【対談】若い世代による若い世代のための出会い・恋愛・結婚応援の実現へ

2025年1月、香川県とマッチングアプリ「タップル」は、出会い・恋愛・結婚を希望する若い世代のニーズに応えるため、「出会い・恋愛・結婚応援に関する連携協定」を締結しました。
本記事では、香川県 池田豊人 知事と(株)タップル代表取締役 平松が、具体的なデータを交えながら、両者で連携して目指す若い世代への取り組みについて、対談を行いました。
香川県の少子化対策
平松:香川県における少子化の現状や取り組みについて教えてください。
池田知事:香川県の人口は、平成11(1999)年の約103万人をピークとして減少に転じ、令和6(2023)年12月の人口は約92万人と、平成12(2000)年以来25年連続で減少しています。
また、出生数も令和5(2023)年は5,365人となっていて、10年前と比べると3割以上も減少しており、私はなんとか出生数を増やしていきたいと取り組んでいるところです。
結婚に関しては、結婚を希望する方に対して県の運営する「かがわ縁結び支援センター」で1対1のマッチングやイベントで出会いの場をご提供しています。行政が結婚支援?なんていう声も聞かれますが、実際に利用されてご結婚された皆様からは利用してよかったというお声もいただいていて、今後も継続して取り組んでいきたいと思っています。
香川県とタップルの連携の背景
平松:今回なぜマッチングアプリ「タップル」との連携を行おうと思われたのでしょうか。
池田知事:先ほど出生数の減少についてお話しましたが、実は婚姻数も同様に減ってきています。これまで「結婚」や「婚活」の支援には取り組んできましたが、若い方の中には「結婚はまだ早い」「婚活と言われるとちょっと身がまえる」という声があると聞き、結婚支援も大事ですが、その前の恋愛とかそのあたりからじわじわっと温めていくことも必要なのではないかと思うようになりました。
また、最近の出会い方としてマッチングアプリが定着しているという環境の変化もあります。若い方の利用が多く、また「恋愛総量の最大化」を掲げているタップルさんと連携することで、恋愛やその先にある結婚に関心を持っていただけるのではないかと思い連携を提案させていただきました。

池田知事:「タップル」はこれまでにも自治体と連携していろいろな取り組みをしていますが、その理由を教えてください。
平松:私たちが運営するマッチングアプリ「タップル」は、「恋愛総量の最大化」をパーパスに掲げています。これまで9つの自治体の皆様と連携協定を締結させていただき、少子化問題や人口減少問題といった社会問題対策解決に向けて取り組んでまいりました。
2024年11月に公開された調査結果では、1年以内に結婚した夫婦のうち、「出会いのきっかけがマッチングアプリである」と回答したカップルは約30%にのぼり、職場での出会いや知人からの紹介を上回り、”夫婦の出会いのきっかけ”のトップ※1になっています。
この度、香川県の皆様との対話を通じて、少子化問題を本気で解決するためには、これまでの結婚支援に加えて、もっと若い世代へのアプローチが必要というご意見をいただきました。
「タップル」は20代前半がメインのユーザー層になるため、香川県における課題を一緒に解決していくことができると思い、連携協定を締結させていただく運びとなりました。
※1 出典:明治安田生命「いい夫婦の日」に関するアンケート調査(2024年11月20日)
若い世代による、若い世代のための施策へ
平松:今回、連携協定に基づく取り組みとして主に4点の取り組みを予定しています。
その1つとして「KAGAWA U-25 SESSION」の開催ですね。なぜこの企画を実施することになったのでしょうか?
池田知事:香川県では、結婚や子育てに関する価値観の多様化を踏まえ、若い世代の意見を積極的に取り入れ、 出会い・恋愛・結婚を応援する取り組みを強化していきます。
具体的には、25歳以下の若者を集めたセッション「KAGAWA U-25 SESSION」を開催し、 交流イベントの企画や、既存のイベントを参加者同士がつながりやすい場にするためのアイデア、効果的な発信方法などについて本音を聞かせてもらいたいと思っています。
企画の意図は「共感される方法で恋愛を応援したい」ということ。
というのも、世代が変われば考え方も違い、望むライフスタイルも違います。若者がいま何を考え、何を求めているのか答えは1つではありませんが、その感覚を大切にしていきたいなと考えています。
行政がこういう企画をするとどうしても固い感じになってしまいますので、ぜひここはタップルさんの明るいイメージで雰囲気を作っていただき本音を引き出していただけるようお力添えをお願いします。
平松:香川県さんとこの取り組みを検討していく際、どの年齢層に集まってもらうかというのは悩みました。年齢層を広げすぎないことで面識のない相手でも友達感覚で意見が出やすいのではないか。
また、初婚年齢が最も多い26~27歳より前であれば、直接的に結婚を意識しない自由な意見が出るのではないかという仮説で今回は25歳以下を対象にすることにしました。
このセッションの開催にあたり、こども家庭庁が2024年7月に行ったアンケート調査※2から、若い世代の出会い・結婚に対する価値観のヒントを得ました。
このアンケートから、私たちが恋愛・結婚をした当時とは異なる現代の若い世代の価値観が見えてきます。
※2 こども家庭庁 ウェブアンケート調査結果(速報)
https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/1841f10d-4f2f-4294-853e-f62b82c4df5a/27ac0a8d/20240826_councils_lifedesign-wg_1841f10d_08.pdf
対象者属性
調査対象:15~39歳の未婚/既婚の男女一般生活者
調査エリア:全国
調査期間:2024年7月8日(月)~7/22(月)
調査方法:インターネット調査
サンプル数:本調査 20,000ss回収(未婚の男女 18,000ss/既婚の男女 2,000ss)

昔と異なる現代の若い世代の価値観
平松:まず、結婚や子どもを持つことが当たり前という価値観ではなくなってきているというデータがありました。

その理由としては、「恋愛・結婚の優先度が低いこと」「結婚に対してネガティブな考え方をしている若者が多い」という結果が関係していそうです。

池田知事:昔は結婚するのが当たり前、結婚したら子どもを持つのが当たり前、という風潮があったので、それらをネガティブに捉えている人が多いというのは驚きました。
とはいえ、中立な意見を含めれば8割は結婚願望を持っているという結果も出ています。
結婚願望自体がなくなってしまったわけでは無いというのは、まだ希望を叶えるために私たちができることはありそうです。

池田知事:ただ、気になったこととしては、結婚したいという意思とは反対に、「行動を起こしていない人が多い」という結果が出ていたことです。
結婚の希望があるにも関わらず、特にアクションを起こさない人がとても多いですね。

平松:要因として考えられそうなこととして、恋愛経験のないことが、恋愛のイメージが湧かず行動をしていない、うまくいっていない理由ではないでしょうか?
アンケートでは、未婚者の約3割が恋愛経験がないと回答しています。
また、経済的な不安を抱えている人が多く、結婚して家族を持つことに対して懸念を抱いているのではないか?と思いました。

平松:このような若い世代が抱いている不安を、若い世代の力を借りながら解消する必要があると考えています。知事のおっしゃる「共感される方法での応援」というのは、まさにその通りだと思います。
出会い・恋愛・結婚を希望する若い世代がその希望を叶えられるような施策を、若い世代の皆様と共に創っていきましょう。

池田知事:昔とは大きく違うということがよくわかるデータでした。
このアンケート結果も参考に、「KAGAWA U-25 SESSION」ではより具体的に香川県の若い世代の考えていることを掘り下げていきたいですね。
例えばこんな企画なら行ってみたいという交流イベントを企画してもらったら面白いと思いますし、県が実施している様々なイベントが、参加者同士で自然につながっていける場になればさらに出会いが増えていくんじゃないかとも思います。
そのためには企画だけでなく発信の方法や内容も工夫が必要なので、その点も若い世代から知恵がいただけるといいですね。
平松:香川県は全国的にアートの県として知られているイメージがあります。ぜひこれまでとは一味違うクリエイティブな出会い・恋愛・結婚応援にチャレンジしていきたいですね!
池田知事:よろしくお願いします。
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