マネジメントも担うAndroidエンジニアが、気負わず役割を全うするために培った心構え

2023年9月14日から開催される、Androidカンファレンス「DroidKaigi 2023」に、サイバーエージェントは今年もゴールドスポンサーとして協賛します。
サイバーエージェントでは多くのAndroidエンジニアが各事業で活躍していますが、そのキャリアは実に多様です。国内最大級のメディアである「Ameba」でAndroidエンジニアとして活躍する纐纈は、同チームリーダーとしてマネジメントも担っています。責任やプレッシャーを伴うリーダーとしての役割に、肩肘張らずに向き合えるようになったきっかけを聞きました。
Profile
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纐纈雄士
2017年新卒入社。「Ameba」Androidチームリーダー。新しい未来のテレビ「ABEMA」のAndroidTV開発を経て、新規プロダクトの立ち上げを担う。2019年より「Ameba」に参画し、2023年1月より現職。
新規プロダクトの立ち上げにこだわっていた自分が、リリースから20年近い「Ameba」へ
── 現在の「Ameba」での役割を教えてください。
プレイングマネージャーとして、Androidの開発を行いながら、6名のメンバーをマネジメントしています。現在の主な担当は、AndroidとiOSの仕様差をなくすための、Kotlin Multiplatformを導入したネイティブアプリ開発の共通化です。「Ameba」はリリースから19年経つ歴史の長いサービスなので、現在の機能に加え、今後新たに追加する機能も共通のロジックを使えることが工数削減の面で非常に効果的だからです。
また、2023年4月にはOpenID Connectに準拠した認証機能の提供を行いました。
── 入社3年目で「Ameba」にジョインするまで、どのようなキャリアを積み重ねてきたのでしょうか?
入社時は新規プロダクトの立ち上げに携わりたいと思っていたのですが、自分の技術力にまだ自信がありませんでした。そこで、まずは優秀なエンジニアが多くいる環境でスキルを伸ばしたいと考え、「ABEMA」に配属希望を出しました。同チームで半年ほどAndroidTVなどの開発を担当した後、上長から声をかけてもらい、念願の新規プロダクトに参画することになりました。1年目で立ち上げに携われる機会はなかなか無いと思うので、非常にありがたい提案でした。これまで以上に裁量権を持って開発することが、自分自身大きな成長の機会になると考え、挑戦しました。
── 元々は新規プロダクトの立ち上げを志していたとのことですが、「Ameba」の運用を担当してから考え方は変わりましたか?
新規プロダクトの立ち上げ、いわば0→1にこだわっていた時には、とにかくものづくりに関わりたいという思いが強かったと思います。でもその後「Ameba」に携わって以来、運用でどのように数字を伸ばすのか、新たな機能をリリースしたことによって数字にどんな影響があったのか等、数字に敏感になりました。立ち上げ期はインストール数など分かりやすい数字を追うことが多いように思いますが、運用フェーズでは複数ラインで様々な開発が行われていることもあり、さらに分析のしがいがあると感じます。「Ameba」で開発しているからこそ、培うことができた視点の1つです。
また、新規プロダクトの立ち上げ経験が、今の「Ameba」での開発に活きていると感じることも多々あります。例えば、新規プロダクトは少人数のチームだったため、担当領域を超えた開発を担うこともありました。とりわけ、その時に培ったCI構築や設計部分のスキルは、現在「Ameba」で開発する上で大いに役立っていると思います。

休職期間に気付いた、失敗を次に活かすための “前向きな諦め”
── 現在プレイングマネージャーとして活躍していますが、以前からマネジメントへの興味があったのでしょうか?
正直に言うと、マネジメントに携わりたいとは思っていませんでした。マネージャーとして忙しくなるあまり、コードが書けなくなったり技術から離れなければならないという印象を持っていたからです。ただ、より良いプロダクトを提供したいという想いが常に根幹にあるので、そのための手段の1つとしてマネジメントが不可欠で、自分ができるのであればやろうと決めました。現在は、コードを書く時間もマネジメントに割く時間も半々なので、プレイングマネージャーを名乗っています。
プレイングマネージャーになって起きた一番の変化は、チームで大きな成果を上げる意識を持ったことです。今まではいち技術者として、個人でどんな開発をやり遂げたかという点に重きを置いていましたが、より広い視野を持って業務に取り組めるようになりました。
2022年からマネジメントも担当し、その後体制変更に伴ってAndroidチームのリーダーを務めています。自分が策定した育成戦略に沿って、トレーニーが期待以上の成長をしてくれた時は何よりも嬉しいです。
── チームリーダーになることに、不安やプレッシャーはありましたか?
リーダーを担当する前の約1年間で、先輩にマネジメントを教えてもらうことができたので、特に不安はありませんでした。気負わずに、自然体で働けているのは、休職期間に得た自分なりの心構えのおかげもあるかもしれません。
さきほどお話した新規プロダクトの開発に携わった後、体調を崩して半年ほど休職したことがありました。その時学んだのは、思い切って挑戦した結果失敗してしまったとしても、いさぎよく気持ちを切り替えることが大切だということです。リーダーのような役職は責任とプレッシャーを伴います。でも、ベストを尽くしても結果がついてこない場合には、「これだけ頑張ったんだから仕方ない」と思える心構えも必要だと知りました。厳しく、かつ精度高く日々の業務に向き合いつつも、できる限り自分を褒めてあげるよう心掛けています。これはもちろんプロダクトの運用や後輩の育成にも言えることで、メンバーやトレーニーには日頃から気持ちを切り替えることの重要性を伝えています。

今後も、プロダクト開発に携わり続けるために
── Androidエンジニアとして、「Ameba」やメディア事業、サイバーエージェントのどのような点に魅力を感じていますか?
サイバーエージェントは優秀なネイティブエンジニアが多く在籍しているので、所属部署を超えて、会社として知見を蓄積できるのが良いと思います。Androidエンジニア全員が参加しているSlackチャンネルがあるのですが、何か技術的チャレンジを行おうと思った際には相談を投げかけることが多いですね。担当プロダクトの知見をシェアするカルチャーが根付いているので、それらを教えてもらった上で、試行錯誤できる良さがあります。
「Ameba」の開発局について特に感じるのは、心理的安全性の高さです。全体の雰囲気が良いので気軽にコミュニケーションをとりやすく、余裕を持ったスケジュールで開発できる環境です。技術力に長けているだけでなく、自ら声を上げたりと、主体性を持って業務に取り組む人が多いと感じます。
── 最後に、今後のキャリアをどのように考えているか教えてください。
一貫してプロダクト開発を続けていきたいという目標があります。うまく時流に合わせながら、より良いプロダクトをユーザーに届けるため、技術力もマネジメントも向上させたいです。
また、現在進めている、Kotlin Multiplatformの導入をやりきることで、ネイティブアプリ開発の共通化が当たり前になっていく未来を実現させたいと考えています。「Ameba」はなにぶん長い歴史のあるプロダクトなので、古いコードがまだまだ残っている状況です。日々の開発を進める中で、合わせて改修を行っていくことで、さらに開発しやすいプロダクトに進化させていきたいです。
「DroidKaigi 2023」開催期間中、当社ではスポンサーブースを出展いたします。「Androidエンジニアが最もストレスに感じるタイミングは?」をテーマにアンケートを実施し、回答者にはストレスにちなんだノベルティをプレゼント予定です。そのほか、Android開発におけるサイバーエージェントの強みや、当社が展開する様々なプロダクトをご紹介します。
Android分野におけるDeveloper Expertsの毛受崇洋や登壇者のサウ スラジ クマル、原田伶央をはじめ、多くのエンジニアもブースでお待ちしております。ぜひお立ち寄りください!
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ABEMAにおける生成AI活用の現在地──生成AI時代の開発とエンジニアの成長戦略

新しい未来のテレビ「ABEMA」では、サービスの成長とともに開発体制も進化を続けています。近年では、コンテンツ体験の向上や業務効率化を目的に、生成AIを活用した取り組みが開発局内でも進んでいます。
本記事では、プロダクト開発部門で生成AIの導入を推進してきたプリンシパルエンジニアの波戸と、レコメンド機能の開発を担うエンジニアリングマネージャーの菅にインタビューをしました。具体的な導入事例から現場での変化、生成AI時代のエンジニアに求められる学ぶ姿勢まで、「ABEMA」の開発現場における「生成AI活用の現在地」を聞きました。