期待されるロールのためにジョブチェンジし続けてきた10年、それでも自分らしさは忘れない

「決断経験が人を育てる」と考えるサイバーエージェントでは、主体性を持って決断し、自走しながらパフォーマンスを発揮するエンジニアが多く活躍しています。2013年に入社した松岡は、事業で成果を出しながらも、技術トレンドに合わせた自分らしいキャリアを構築するべく、10年のうちに何度もジョブチェンジの決断を重ねてきました。これまでの経歴や自身の考え、今後の働き方について聞きました。
Profile
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松岡 秀樹
2013年新卒入社。「アメーバピグ」「ピグパーティ」「OPENREC.tv」の開発にバックエンド、ネイティブ(iOS / Android)エンジニアとして携わった後、2019年よりマッチングアプリ「タップル」に所属。現在バックエンドを担当している。
事業への寄り添いが最も重要、ここぞという時にはこだわりを

── これまで「アメーバピグ」、「OPENREC.tv」、「タップル」と異なるドメインで開発に携わっていますが、開発環境に共通する要素はありますか?
どのチームに所属していても感じたのは、メンバーのサービスに対する熱意と、経営層との距離の近さです。それぞれのチーム内に必ずヘビーユーザーがいて、自分の体験をサービス運営に活かせる環境や、サービス理解を深めるために熱意を尊重する文化があると思います。「アメーバピグ」にはアバターサービスやかわいいもの作ることに誇りを持っているメンバーが多かったですし、「タップル」にはマッチングアプリを活用して結婚したメンバーがいます。良い意味で仕事とプライベートが繋がっていると感じました。
また、経営層との距離の近さについても、どの担当役員においても意思決定や目線が私たちにしっかり届く文化があります。1ホップ先に社長や役員がいるような感覚です。タップルの代表で、サイバーエージェントの専務執行役員である飯塚も、Slack上の自身の「times」(雑談チャンネル)でメンバーの意識を高めるようなコメントや日々の意思決定に関する背景、経営会議の議事録を頻繁に投稿してくれます。毎月末の締め会で戦略等の発表がある際にもコンテキストが分かっているので、より深く理解できてありがたいです。

── 入社当初はバックエンド、その後ネイティブを経て再びバックエンド、とジョブチェンジしていますが、経緯を教えてください。
事業への寄り添いを重視して、携わってきたサービスでその都度期待されるロールや技術にジョブチェンジしてきました。キャリアを考える上で、チームの中で人が足りていない領域にコミットすることや、技術やドメインのトレンドに適応することを大切にしています。
ネイティブからバックエンドにジョブチェンジした際には、各技術スタックが担う部分のスイッチに苦労しました。ネイティブはデータの見せ方でユーザー体験を向上させるためコンポーネントや画面・ルーティングの設計力が問われ、バックエンドは高スループットと自由度を両立するためのインフラ構成やデータベースの設計力が問われると感じました。開発や障害対応を通して、本番投入するまでに仕上げる重要性をひしひしと感じています。特にマッチングアプリはユーザー同士がデータを参照するため、データを即時に反映させる必要があります。例えば、利用規約に違反したユーザーやブロックしたユーザーを参照するデータから除くなどの処理は、一人一人によってデータが違うためキャッシュヒット率も低くなります。しかし、ユーザーの体験にも直結するため大事にしたい部分です。このようにマッチングアプリの特性を理解した設計力が求められると思っています。
様々なジョブに携わることで開発経験を積むことができている一方で、サービスが大規模化してくると、その領域のエキスパートと肩を並べるのは難しいと感じることもあります。
── エンジニアとしてのこだわり以上に、事業で成果を出すことに強い意思を持っているのですね。
ベクトルを合わせているだけで、ここぞというときは自分のこだわりを出すようにしていますし、自分らしさは持っているつもりです。過去を振り返ると、スマートフォンのネイティブアプリの時代が絶対に来ると思っていたので、大学生の時からネイティブアプリを継続的に作っていました。入社直後はまずは高トラフィックなサービスに携わったほうがいいという配慮から、アメーバピグのバックエンドとして配属されました。ただ、ネイティブアプリ開発に携わりたい気持ちがあり、主務を終わらせた上でネイティブアプリ開発について日々学びながら、自分の意思を表明し続けていました。その結果アバターSNSアプリ「ピグパーティ」の立ち上げやグロースに携わることができました。
プロダクト開発と同じように、新たなミッションに挑戦する際には初期設計を大切にしています。ベクトルが合っていないと、どれだけ努力しても成果にならないと考えているからです。中高時代に励んだ部活が、その原体験と言えるかもしれません。中学時代に軟式テニスを始めたのですが、ありがたいことに指導者に恵まれました。「素振りを何万回やったとしても、正しいフォームを身につけなければ良くない癖が定着するだけだ」と、一つ一つの動作や技術を丁寧に教えてくれました。その結果、始めてから半年で挑んだ大会で3位に入賞しました。幼少期に始めているプレイヤーに勝って入賞できたことは嬉しかったですね。この経験を振り返ると、正しい意識や習慣は技術につながり、きちんと成果を生むのだと今なら理解できる気がします。これこそまさにコンピテンシーだと思います。
タップルの男性エンジニア育休取得率は100%
── 以前、1ヶ月の育児休暇を取得したと聞きました。現在の働き方について教えてください。
子供の送り迎えやお風呂、寝かしつけなど、仕事以外はほぼ子供と過ごしているため、できる限り定時内で仕事を終わらせつつスキルアップもできるよう、工夫しています。タップルCTOの船ヶ山が「2度目はなるべく自分でやらない」とよく言っているのですが、1度目は自ら積極的に仕事を取りに行き、以降はメンバーに任せていくスタンスを心がけています。優秀なメンバーに囲まれているおかげで、スキルアップやワークライフバランスが同時に実現できていると思います。それが反映されているのか、タップルの男性エンジニアの育休取得率は100%です (※) 。
※2018年~2022年7月までの間に、育児のため1ヶ月以上の休暇・休業を取得した社員
第2子出産に伴い、1年間育児休業を取得する予定です。今は学ぶ時間が限られているので、育児休業の1年間は育児の合間にたくさん本を読んで新たな知識の習得に時間を使うと決めています。

── 最後に、今後の目標を教えてください。
「何をやるか」自ら考えて実行することです。今までは、既に見えている問題や課題に対して全力で取り組んできましたが、今後は未来を見据えた動きがさらに必要だと思っています。チーム作りや市場に合わせた技術スタックの再構成など、ジョブチェンジが手段となるような目的を捉えて、組織で立ち向かっていくための設計力や実行力を身につけていきたいです。
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新しい未来のテレビ「ABEMA」では、サービスの成長とともに開発体制も進化を続けています。近年では、コンテンツ体験の向上や業務効率化を目的に、生成AIを活用した取り組みが開発局内でも進んでいます。
本記事では、プロダクト開発部門で生成AIの導入を推進してきたプリンシパルエンジニアの波戸と、レコメンド機能の開発を担うエンジニアリングマネージャーの菅にインタビューをしました。具体的な導入事例から現場での変化、生成AI時代のエンジニアに求められる学ぶ姿勢まで、「ABEMA」の開発現場における「生成AI活用の現在地」を聞きました。