“女性にもエンジニアという選択肢を”
「Women Go College」でプログラミングの機会を提供

技術・デザイン

サイバーエージェントでは10月から12月にかけて、性自認が女性の方を対象に、Goのサーバーサイド開発について学べるインターンシップ「Women Go College」を開催します。
本インターンシップを企画した2人に、開催の狙いやその内容について聞いてみました。

Profile

  • 神谷優
    2008年新卒入社。Tech DE&I Lead及び子ども向けプログラミング教室を展開する子会社キュレオ ソフトウェアエンジニア兼プロジェクトマネージャー。2020年より女子及びジェンダーマイノリティへのIT技術・キャリア支援を行う特定非営利活動法人「Waffle」にてプロボノに取り組む。2022年、Google運営の Women Techmakers Ambassadorに選出。当社のTech DE&I Leadとして、社内のDE&Iカルチャーの醸成を目的とした様々な取り組みを進めている。

  • 宇都宮菜
    2018年株式会社CAM入社後、占いサービスの運用に携わる。2019年4月より技術人事本部へ異動。現在は新卒エンジニア採用担当として採用や内定者の育成に従事。

── まずは「Women Go College」について教えてください。

(宇都宮)
「Women Go College」は、Goやサーバーサイド開発の基礎、データベースを使ったAPI実装の習得を目標としたインターンシップで、名称の通り性自認が女性の方を対象に実施します。外部より専門の講師を招いた全10回のプログラムで、Goの言語仕様から、データベースを用いたWebサービス開発まで一連の流れを習得することを目標としています。

カリキュラムは、社会人向けに開催しているGo Academyを学生向けにカスタマイズしました。前半は基礎パートとして、Goの開発環境整備や言語・Docker・Database・Redis解説のほか、フレームワークやORM、 パフォーマンス、単体テストなどについて学んでいただきます。後半は演習に取り組んでいただき、最終日には成果発表会を行う予定です。

 本インターンシップではGoでの開発を行いますが、プログラミング経験があれば(独学や大学での授業も可)Goの使用経験や本格的なサーバーサイドの開発経験がなくても応募いただけます。

10月から12月の土曜日、全10回のカリキュラムで構成されており、基本的にはオンラインでの講義が中心となりますが、社員や仲間との交流会、成果発表会については、渋谷のAbemaTowersで開催予定です。

── 対象者を女性に限定した背景について教えてください。

(宇都宮)
実は当社がインターンシップの参加者を性別で限定することは初めての試みで、背景にはIT業界におけるジェンダーギャップの解消に貢献したい考えがあります。

サイバーエージェントでは、今年から開発組織におけるDE&Iを推進する「Tech DE&Iプロジェクト」が始動しました。2021年頃から有志によるDE&Iに関連した取り組みを進めていましたが、これらをグループ全体でさらに加速させるために、神谷がTech DE&I Leadに就任し、まずはIT業界のジェンダーギャップ解消を主軸に、当社開発組織におけるDE&Iの推進、女性がエンジニアを目指したいと思えるような啓蒙活動や機会の提供を行ってきました。

(神谷)
「2022年版 情報サービス産業基本統計調査(※1)」によると、日本のIT企業の従業員に占めるITエンジニアの女性比率は23.2%と、低い水準にとどまっています。大きな声で言えるようなことではありませんが、サイバーエージェント社内のエンジニア女性比率も平均以下という状況です。

この背景にあるのは、社会に理系やエンジニアという職業に対するジェンダーバイアスがあるからと言われています。「女性は理系より文系キャリアを選ぶものだ」という社会全体のステレオタイプがあり、親も本人も自然とそれを踏襲してしまうのです。実際、ICT関連の職業に興味のある15歳女子の割合は、OECD加盟国の中で最下位というデータもあります。

(宇都宮)
学生さんと話している中でも「エンジニアは男性が多いイメージがある」や「プログラミングは理系でない人にとってはハードルがある」などの声はよく耳にしますね。

(神谷)
そうなんですよ。現在のIT業界のエンジニア職において、女性が少ないことが、次世代にも大きな影響を及ぼしているのです。

経済産業省の調査(※2)によると2030年には最大79万人のIT人材が不足するとも言われています。エンジニアは時間や場所の制約が少なく、ライフステージの変化にも対応しやすい職種です。さらに給与水準も比較的高め且つ、人材が足りていないのに、目指す女性が少ない現実があります。労働人口の約半数を占める女性がエンジニアという職業を自分ごととして認識することは、経済市場にもプラスに働くのです。

エンジニア=理系=男性という社会全体の無意識なバイアスや、ロールモデルの欠如などが影響して、本格的にエンジニアを目指す機会が得られにくい現状もあると思います。だからこそサイバーエージェントとして女性がエンジニアを目指すきっかけ作りを提供したいと考え「Women Go College」を企画しました。

── どんな人に受講してほしいですか?

(宇都宮)
専任の講師が1から解説を行うのでGo初心者の方でも安心していただけるプログラム構成になっています。Goの開発経験は問いませんので、プログラミング経験があればぜひチャレンジしていただきたいです。

但し全10回のカリキュラムでサーバーサイド開発の基礎を習得していただくことになるため、かなりハードなインターンシップだと思います。「意欲」「好奇心」を持ってご参加いただける方をお待ちしています。

(神谷)
将来的にエンジニアを目指したい方はもちろん、将来の夢は決まっていないけれど、プログラミングに興味あるからチャレンジしてみたい、という方も歓迎です。文系出身だからついていけるだろうか・・・という心配も不要です。私自身もそうですが、案外文系出身のエンジニアは存在します。

(宇都宮)
「Women Go College」はインターンシップという括りで開催しますが、新卒としての入社をお考えであれば既卒の方も受講していただけます。サイバーエージェントでは、社会人として就業経験がある人が新卒採用にチャレンジできる「Re:Career(リキャリア)採用」を実施しており、2023年4月に新卒入社したエンジニア111人のうち、1割にあたる11人が「Re:Career(リキャリア)採用」で入社しています。前職はエンジニアリングと全く関係ない仕事に就いていた方が、独学で勉強をして入社に至るケースもあります。

(神谷)
今回は全10回のカリキュラムですが、基本的にはオンラインでの授業が中心になるので、首都圏以外に在住の方にもぜひチャレンジいただきたいです。2~3回程度オフラインで開催することも検討していますが、交通費支給に加え、お住まいの場所によっては宿泊場所も手配します。

── 現在はオンラインのカリキュラムやYouTubeなど、あらゆる手段でプログラミングを学べる時代ですが、「Women Go College」で学ぶからこその特徴はありますか?

(宇都宮)
実はこれまでに3回「GoAcademy」を実施してきているのですが、実際の参加者が評価してくれているポイントとしては2点挙げられます。

1つ目は、開発経験がある講師による質の高い講義です。体系的に学べることはもちろん、実際の開発現場でのユースケースが共有してもらえたり、また終日座学するわけではなく、自分たちで手を動かす時間も多いことが特徴です。独学だと学んだことをアウトプットする機会はあまり多くないと思うのですが、「Go Academy」では、講義で学んだことをテーマに仲間同士で意見交換をするなど、学びを言語化をする機会も増えるので、理解度も定着度も高くなるという声も耳にします。

2つ目は、同じ志を持つ切磋琢磨できる仲間が持てることです。共通の目標を持つ仲間ができることで、講義が休みの日にも、自主的に勉強会を開催するなど、切磋琢磨しながら成長していく姿をこれまでにも見てきました。「Women Go College」は同世代も多く集まる場になると思うので、将来の夢を語り合える仲間を見つけて欲しいと思っています。

(神谷)
また「Women Go College」では、受講者同志の交流の機会はもちろん、現役の女性エンジニアを交えたキャリア相談会なども企画しようと思っています。リアルな声を知ってもらうことで、それぞれのキャリアを考えるうえでのヒントになることを願っています。

── 受講を検討している方にメッセージをお願いします。

(神谷)
女性にとってエンジニアという職業は、正直まだマイノリティな存在ではありますが、今後は益々数も増えていくと思いますし、個人的にも自信を持ってオススメできる仕事です。時間や場所の融通も効きやすいので、ライフスタイルの変化にも柔軟に対応しやすいですし、収入も比較的高い水準の職種です。

(宇都宮)
社内で働く女性エンジニアを見てみると、ライフステージに関係なく活躍している方がたくさんいらっしゃいますし、エンジニアのスキルや成長に性差がないことを傍で見ていても感じます。

「Women Go College」はグッとスキルを伸ばせるカリキュラム且つ、将来のキャリアを考える良い機会になることは間違いないと思います。ぜひ多くの方のチャレンジをお待ちしています。

(※1)2020年版 情報サービス産業基本統計調査
(※2)経済産業省 平成30年「IT人材需給に関する調査」
 

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