87%の社員が「働きがいがある」と答える環境を実現ーーCHO曽山が語るエンゲージメントを高める人事施策

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サイバーエージェントでは、社員の能力を活かすことが事業拡大の原動力になると考え、様々な人事施策に取り組んできました。その結果、「働きがいがある」と答える社員は87%※にものぼります。

2020~2021年に世界のグローバル企業へ実施されたエンゲージメント調査によると、「働きがいを感じる」と回答した割合は日本全体で56%と、世界平均を10ポイント下回る結果がある中、なぜサイバーエージェントでは働きがいがある環境を実現できるのか。常務執行役員CHO 曽山に聞きました。

※サイバーエージェント単体の数字
 

会社の目指す未来やパーパスと、自身の存在意義とのつながり。それが働きがいを生み出す。

ー当社では87%の社員が「働きがいがある」と答えていますが、その理由はどこにあると考えますか?

働きがいには「自分の存在意義を感じられる」ことが欠かせない要素だと考えています。社会全体が閉塞感を抱える今、自分の存在意義を感じ、明るい未来があると思えるか。当社の社員は、会社の目指す未来やパーパスに共感し、自身の存在意義との繋がりを感じているのではないかと推測しています。それが「働きがいがある」という回答に表れていると思いますね。

ー従業員のエンゲージメントを高めるために、人事としてどのようなことに取り組んでいますか?

適材適所を実現する組織「キャリアエージェント」がよく機能しています。社員のコンディション把握ツール「GEPPO」や社内異動公募制度「キャリチャレ」などの運用により、社員の能力を引き出し働きやすい環境の実現を目指しています。

「GEPPO」では、様々な質問に対し快晴・晴・曇り・雨・大雨の5段階で回答してもらいます。主観的な個々人のコンディションを天気図に置き換えて定量化することで、推移を追えて比較もできる。数値化しにくい定性的な情報を定量化すること、それが人事マネジメントでは重要です。

さらに、「GEPPO」の回答率はほぼ100%。社員が書いてくれたコメントには社内ヘッドハンターが基本的に全て返信しています。私も「GEPPOのコメント、ぜひ書いてね!」と社員に伝えていて、実際に私の名前を書いてくれたコメントには100%自分で回答しています。そうすると「曽山さんからレスがあった!」と社内でシェアされる。それを知った社員は「そこまで見てくれるなら私も書こう」と思ってくれるようですね。「打てば響く」状態をつくれば、社員は自然と応えてくれるんです。

社内異動公募制度「キャリチャレ」は、私が人事本部長になった2005年当時、あまり浸透していませんでした。異動したいと手を挙げるのはネガティブに思われるのではと、社員は不安だったようです。そこから「応募は絶対秘密にします」「異動が決まったら、人事からの提案だと伝えます」と全社に周知し、使われる施策になっていきました。現在は技術者の利用率も高く、応募者の3~4割を占めています。
 

社員一人ひとりを100点満点で活かすことが、目指すべき適材適所

ー次に、採用・育成に加え、活性化と適材適所を人事施策の重要な軸と定め、注力している理由について教えてください。

組織には目指す未来があって、その未来をつくるためには変化が必要です。未来の自分たちの姿にスムーズに変わっていくために、活性化というものがあると考えています。サイバーエージェントには「21世紀を代表する会社を創る」というビジョンがありますが、そこに到達するには、活性化によって変化を起こし続けなければなりません。

当社は各部署が様々な取り組みを実施し、スローガンやキャッチコピー、ポスター制作など創意工夫を凝らしています。そのクオリティと熱量には私も驚くほどです(笑)。こうして主体的に社員が活性化に関わる一番の効果は、変わることに慣れること。目標や戦略が変わってもシンクロしてくれる社員が多いのは、変化に前向きだからだと思います。

3ヶ月に一度、10名前後の社員が役員に向けてプレゼンテーションを実施
3ヶ月に一度、10名前後の社員が役員に向けてプレゼンテーションを実施

また、適材適所を重要視するのは、適材適所が実現すればするほど本人も楽しいし業績もあがるから。過去に「芸術的な適材適所を目指してほしい」と藤田からオーダーを受けたことをきっかけに、社員一人ひとりを100点満点で活かせる状況を目指しています。

特に、優秀な人材の「抜擢漏れ」には細心の注意を払っています。若手社員の才能発掘プロジェクト「ピカログ」では、推薦によって選ばれた社員が、社長や役員に対し自分の過去・現在・未来についてプレゼンテーションします。これにより、役員全員が一人の人を「寄ってたかって」議論できる状態になる。何かのポジションに候補としてあがったとき、「〇〇さんいいね」と共感が生まれると抜擢はスムーズに進みます。人材の発掘においてはこれがすごく大切なんですね。

人的資本を重視した経営

ーコロナ禍により働き方が大きく変わりましたが、「GEPPO」のスコアに変化はありましたか?

当社では、2020年より特定の曜日をリモートワークとする「リモデイ 」を導入し、出社とリモートの良さを活かしたハイブリッド型の働き方を実施しています。「リモデイ 」導入前と現在を比較すると、多くの項目で「GEPPO」のスコアが上昇しました。

まず、「関係性」の項目が上がったことには正直驚きました。「業務を進める上で上司や周囲と良好な関係性を築けているか」といった質問に対し、79%の社員が「晴れ」と回答。これは、働き方の多様性を認めたことで、社員の主体性を引き出せたことが大きいと考えています。リモートでは集中して仕事を進め、出社日は対面で話す時間をつくるなど、それぞれの良さを社員が上手に使い分けていますね。

また、出社の曜日を固定にしたことも重要なポイントです。若手社員が先輩に相談したくて出社したのに会えなかった、というのは本当にショック。出社とリモートを曖昧にせず、メリハリが効いていることが関係性づくりにプラスになったと推測しています。

続いて、「目標」のスコア上昇には「プロレポ」が寄与していると考えています。半年に1回、チーム全員で組織目標を決める取り組みですが、組織目標を理解すると自分の目標も決めやすい。2014年に開始した「プロレポ」は運用の改善を重ねて全社に浸透した結果、直近だと250件以上集まっていますね。

最後に、10ポイントと大きく上昇した「業務配分」は、無駄な会議が減って時間の短縮化が進んだ効果が出ているのではと思います。本当に必要な会議か、時間は適切かなど一つひとつが見直され、「会議の数が半分になった」という声も出ています。まだ改善の余地はあるものの、会社全体の生産性があがっていることは間違いないですね。

ーこのような様々な取り組みによって、働きがいのある環境をつくり出しているんですね。

最近、人的資本という考え方が広がっていますが、サイバーエージェントの競争力もまさにそこにあります。藤田が「素晴らしい人事アイデアは、優れた事業アイデアよりも価値が高い」と過去に話していましたが、社員がモチベーション高く挑戦し、生き生きと働くことを経営において何よりも重要視しています。今後も会社が目指す未来に向けて、社員の能力を最大限引き出し、働きがいのある環境を生み出していきたいと思います。

サイバーエージェントの人的資本に関する情報はこちらをチェック!

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【若手の育成】若手が“自走する”独自施策「YMCA」

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20代社員の成長を目的とした、育成施策「YMCA」。
若手社員を中心に部署横断の組織を作り、自主的にサイバーエージェントの未来に必要な様々な施策を行っています。
この「自分で考え、自分で決めて、自分でやる」というセルフ・リーダーシップの考え方に基づいた取り組みを、専務執行役員の石田は「絶好の成長機会」と話します。

若手社員の育成に「YMCA」がどう寄与しているのか、本組織の8期理事を務める上田の言葉から紐解きます。

※「YMCA」とは、ヤングマンサイバーエージェントの頭文字から。

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