理系研究者の私が、サイバーエージェントで企業研究員になって良かったと思う2つのこと

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#国際女性デー にあわせ、性別、年齢、固定概念などにとらわれず、自分らしく活躍する女性を紹介する本企画。

現在は男女比率に大きな差があると言われる研究職。
当社のAI技術の研究開発組織「AI Lab」で研究者としてキャリアを歩む大谷まゆが思う、サイバーエージェントに入ってよかったと思うこと、とは。

 大谷 まゆ   /    AI Lab リサーチサイエンティスト  
2018年に奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科博士後期課程修了後、サイバーエージェント入社。映像要約など動画のコンテンツ理解に関する研究に従事。
大谷 まゆ / AI Lab リサーチサイエンティスト
2018年に奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科博士後期課程修了後、サイバーエージェント入社。映像要約など動画のコンテンツ理解に関する研究に従事。

サイバーエージェントのAI技術の研究開発組織「AI Lab」に入って3年が経ちました。
入社以来、女性の社会進出でよく言われるような問題にも悩まされることなく呑気に研究をしています。
今のところこの分野の女性はまだ珍しいので国際女性デーの企画ということで自分が研究職として働くことについて話す機会をもらいました。
そこで、企業研究員としてサイバーエージェントの「AI Lab」に入る選択をしてよかったことをお話します。
女性のキャリア形成に、少しでもお役に立てたら嬉しいです。

研究に集中できる。自分が成長できる環境だということ

サイバーエージェントに入ってよかったことの1つ目は、研究に集中できる環境です。

私は現在、「AI Lab」で動画広告の分析や自動生成を目指した研究をしています。具体的には映像要約分野の調査や、大学の研究者と協力して言い換え表現の研究を進め、論文として成果を発表しています。

昨年は自然言語を使って映像から特定のシーンを検出する研究について分析した論文がBritish Machine Vision Conference (BMVC’20)にて採択されました。

学会の様子。
学会の様子。

デジタル広告のビジネスデータは学術研究で見かけるデータとはかなり異なっていて、テキストや画像、動画などが入り混じり編集された画像・映像データを扱います。
言語と映像など複数のドメインを対応づける技術の応用は非常に面白く、これから実社会で使われるアプリケーションとして考える上でもとても奥深いものです。

国内トップシェアの広告事業には、大量の実務データがあるので、それらを利活用し、ビジネス課題の解決に加えて、学術的にも意義があるテーマを研究できることにとてもやりがいを感じています。

幅広い事業を展開するサイバーエージェントだからこそ、多様な研究が行われていることも「AI Lab」ならではです。

私の研究テーマであるコンピュータビジョンはもちろんのこと、機械学習、経済学、自然言語処理(NLP)、人間とコンピュータの相互作用を認知心理学なども交えて研究するヒューマン コンピュータ インタラクション(HCI)など、多岐に渡る研究者が在籍しています。
昨年はNLPや経済学、推薦技術の研究に取り組んでいるメンバーと協力して、研究を進めてきました。共著論文は「The Web Conference 2021」などにも採択されています。「AI Lab」は異なる分野でも研究者間の距離が近いので、今後、このような異分野の研究者が一緒に取り組む学際的な研究を特色の一つにしていけたらいいと思います。
 

自分らしく働ける。自分の望むキャリアを築けるということ

2つ目は自分のペースで働けるということです。

「AI Lab」は企業の研究組織ですが、事業への即時的な効果のみを考えているわけではありません。広告分野への中長期的な視点から価値が期待できる活動は広くスコープに入ります。これまで、「AI Lab」ではプロダクトの改善から学術的な研究、OSS開発など多彩なアウトプットがあります。自分は主に産学連携を通じて論文執筆をしています。

目標はありますがノルマをこなすプレッシャーのような雰囲気はなく、比較的自分のペースで研究を進めることができています。研究は予測がたてづらいものなので、自分なりのペースで取り組める環境は研究者にとって無理がないと考えています。
 

現在、私自身は、育児や介護など、仕事に大きな影響を与えるライフイベントは経験していないのですが、あまり心配はしていません。ここ一年、リモートワークもすぐに定着し、組織の雰囲気として働き方も比較的柔軟です。
 

研究者を子どもの人気職業に

最後にすこし私自身のことをお話しておこうと思います。

私は子どもの頃から数学やプログラミングに特別な情熱があったわけではないですし、理工系に適性があったわけでもありません。
高校ではかなり文系型の科目を履修していましたし、大学も理工系の学部ではなく、特にこれといって分野を決めずに講義をとっているなかで情報系の話に興味を持ち、卒業研究としてコンピュータビジョンに取り組みました。
その頃からプログラミングやコンピュータビジョンの勉強を始めたので、理工系の研究者としては比較的遅いスタートだと思います。

その時々の興味で、あまり計画もなくやってきた感じですが、学位をとることができ仕事もあるのは、周りの人など、かなり環境に恵まれていたおかげだと思います。あとは時の運でしょうか。
 

最近はプログラミング大会で入賞した小学生の女の子が話題になったと聞きました。

彼女もそうですし、研究でも多くの学生が世界で活躍しています。小学校でもプログラミング教育が始まったようなので、彼女たちの活躍を身近に感じてもらって子どもの間で研究職に人気が出たらいいと思います。

今の子どもたちが社会人になるころには色々変わっていると思いますが、いつの時代も、自分らしく楽しみながら、様々なことにチャレンジしてほしいと陰ながらエールを送らせていただきます。
 

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