サイバーエージェント初となる不動産会社リアルゲイト。60棟以上のビルを再生させる、全く新しいビジネスモデルに迫る。

サイバーエージェントへ不動産会社がグループ入りー。
今年7月、リアルゲイトの参画は驚きをもって伝えられました。
競争力を失った古いビルを丸ごと再生し、スタートアップ企業やクリエイターのオフィスとして提供しているリアルゲイトは、どのように現在のビジネスモデルへいきついたのか。
さらに、全くちがう業界に身を置くサイバーエージェントと共通する点など、リアルゲイト岩本社長があますことなく語ったインタビューをお届けします。
都内で60棟を超えるビルを再生。自由度の高い魅力的なオフィス空間へ

ーまず、リアルゲイトを立ち上げた経緯を教えてください。
私はゼネコンなどを経験した後、土地の仕入れから企画・販売まで一貫して行いたいと思い、30歳の時に中小デベロッパーへ転職しました。
その会社では物件のプロデュースから販売も担うプロジェクトリーダーとして実績を積み、入社最短で執行役員に。しかし数年後、リーマンショックにより会社が債務超過に転落するという衝撃的なことが起こりました。当時私が担当していたのは、お台場に完成予定のレンタルオフィス「the SOHO」。その360室を超えるオフィス運営が宙に浮いてしまったんです。
完成間近だった「the SOHO」は、施工を担った建設会社が引き取ることになったものの、引き続き運営を担当してほしいと依頼されました。「こんなの君しかできないでしょ」と(笑)。それがきっかけで会社を立ち上げる決断をし、リアルゲイトが生まれました。

一級建築士。ゼネコンやデベロッパーを経て、2009年にリアルゲイトを創業。都市部を中心に競争力を失った築古ビルを再生し、スタートアップ企業やクリエイターのシェアオフィスとして展開。
ー古いビルを丸ごと改装して、クリエイティブなオフィス空間へ再生する、現在のビジネスモデルはどのように生まれたのでしょう?
「the SOHO」が話題になったこともあり、スタートアップ企業やフリーランスなどを中心にスモールオフィス※が流行ることは肌で感じていました。
でも、新築のオフィスビルは高いですよね。それに、スモールオフィスを探している人たちは、従来のようなタイルカーペットや蛍光灯の天井という画一的なオフィスを望まない場合も多い。
築年数が経って競争力を失ったビルなら、元の賃料が安いので適正価格で提供が可能だし、自由度も高いので魅力的なオフィス空間に改装することができる。いまは渋谷や青山エリアを中心に、都内で60棟以上のビルを手がけています。
※小規模オフィス。少人数の会社や事務所を立ち上げる場合に選ばれるケースが多い。

街の空気をつくる、他社が真似できない街づくり

ー12期連続増収を続けていますが、リアルゲイトの強みは何ですか?
最近色々な会社がシェアオフィスを提供していますが、運営は他の会社へ委託するケースが多いんです。でも、リアルゲイトでは日々の運営こそが重要だと考えています。
いま何が求められているかは、最前線で営業し入居者と関わっている我々が一番よくわかっています。それらの要望を反映し、新しいことに生かす。それをすごいスピードでやり続ける運営力が強みです。
あとは、古いビルを再生させる技術力。私自身も一級建築士ですけど、優秀な技術者を集めているので、耐震補強や増築など建物のバリューアップから対応できます。その上でクリエイティブなオフィス空間へ生まれ変わらせるのが、当社の独自性ですね。

ーリアルゲイトの運営力とサイバーエージェントの運用力。強みが重なるところがありそうですね。今まで手がけたプロジェクトで、特に印象に残っているものはありますか?
中目黒のシェアオフィス「THE WORKS」です。便利とはいえない場所ですが、建物がかもし出す雰囲気、エリア特性やニーズなどを総合的に考えてプロデュースした結果、瞬く間に満室となる人気物件になりました。さらに、周辺のビルもいくつかシェアオフィスにしたところ、やはり需要があって。そのうち、近くにお洒落な飲食店が進出してきたり、街全体が活性化し始めました。
そうやって街の空気をつくっていく手法は、リアルゲイトならではの、他社には真似できない街づくりだなと。築20年、30年と経った古いビルが街の中で価値を失っていくことに対して、アイデアと変化を加えることで新たな価値をもたらすことに、大きな社会的意義も感じています。
若い社員が挑戦すること、それを応援する風土を大切に

ークリエイティブな発想力を高めるには、どんなことが必要だと思いますか?
社員には、渋谷や青山など自社が物件を供給しているエリアで日常を過ごしてほしいと思っています。街並みを見て何が流行っているか感じたり、新しいお店を開拓することで感性も磨かれるし、その街を深く知るきっかけにもなる。福利厚生としてこのエリアに住む社員には住宅手当ても支給しています。
私もだいたい、毎日自転車で渋谷エリアを見て回っていますね。そればかりか、23区内はどこでも自転車で行ってしまいます(笑)。
ーリアルゲイトの社風や、カルチャーづくりで大切にしていることを教えてください。
若い社員がどんどん前に出て挑戦すること、それを応援する風土は大切にしていますね。私たちの仕事は、不動産業の中でも経験者が少ないビジネスモデル。未経験でも若くてやる気のある人を育てる方が会社の方針に合うと感じています。
採用で重視しているのは、コミュニケーション力や感じの良さ。チームを組んで物件を担当するので、スーパー営業マンよりもチームで成果をあげられる人が必要です。

ー若い社員が活躍する会社、チームワークを重視するという考え方は、サイバーエージェントと近い気がします。
一つひとつ地道に物件を運営するチームと、それを支えるまわりの社員がいるから成り立つビジネスなので、はたらく人がそのまま競争力になります。そういう意味では、社員を大切にするサイバーエージェントの文化と重なるところがありそうですね。
それに、藤田さんは同世代のヒーローですよ。「渋谷ではたらく社長の告白」は愛読していますし、会社を経営する上でも参考にさせてもらっている部分はたくさんあります。
それぞれの得意分野で、渋谷をより面白い街へ
ーサイバーエージェントと連携することで期待できるシナジーは何でしょうか?
まずはスタートアップ企業を支援するサイバーエージェン・キャピタルと協力できる部分が色々あると感じています。既に投資先企業がリアルゲイトオフィスに入居していますし、入居中のスタートアップ企業を繋げる福利厚生システムやワーケーションスペースの提供なども検討しています。
さらに、サイバーエージェントもリアルゲイトも、渋谷エリアに拠点を構えている。私たちはビルの再生を通じて、その街を活気付けることも目指しています。サイバーエージェントと得意分野は全然違いますけど、一緒に組むことで渋谷をさらに盛り上げていけるのではないか、という期待感はありますね。

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