続けられるか」という悩みをもとに、「サイバーエージェントで働く女性社員のキャリアとライフプラン」にフォーカスをしたイベントを実施するなど、それぞれの課題を合致させた施策に落とし込んでいきます。

④参加者フィードバック

施策実施後は、イベント趣旨の理解と参加者の満足度を測るため、必ず参加者のアンケートを取得します。ここで大切なのは満足度を定量で取るだけではなく、参加者から引き出したい感情や言葉が出てくるかという点です。上記で例に出した「女性のライフプラン」に沿ったイベントの場合、アンケートで「長く働くイメージが湧いた」などのコメントが拾えた場合はイベントの成功を意味するなど、満足度の定量目標だけでなく、実施目的が実現されているのかをアンケートを通して振り返るようにします。

また、当日役員が参加していた場合には、必ず役員からフィードバックをもらい、それらをもとにイベントの振り返りと次回施策の改善に繋げていきます。

以上4つのサイクルを回すことで、参加者の高い満足度を生み、ロイヤリティ向上に繋がる施策を実施してきました。

事例1 女性社員が健康に過ごすための勉強会『プレコンセプションケアイベント』開催

サイバーエージェントでは、「CAramel」による発案のもと、2022年7月福利厚生に卵子凍結補助が導入されました。出産について現実的に考える30代前後の女性からの反応はあったものの、20代社員にとっては自分に必要な制度なのか実際にイメージしにくいという課題がありました。

プレコンセプションケアとは、現在の自分の身体の状態を把握し、将来の選択肢としての妊娠や身体の変化に備えて、自分の健康に向き合うものです。特に20代に知ってもらいたいという想いから「今話題の“プレコンセプションケア“って?~働く20代女性に知ってほしい、自分の身体と上手に向き合う方法~」というテーマでイベントを実施。さまざまなキャリアとライフプランの異なる先輩女性社員に登壇をしてもらい、プレコンセプションケアの考え方を普及させ、長く働くイメージを持ってもらうことを目的に実施しました。

普段なかなか話題にしづらいものの、女性社員が長く働き続ける上で是非知ってもらいたいこととして本テーマを取り上げ、参加者も多く大変好評だった施策事例です。
 

参加者の声

・今年26歳なので、まだ妊娠やその先のことを真剣に考えるのは早いのかと思いましたが、今向き合うことの重要性を今回の勉強会でとても学びました。

・ピルを使うことについてやAMH検査についてや婦人科へ気軽に行く事や卵子凍結など、20代などの若い人達にこれらを早い時期から行っていくのは当たり前というメッセージを伝えてくれたのはとてもありがたいと感じました。

・プレコンセプションケアという言葉自体馴染みがなかったので、このような事を学べる機会があって勉強になりました。自分の身体のことを省みたいと思いました。

事例2 サイバーエージェント全社の働き方を知るための冊子『CAreer view(キャリアビュー)』発行

サイバーエージェントグループは連結子会社含めると90社(2023年9月現在)と事業が多岐にわたっており、特に中途?社の社員から「サイバーエージェントグループ内の他組織・他職種の情報を拾いづらく、?期的なキャリアのイメージが湧きづらい」という課題がありました。「CAramel」はそこに着?し、プロパー社員・中途?社社員にかかわらず「新しいキャリアやチャレンジへの?歩を、ぜひサイバーエージェントの中で?つけてほしい」という思いのもと、全7部門89事業部の事業と働き方を紹介する冊子として『CAreer view』の企画・発刊にいたりました。

読者の声

・サイバーエージェントグループでのこれからのキャリアを考える上で役に立ちます!

・新しく入社した人向けのオンボーディング用に紹介するのに使えました。

・気になる部署の1日の流れがわかりやすく働くイメージが湧きやすい!

・業務内容も、どんな雰囲気かもわかり、異動してきた私も助けられました!

以上、前編・後編にわたって、「CAramel」の運営方法についてお届けしました。当社の取り組みが、各企業のご担当者や有志メンバーによる委員会を運営されている方々の参考になりましたら幸いです。

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