安心・安全にワクワクする恋を楽しんで。
マッチングアプリ「タップル」が取り組む業界初の2つの対策

いまや恋活中の独身者の5人に1人が活用するほど広く一般に浸透してきたマッチングアプリ。一方で、マッチングアプリをきっかけに出会った相手から金銭をだまし取るなどの特殊詐欺の被害件数がこの1~2年で増加傾向にあるなど、安心・安全への対策は社会的にも強く求められています。マッチングアプリ「タップル」が取り組んでいる対策を担当者のインタビューを通してお伝えします。
目次
広まるマッチングアプリ、
一方でさらに徹底した安心・安全対策が求められる
業界初の2つの対策
「LINE電話サポート」・「連絡先交換禁止」
広まるマッチングアプリ、
一方でさらに徹底した安心・安全対策が求められる

2011年サイバーエージェント内定者時代に株式会社PITAPATを立ち上げ、子会社化。その後、新規事業の立ち上げなどを経て、2014年より株式会社タップルに参画。現在は、経営管理に従事。
ーマッチングアプリの普及に伴って、業界を取り巻く環境に変化はありましたか?
伊香賀:良い面でいうと、マッチングアプリがより一般的なサービスとして受け入れられ、気軽に利用してくださる方が増えたと感じます。ビジネス上でも一定の社会的な理解を得られてきた実感がありますね。
一方で、世の中全体でマッチングアプリを悪用した事件が増えているのも事実です。昨年2月には国民生活センターから婚活サービスをきっかけとした投資詐欺被害への注意喚起が発表されました。この1年でタップルとしてもマッチングアプリを代表する企業の一社として、消費者庁や経産省など行政機関と意見交換を行う機会が増え、業界の安心・安全の水準をさらに高めていく使命感を感じています。
タップルが安心・安全のNo.1水準を作っていくためにも、他社含めてすでに取り組んでいる基本的な対策から、さらに一歩踏み込んだ高い水準の対策を講じていく必要があると感じています。
業界初の2つの対策
「LINE電話サポート」・「連絡先交換禁止」
ー基本的な対策から一歩踏み込む、というと具体的に取り組んだことは何でしょうか?
伊香賀:まず基本的な対策は、立ち上げ初期から行っている24時間365日体制の投稿監視や、公的書類による本人確認、panasonic社の技術を取り入れた顔認証システムによるなりすまし防止のための本人確認の強化、「Media Data Tech Studio」と連携した不正利用者の登録防止などの対策に加えて、アプリ内でお客さまに向けた啓蒙活動を継続的に行っています。
大手マッチングアプリのほとんどは、「監視」、「本人確認」、「不正利用者の再登録防止」へ同様の対策を講じているかと思います。
タップルでは、この1年間で新たに安心安全ガイドラインとしてセーフティセンターを設置し、万が一相手とトラブルが起こった場合にLINE電話でカスタマーサポートへすぐに相談できるLINE電話サポートの提供を開始しました。また、昨年10月からは会う前の連絡先交換を禁止する旨を利用規約に追加し、これまでより一段階厳しいルールを設けています。

ーLINE電話サポートについて利用者の方からはどのような意見がありましたか?
後藤:定期的に行っているお客さまへのインタビュー調査で、実際にマッチングしたお相手と会う時にトラブルにあったらどうしようという不安を多く聞きました。トラブル件数をゼロにすることは難しいかもしれませんが、万が一のときにすぐに相談できる窓口を設置することで
デートに向かう時の不安な気持ちを軽減できればと思っています。

2014年サイバーエージェント入社。アメーバピグや新規アプリの企画・開発等に携わる。2018年より、株式会社タップルに参画。現在は、安心・安全施策の開発プロダクトマネージャーを担当。
万が一のトラブルという点で、自動車の事故対応と似ているように感じるのですが、お客さまが事前に具体的なトラブル対処法を把握しきることは実際にはとても難しいです。何かあったらセーフティセンターを見れば大丈夫!と、もしもの時のお守りのような存在として知っておいていただくことが大切かと考えています。
LINE電話サポートは提供開始から間もないため、まだサポートの存在自体を知らないお客さまもいらっしゃるかと思います。しっかり啓蒙活動を行って認知を強化していきたいです。他にも、サポート対応の時間帯の拡大など体制強化にも取り組んでいきたいですね。
ユーザビリティを犠牲にしないか?
議論を重ね、「LINE連絡先交換の禁止」を決意

2018年サイバーエージェント新卒入社。株式会社タップルのバックエンドエンジニアとして開発運用に従事。現在は主に安心・安全施策の一環として不正利用者の対策に取り組んでいる。
ー「LINEの連絡先交換禁止」は利用者にとってはかなり厳しいルールかと思いました。社内で議論になりませんでしたか?
後藤:普通にご利用いただくなかでも、マッチング後にLINEでのやりとりをすることがスタンダードな流れなので、お客さまへ与えるマイナスの影響は大きいだろうと懸念はありました。
伊香賀:他社でも前例のない厳しい内容でしたし、「本当にリリースして大丈夫か」という社内不安は大きかったと思います。ただ、マッチングアプリが悪用される事件の特徴として、LINEの連絡先を交換した後に被害に巻き込まれるケースが多いことは明確でした。タップル以外のサービスに移行されてしまうと、監視や通報機能が使えずその後のフォローが一切できなくなります。万が一のリスクを考えて「お客さまの安全を守ることが最優先」という結論にメンバーの目線が揃い、厳しい内容ですが実施する判断に至りました。
後藤:その代わり、他の部分でユーザビリティをカバーするための改善施策はすすめています。厳しいルールを設けた分の手ごたえはあって、事後の利用者調査では「会う前に連絡先を教えることが怖い」と感じる女性がもともと多くいらっしゃったことがわかりました。サービス側が規約として禁止にしたことで、連絡先の交換をせまってくる相手に対して断る正当な理由ができて助けられたとの声をいただきました。
テクノロジーの活用で不正利用者の早期検知を実現
ー昨年12月からは機械学習を利用した「『悪質スコア』の導入による不正利用者の早期検知システム」が導入されていますね。どのような対策か教えていただけますか?

中園:不正利用者の早期検知システムは、「Media Data Tech Studio」と協力して作り上げました。過去の違反者の行動特性をもとにユーザーの悪質度合いを判定する機械学習を用いたスコアリング機能で、過去に悪質な違反行為のあったユーザーのアプリ内での行動を分析することで、似たような行動をとっている疑わしいユーザーを早期に発見し、速やかに監視チームに報告できるようにしています。
怪しいユーザーを早期にあぶり出し過去の違反行為と照会することができれば、違反行為を未然に防ぐことができるようになります。
昨年12月から本格的に運用をスタートしていますが、新規登録後のいくつかの行動を分析するだけでも不正利用者全体の9割以上をスクリーニングできるレベルの網羅率に仕上がっています。
ーエンジニアの立場から、安心・安全への対策について意識していることはありますか?
中園:最近では、プライバシーの観点からユーザー識別のためのデータ取得が厳しく制限されています。そのような中でも、利用可能なデータをどうにか駆使して過去にアカウント停止処分を受けた経歴のあるユーザーと同一人物を判定する仕組みなどを構築しています。
どんなデータや機能を活用すれば対策に役立つかというアイディアはエンジニアにしか出せないものだと思うので、積極的に意見を出していきたいと思っています。
出会いって本来はワクワクするもの。
安心・安全の材料を増やしていきたい。
ー最後に、これからタップルが目指す姿を教えてください。
伊香賀:タップルは「オンラインの出会いを、当たり前に」というビジョンを掲げています。安心して利用できる恋愛のインフラを目指していきたいです。先日、お子さんを持つ社員から「自分の子供に自信をもってマッチングアプリをすすめたい」という言葉が出てきて、改めてそういう形を目指したいなと思いました。
中園:私は主に特殊詐欺への対策を担当してきたこともあって、悪質な業者を登録させない仕組みを構築して不正利用者を駆逐したいですね。そして、誰もが安心して使えるタップルを作って、タップルで出会ったことを堂々と言えるような社会にしていきたいと思います。
後藤:本来、人との出会いってワクワクするものだと思っています。安心安全の材料を増やすことでマッチングアプリに対する不安を減らして、お客さまがワクワクする時間を増やしていきたいです。

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