チームサイバーエージェントで挑んだ「CyberAgent Legit PV」がついに公開!

技術・デザイン

LED STUDIOを活用した制作の裏側を語る

2021年1月10日に開幕したプロダンスリーグ「D.LEAGUE」。 当社もチーム「CyberAgent Legit(サイバーエージェント レジット)」として参戦しています。

今回、「D.LEAGUE」の開幕に向けて、カムロ坂スタジオに設置された「LED STUDIO」※の最新技術を活用し、CyberAgent Legitのプロモーションビデオを制作しました。

「ダンス」と「技術」という新しいコラボレーションには、一体どんな思いが込められていたのか、制作の裏側はどうなっていたのか、プロジェクトメンバーが語ります。

※「LED STUDIO」 カムロ坂スタジオに巨大LEDウォールとLED照明を常設。CG映像とLEDライティング技術を組み合わせて創りだす、高精細なCG背景空間での撮影が可能に。

CyberAgent Legit in ”Virtual Shibuya” ー legitimate (feat. Legit)

新たな挑戦をカタチに「LED PV制作プロジェクト」

ーーーFISHBOYさんはダンスチームの監督としてサイバーエージェントに期待していたことはありましたか?

FISHBOY:監督としてサイバーエージェントと組むという話になったときに、僕は「ラッキー」だと思いました。メディアやスタジオを持っているという点はもちろんですが、1番大きいのはサイバーエージェントの社風として「挑戦を止めない」「失敗を責めない」というのがあるところ。そういった社風が、今からD.LEAGUEでやろうと思っている方向性と合っているのではないかと。D.LEAGUEを通して、サイバーエージェントと新しい挑戦をしていきたいなと思っていました。

  FISHBOY  /  CyberAgent Legit Director   
10代から数々のダンス大会で受賞、世界大会優勝の経験も持つ。その後、大ヒット曲「PERFECT HUMAN」で知られるRADIOFISHを結成、紅白歌合戦出場を果たす。プレイヤーとクリエイター、アンダーグラウンドとメジャーシーンを行き来する人気ストリートダンサー。2021年1月開幕の「D.LEAGUE」では、「CyberAgent Legit」の監督を務める。
FISHBOY / CyberAgent Legit Director
10代から数々のダンス大会で受賞、世界大会優勝の経験も持つ。その後、大ヒット曲「PERFECT HUMAN」で知られるRADIOFISHを結成、紅白歌合戦出場を果たす。プレイヤーとクリエイター、アンダーグラウンドとメジャーシーンを行き来する人気ストリートダンサー。2021年1月開幕の「D.LEAGUE」では、「CyberAgent Legit」の監督を務める。

ーーーどのような背景でカムロ坂スタジオ「LED STUDIO」でPV制作をすることになったのですか?

佐々木:私は6秒企画のFutureLiveグループで、最新技術を活用したクリエイティブ制作を推進する役割として、半年間「LED STUDIO」の立上げに携わってきました。
そのような中、「CyberAgent Legit」のデビュー時期と「LED STUDIO」ローンチのタイミングがちょうど同じ時期だと聞きました。「ダンスとコラボレーションしたらすごく面白いクリエイティブになりそう」と思い、スタート事例としてこのプロジェクトの立上げを決めました。

FISHBOY:元々、サイバーエージェントのIRチャンネルに公開された広告事業管轄のムービーを見ていて、ものすごくかっこいいと思っていました。最先端のクリエイティブテクノロジーを使った事業が気になっていたので、それと何かコラボレーションできたらいいなとは周りに話していたんです。

ーーー「ダンサー」のFISHBOYさんと初めて打ち合わせしたとき、どのような印象を受けましたか?

芦田:FISHBOYさんとは初対面でしたが、ダンサーの方というよりビジネスサイドの方という印象を受けました(笑)。ビジネスの状況を理解されつつ、クリエイターとしても作家性のあるものを尊重したい方なんだなと。
私たちも、せっかく「LED STUDIO」を導入したので、それを使って何か新しい、見たことのないものをつくりたいという思いがあったんですが、そういう部分もうまく汲み取っていただきました。皆でハッピーに作品作りをしようという思いを最初から感じていました。

「ダンス」と「技術」から生み出す新たなクリエイティブの裏側

ーーー「ダンス」と「技術」を掛け合わせてクリエイティブ制作する上で、大事にしたポイントを教えてください。

芦田:デジデジしすぎないこと、です。「先端技術」とスポーツという「身体技術」との掛け算は、面白くなると構想していましたが、あまりにデジタルライクすぎても、「身体技術」の素晴らしさが引き立たないのではないかと思いました。「身体技術」を最大限引き出すための「先端技術」の活用、という考え方を大事にしました。

佐々木:演出面では「LED STUDIO」を最大限活用することを意識しました。「LED STUDIO」での撮影は、グリーンバック合成をせずにそのままCG背景を映像に利用することができて、同時に演者へのライティングができるというリアルタイムでの演出力が大きな利点です。
「LED STUDIO」の空間内でベストな状態のダンスをしてもらったものを、ベストな動きで捉えるためのアングルについては、事前テストを行って研究しました。計算をして、計画をして作れるのは「技術」ですが、そこに計算できない「フィジカルな動き」を取り入れるのは難しくも面白かったです。

  佐々木 克典  /  6秒企画 FutureLive Group Creative Director   
2018年サイバーエージェント入社。入社前は1998年にニューヨークに移住し、デザイン制作会社のアートディレクターに就任。ラグジュアリーファッションブランドを中心としたグローバルキャンペーンを?がける。2006年の帰国後は幅広い業種の広告制作を手がけ、2015年からは大手エンターテインメント企業のコーポレイト全体のクリエイティブを監修。現在は6秒企画のFutureLive Groupで最新技術を活用したクリエイティブ制作を推進する。
佐々木 克典 / 6秒企画 FutureLive Group Creative Director
2018年サイバーエージェント入社。入社前は1998年にニューヨークに移住し、デザイン制作会社のアートディレクターに就任。ラグジュアリーファッションブランドを中心としたグローバルキャンペーンを?がける。2006年の帰国後は幅広い業種の広告制作を手がけ、2015年からは大手エンターテインメント企業のコーポレイト全体のクリエイティブを監修。現在は6秒企画のFutureLive Groupで最新技術を活用したクリエイティブ制作を推進する。

ーーーFISHBOYさんは「LED STUDIO」での撮影はいかがでしたか?

FISHBOY:「LED STUDIO」の空間に入ると、CG背景にあわせて照明が変化し、後ろの景色に適した光が自分にあたるんですよね。

興味深かったので、実際に照明操作されていた方をよく見ていましたが、コンピュテーショナルな作業をされていて、すごかったです。

あと、撮影時間が圧倒的に短縮されますね。これまで僕が経験してきたMV撮影は朝から入って次の日の朝に終わるという1日がかり。所要時間を理由に、制作工程を圧縮するために真っ白な白ホリスタジオで撮ることもありましたが、「LED STUDIO」ではシーンを妥協せずに撮影できたことがよかったです。

芦田:今おっしゃったように、時間や場所の制約なく、クリエイティブを追求出来ることが、技術を活用したクリエイティブ制作の良さだと思っています。例えば、ハワイの夕日をベストな天候で撮影したい場合、何日待てば出てくるんだ?とか。
これまでグリーンバック合成で実現してきたこともありますが、それだと撮った後CG制作会社が苦労していることが多いです。しかし、「LED STUDIO」での撮影ならば、工程を縮めて、よりクオリティ高い撮影が実現できるようになります。諦めなくていいことが増えたほうが作り手にとって楽しいですよね。
 

ーーー渋谷を背景にしたセットについてはどのような印象でしたか?

FISHBOY:メンバー8人の作品には僕の色がつかないように一線を引くようにしているんですが、今回に関しては「何この街~!」ってうらやましかったです(笑)CyberAgent Legitは「レペゼン渋谷」なので、それも表現できたことが嬉しかったです。

芦田:サイバーエージェントは渋谷にある会社なので、どこかのタイミングで渋谷を作りたいなと思っていたんです。
日本の方だけでなく、海外の方が見ても「これ渋谷じゃん」ってワールドワイドに気づけるような場所を作れたことが作り手側としては嬉しかったですね。
渋谷をモチーフにすることで、サイバーエージェントらしさも演出できたと思います!

佐々木:背景となった渋谷の風景は、6秒企画のメンバーが頑張って映像を撮影し元素材を用意しました!
 

技術と掛け合わせることでうまれる、ニューノーマル

ーーー今回「ダンス」と「技術」という新しいプロジェクトを通しての気づきから、さらにこれからの皆さんの展望を聞かせてください!

芦田:ここ半年間でファッションや音楽など、従来エンターテインメントとしても成立している業界の方と新しい取り組みをしてきました。
この掛け合わせをきっかけに、表現だけでなくて、新たな仕組みをも創っていける可能性があると感じています。

「ダンス」とのコラボレーションについて言うと、今回取り組みをさせていただくにあたってFISHBOYさんがおっしゃっていた「ダンサーを職業として成立させていく」というビジョンを知りましたが、例えばこういった設備を使ってダンサーの方が自身の作家性を実現していける場として、サスティナブルに業界を盛り上げていけるのではないかと思いました。

佐々木:今、オンラインライブやイベントの急速な普及によって、「見るスタンダード」がアップデートされています。
一方で、ダンスのようなリアルだからこそ感じられるフィジカルな動きなどもあります。双方の良さを両立し、正しく見てもらうための技術活用の研究を重ねていきたいです。

FISHBOY:「技術」でできたらいいなと思うことは「動きの資産化」です。「踊っているときの電気信号」を資産化し、他人がインストールできるようにして、理解してもらえるようにできたらいいなと思いました。例えば、スティービーワンダーがどうやってピアノを弾いていたのか?また身内のおばあちゃんの動きとかを残しておけたり。もう感じられない、見られないもの、を残しておけたらいいなと。

「D.LEAGUE」に関連して言うと、今回サイバーエージェントとこのプロジェクトをともにさせていただきましたが、この映像を見て、D.LEAGUEが1つのスポーツリーグであるだけでなく、こういった新しい創造物が産まれるということ、その意義に気づいてくれるダンサーが増えるといいなと思います。
今回サイバーエージェントがこの事業をこの場所で始めようとしている時期に、僕らCyberAgent Legitも始まっているという「始まりの時期がリンクしている」ということがすごくラッキーだと思いました。

撮影現場はこなれ感がなく(笑)みんながアツさを持っている現場で良かったですし、メンバーにとっても良い経験になったのではないかと思います。
プロジェクトの始まりの時期が一緒で、「技術」と「ダンス」という見せ方自体も始まり。
これから「どんどんこういうのが続いていくぞ、待ってろよ!」という、宣戦布告になるような映像になったと思います。

これからも楽しみにしていてください!
 

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