ABEMAの期待値を上げていくーーコミュニケーションデザイン室が描く未来

技術・クリエイティブ

新しい未来のテレビ「ABEMA」は、ドラマや恋愛リアリティーショー、ニュースなど様々なオリジナルコンテンツを制作・放送しています。そのコンテンツを広げるためのブランドプロモーションを担うのがコミュニケーションデザイン室です。責任者・佐藤洋介と廣川拓郎の2名に、仕事内容や今後の展望について話を聞きました。

コミュニケーションデザイン室の仕事とは?

ー 「ABEMA」のコミュニケーションデザイン室の仕事について教えてください。

廣川:コミュニケーションデザイン室は、「ABEMA」が掲げる“新しい未来のテレビ”というビジョンの実現に向けて、「ABEMA」やコンテンツの価値を顕在化させ、世の中に魅力的に伝えていくことをミッションにブランドプロモーションを行う組織です。具体的には「ABEMA」への期待値が上がるようなクリエイティブやプロモーションをインハウス(社内)で制作しています。直接視聴につなげるための運用広告ではなく、興味関心を惹くことができるクリエイティブを制作し、それが話題になるようなアウトプットを目指しています。

佐藤:「ABEMA」は“新しい未来のテレビ”というビジョンを掲げていますが、サービスだけでなくプロモーション自体も“未来のテレビ”を体現するものじゃないといけないと考えています。そのため、視聴につながる施策の実施だけにとどまらず、世の中に話題をつくったり、世の中の“イマ”を捉えることが「ABEMA」のブランドとしては重要です。世の中のコンテンツがもつ無限の可能性と魅力を存分に引き出し、日本、世界の人々に届け、広げていくために常に挑戦し続けることが重要だと考えています。

 

    佐藤洋介 
サイバーエージェント執行役員 / クリエイティブ担当  
 
大手印刷会社のWeb制作部門に新卒入社後、2012年にサイバーエージェントへ中途入社。スマホサービス立ち上げの最盛期からクリエイティブ組織の体制を確立させ、競争力となるクオリティを社内から生み出す礎をつくる。 2016年4月からCA初のクリエイティブ領域の執行役員に就任。「ABEMA」「AWA」など主にメディア事業のクリエイティブを監修。
佐藤洋介
サイバーエージェント執行役員 / クリエイティブ担当


大手印刷会社のWeb制作部門に新卒入社後、2012年にサイバーエージェントへ中途入社。スマホサービス立ち上げの最盛期からクリエイティブ組織の体制を確立させ、競争力となるクオリティを社内から生み出す礎をつくる。 2016年4月からCA初のクリエイティブ領域の執行役員に就任。「ABEMA」「AWA」など主にメディア事業のクリエイティブを監修。

ー チームの設立背景を教えてください。

廣川:私は入社1年目の2020年に、「ABEMA」の公式X(当時のTwitter)の責任者をしており、月額制の有料プランである「ABEMAプレミアム」を成長させるというミッションに向き合っていました。その時ふと、「タイムラインに知らないサービスの広告が急に流れてきても、自分だったら課金しないかも」と思ったんです。例えば、渋谷の街中で何度も出くわすポスターや、友人との話題に上がった広告など、事前に何かしらの接点があった上でXで見かけることで、やっとコンバージョンするのではないかと考えたんですよね。ただ当時はそういった認知や興味のきっかけになるプロモーション施策を考える専門チームが社内になく、上司に直談判をして設立に至りました。

ー 学生時代に、専門的なデザインを学んできたんでしょうか?

廣川:大学時代に広告研究会の映像広告チームに所属していて、映像制作を学んでいました。もちろんプロのデザイナーの方には及びませんが、ビジネス職(総合職)でありつつもAdobeなどの制作ソフトを扱うスキルがあるなど、ブランドプロモーションのミッションでよりマーケティング×クリエイティブという自分の強みが生かせるかなと考えました。

    廣川拓郎 
ABEMA Creative Center コミュニケーションデザイン室 責任者  
 
2020年サイバーエージェント新卒入社。入社後、「ABEMA」のマーケティング・プロモーションを行う宣伝本部にて公式X(当時Twitter)の責任者を担当。 
新卒2年次に宣伝本部とABEMA Creative Centerの合弁組織として、コミュニケーションデザイン室を設立、「ABEMA」の期待値を上げるブランドプロモーションのミッションに従事。
廣川拓郎
ABEMA Creative Center コミュニケーションデザイン室 責任者


2020年サイバーエージェント新卒入社。入社後、「ABEMA」のマーケティング・プロモーションを行う宣伝本部にて公式X(当時Twitter)の責任者を担当。
新卒2年次に宣伝本部とABEMA Creative Centerの合弁組織として、コミュニケーションデザイン室を設立、「ABEMA」の期待値を上げるブランドプロモーションのミッションに従事。

ー 現在のチーム体制について教えてください。

佐藤:廣川ともう1名の少数精鋭体制で、私はサイバーエージェント全体のクリエイティブを統括しながらプロジェクト毎のクリエイティブディレクションを担当しています。コミュニケーションデザイン室は事業戦略×ブランド戦略の「ハブになる組織」で、ドラマチームとして一緒に動くこともあれば、スポーツチームとブランディング戦略を設計するなど、さまざまなプロジェクトを横断しながらブランドプロモーションを担当しています。
 

コミュニケーションデザイン室のさまざまな実績

ー 具体的な実績を教えてください。

廣川:直近では、オリジナルドラマ『インフォーマ -闇を生きる獣たち-』(以下、『インフォーマ』)でさまざまな取り組みを行いました。プロモーション規模としても、非常に大きな取り組みを多数実施したほか、「ABEMA」として初めての取り組みもいくつか行っています。

たとえば、『インフォーマ』はタイでの撮影があったことにちなんで、渋谷のスクランブル交差点で出演者の方々を乗せたトゥクトゥクを走らせるという珍しいプロモーションや、コンセプトを変えた複数パターンのOOH広告の掲出を行い、その話題性をさまざまなメディアに取り上げていただけました。「直接的に視聴に繋がるのか?」ということだけではなく「世間にインパクトを残し、クリエイティブそのものを起点に話題を作る」という考え方で、「ABEMA」として新しい事例が作れたのではないかなと思っています。
 

ー 海外での展開事例はありますか?

廣川:2023年6月24の同日に日本で井岡一翔選手とジョシュア・フランコ選手によるボクシング・WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチと、フランス・パリで武尊選手によるキックボクシング『武尊 復帰戦 Impact In Paris』を、「ABEMA PPV」で独占中継した日のプロモーションが印象に残っています。2つは別々の大会なんですが、同日開催ということもあり「VS世界」というコンセプトを考え、「ABEMA」として海外初の事例となるパリでも実際にプロモーションできたのが印象深いです。

ー その他の実績

アベマ年末年始スペシャルWEEK

 2024年12月28日(土)0時から2025年1月5日(日)23時59分までの期間において、「アベマ年末年始スペシャルWEEK」と題して注目番組を一挙無料放送。東京・スクランブル交差点や大阪・道頓堀などで、大型広告を展開し、「ABEMA」全体の年末コンテンツを訴求。
2024年12月28日(土)0時から2025年1月5日(日)23時59分までの期間において、「アベマ年末年始スペシャルWEEK」と題して注目番組を一挙無料放送。東京・スクランブル交差点や大阪・道頓堀などで、大型広告を展開し、「ABEMA」全体の年末コンテンツを訴求。

強みは「コンテンツとの近さ」

ー 「ABEMA」のコミュニケーションデザイン室ならではの強みは何でしょうか?

佐藤:インハウスという点と、コンテンツと一番近い点だと思います。開局当初、初めてテレビCMのクリエイティブディレクションを任された時に、社長の藤田に期待されたのは「一番『ABEMA』の近くにいて、サービスを理解しているからこそ伝えられることがあるんじゃないか?」ということでした。それをきっかけにコアのアイデア、届けるための戦略など、目的を達成するためのコアな戦略部分を社内のメンバーで担うためにインハウス方針にしていきました。インハウスになったことで、プロデューサーなどコンテンツの作り手とも距離が近く、より良いコンセプトメイクやアウトプットができるようになったと感じています。
また「ABEMA」は企画、制作、配信、宣伝まですべてノンストップで行う組織体制で、さらにサイバーエージェントとしては広告事業やゲーム事業など複数の事業展開をしているため、社内でマルチメディア展開ができるということも大きな強みです。

ー 仕事の面白さはどんなところでしょうか?

佐藤:インハウスだからこそ、成功も失敗もノウハウとして蓄積することができ、今後のプロジェクトに活かしていける点だと思います。1つのプロジェクトをやりきって終わるということはなく、プロジェクトごとにでてきたノウハウを血肉化してきたため、組織としても強くなっている実感がありますね。インハウスということは全員が“「ABEMA」を成長させる”という共通の目的を持っており、成功しても失敗しても、全員で泣いたり喜んだりできるところが面白い点だと思います。さらにいい意味で、「誰がどこまでやる」という線引きに固執していないので、手を挙げれば越境して挑戦できる文化も面白い点だと思います。
 

コミュニケーションデザイン室の今後

ー 今後の展望を教えてください。

廣川:ユーザーにも業界にも、『「ABEMA」って面白いことやってるな』と思っていただけるプロモーションを展開していきたいです。ユニークな発信を続けていると、「いつも面白いことをやっている会社、事業だ」と認知されて、広告接触の質やCVRがどんどん向上していくと思うんです。そういう風に認知されるようになりたいですね。

佐藤:『「ABEMA」の期待値を上げていく』というところに尽きます。その実現のために、目的を持って最も効果的な方法でプロモーションをしていきたいです。自分たちが「これはイケている」と胸を張って言えるものを作り続けること、そして「ここまでやって結果がでなかったら仕方ない」と納得できるまで突き詰めることで、「ABEMA」の期待値を高めていきたいと考えています。

ー どんな人と働きたいですか?

廣川:「アイデアを生み出すのが好きな人」と一緒に働きたいです。実現難易度に対して諦めることなく、常にいいアイデアを実現しようと動ける仲間が増えると嬉しいです。また社外の制作会社の方々など、一緒に「ABEMA」の期待値を上げてくださるパートナーの方々との輪も広げていきたいと思っています。

佐藤:デザインや広告の知識・経験だけではなく、企画の上流から設計やデザインに携わりたい人が、コミュニケーションデザイン室に向いてると思います。あとはエンタメ好きな人も向いていると思いますね。「エンターテインメント」は、番組やゲームなどのコンテンツだけではなく、広く人の心を揺さぶるものだと思っています。自分が与える影響によって、人の心を踊らせることができる人とも一緒に働きたいです。
 

コミュニケーションデザイン室にご興味がある方は、こちらからご応募ください。

この記事をシェア

公式SNSをフォロー

  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • Line

記事ランキング

ABEMAにおける生成AI活用の現在地──生成AI時代の開発とエンジニアの成長戦略

技術・クリエイティブ

新しい未来のテレビ「ABEMA」では、サービスの成長とともに開発体制も進化を続けています。近年では、コンテンツ体験の向上や業務効率化を目的に、生成AIを活用した取り組みが開発局内でも進んでいます。

本記事では、プロダクト開発部門で生成AIの導入を推進してきたプリンシパルエンジニアの波戸と、レコメンド機能の開発を担うエンジニアリングマネージャーの菅にインタビューをしました。具体的な導入事例から現場での変化、生成AI時代のエンジニアに求められる学ぶ姿勢まで、「ABEMA」の開発現場における「生成AI活用の現在地」を聞きました。

Page Top