経営層のプロダクト構想を、数週間で“形”にする「プロダクト構想支援サービス」

サービス

ABEMA・タップル・ENEOS公式アプリの開発現場から生まれた構想と開発を分けないプロダクトづくり

DXが進む現代のビジネス環境では、高品質でユーザーが使いやすく、事業成長に繋がるプロダクト開発が求められています。こうした中、当社のDXコンサルティング本部は、経営者向けにアプリやWebサイトの構想を短期間で具現化する「プロダクト構想支援サービス」を提供開始しました。
本サービスを牽引するのは、自社サービス「ABEMA」「タップル」、また開発支援を手掛けた「ENEOS公式アプリ」において、多くのユーザーに支持されるプロダクト開発に携わってきたデザイナーたちです。
本サービスについて、DXコンサルティング本部の事業責任者 杉本、サービス責任者 原田に加え、当社主席クリエイター 鬼石、トップデザイナー 漆原、高木がその背景と想いを語ります。

構想から数週間で形へ。新サービス「プロダクト構想支援サービス」立ち上げの背景

杉本:多くの企業がプロダクトの「構想」と「開発」を分けて考える中で、私たちは最初から「同時に進めること」そのものをサービスにしました。
日々、クライアントからアプリやWebサイトのリニューアルのご相談を受けますが、そこでは共通したお悩みをよく耳にします。それは、経営的な背景や事業課題をふまえて戦略構築に時間をかけたにもかかわらず、いざリリースするとプロダクトが世に浸透しなかったり、ユーザーに使いづらい印象を与えてしまうというものです。また、ローンチはしたものの、その後の改修が上手く進まず、結局は全面リニューアルが必要となってしまったケースもありました。

こうした「構想からローンチまでの長期化」や「実装イメージのズレ」は、多くの企業が抱える課題です。特に、プロダクトの最終的な意思決定を担う経営層と、実装を担う現場との間に複数のレイヤーが存在する場合、構想の意図が十分に共有されないまま開発が進行してしまうケースも少なくありません。だからこそ、まずは早期に形にして認識を揃えることが重要だと考え、それを叶えるための「プロダクト構想支援サービス」を立ち上げました。  

杉本 駿介 DXコンサルティング本部 事業責任者
杉本 駿介 DXコンサルティング本部 事業責任者

原田:私たちはプロダクトをローンチした後に「グロース(成長)」させていくことを強みとしています。
サイバーエージェントは「ABEMA」をはじめ、「タップル」、「WINTICKET」など自社で開発したデジタルサービスを数多く運営しています。それらのサービスは経営方針や事業戦略に照らし合わせながら仮説を立て、高速でスクラップ&ビルドを繰り返すことで現在の品質にたどりつきました。
DXコンサルティング本部には、このようにマーケットと向き合いながらプロダクトを作り続けてきたナレッジが蓄積されています。
自社サービスで培った「ビジネス視点を落とさず、ものづくりをするカルチャー」を、クライアント支援にも応用できる点は、当社ならではの価値だと考えています。

杉本:当社のデザイナーたちは開発のスピードも速いですし、ビジネス実装した際の経験値も豊富です。
サイバーエージェントを代表するトップデザイナーたちが所属しており、技術の進化に対応しています。そのため、デザインモックの時点でクライアント企業からいただいた課題に対して「より良い体験」をご提案することができるのです。

原田:また、クライアント企業とのお打ち合わせには、DXコンサルティング本部所属のトップデザイナーが同席し、直接ヒアリング・提案をいたします。これが圧倒的な強さでもあります。

現在も不動産・航空・金融・保険・商業施設など幅広い業種のクライアントからお声がけいただいておりますし、本サービス利用後の満足度調査では平均満足度95%を記録しています。業界もプロダクトの形もさまざまですが、「ユーザーにとって良い体験とは何か」を起点にしながら、短期間でアウトプットに落とし込んでいけることが、クライアントから評価いただいているポイントだと思います。
※2025年6月~2026年1月の当社調査に基づく
 

原田 拓実 DXコンサルティング本部 CDO室 室長
原田 拓実 DXコンサルティング本部 CDO室 室長

ABEMA、タップル、ENEOS公式アプリ──現場で磨かれた3人の視点

漆原:私はマッチングアプリ「タップル」の黎明期から約9年間にわたり、主にUI/UX開発と向き合ってきました。
サービス立ち上げ初期、当時は、直接的な数値を伸ばす施策や新機能の開発が優先されていましたが、リリースから数年が経過したタイミングでユーザー体験の根本的な課題を解消するためのチームが発足し、技術者である私がリーダーに抜擢されました。

ミッションは「プロダクトの指標を維持しながら、クリティカルな課題を解消する」という難度の高いものでした。その一環として、会員登録を「1画面1問形式」に刷新する案を検討しましたが、当時は入力項目を1つの画面に集約するのが主流であり、画面遷移を増やすと離脱を招くという懸念から見送られる予定でした。
しかし、私たちは企画フェーズでの確度検証に時間をかけすぎるよりも、仮説に基づき迅速に形にして、市場の反応から最善の形を導き出すという機動力重視のアプローチに切り替えました。

結果は、当初の懸念に反して大きな成果となり、この経験から、「企画、デザイン、実装を並行して進め、効果測定に基づき迅速に最適化する」という流れが確立しました。私たちが提供する「プロダクト構想支援サービス」でも、このノウハウを活かし、クライアントの皆さんと「触れるもの」から得た学びを改善に生かす流れを一緒に構築したいと考えています。
 

漆原 裕貴 DXコンサルティング本部 DXDesign室 クリエイティブリーダー
漆原 裕貴 DXコンサルティング本部 DXDesign室 クリエイティブリーダー

高木:私はENEOS様のアプリグロースに約2年ほど携わっています。もともとENEOS様からもアプリ改善をもっと高速に進めたい、UI/UXのあるべき姿に対するプロフェッショナルからの提案が欲しいという要望を伺っていました。

ENEOS公式アプリは、決済やクーポン利用などが主要な機能です。ご支援を開始した際は、これらの基本機能の品質を高めるために、デザインモックを用いながら毎週のように改善案を検討させていただきました。完成イメージに近いものを見ながら意思決定を進めていくスタイルは、先方のプロジェクト推進にも役立ち、「手応えを感じる」というお言葉もいただきました。

この検討を進める上では、ご担当者の熱量も重要なポイントです。ENEOS様のケースでは、意思決定者の方が自らサービスを使い込み、経営目線とユーザー目線を行き来しながら対話してくださったことが、スピードと品質の向上に寄与しました。我々としても非常に貴重な経験でした。

鬼石:私は約8年間、「ABEMA」を含む10のサービス開発に関わってきました。
当時のサービス立ち上げは、事業責任者・デザイナー・エンジニアの3人だけというシンプルな体制で、試作と検証を繰り返し、スピード最優先で開発を進めていました。

当時の代表藤田(現:代表取締役会長)は「インターネットサービスを成功させるには、最速で出すか、最高の品質を作るか、どちらかしかない」とよく言っていました。無数の競合の中で勝ち残るには、圧倒的なスピードか圧倒的な品質で差をつけるしかない、という感覚です。

それでも多くの挑戦の中でユーザーに受け入れられず、シビアな現実を痛感することもありました。一度離れたユーザーに戻ってもらうのは容易ではありません。だからこそ「ABEMA」の立ち上げでは「新しいインターネットテレビをつくる」という目標のもと、最速かつ最高の初期ローンチを目指しました。毎週プロトタイプを作り、藤田と直接議論を尽くすことで高速開発を実現。立ち上げ初期においては、何よりも「ユーザーにとっての理想の体験」を突き詰めることに心血を注ぎました。

その結果、開局から10年経った今も続くプロダクトの基盤を作ることができ、グッドデザイン賞など高い評価をいただくことができました。意思決定者がプロダクトに深く関わり、技術者と直接議論しながら高速で開発を進めるスタイルこそが、成功の鍵だと考えています。
 

鬼石 広海 主席クリエイター、DXコンサルティング本部 DXDesign室 室長
鬼石 広海 主席クリエイター、DXコンサルティング本部 DXDesign室 室長

机上の計画から、「同じモックを見て話す」プロジェクトへ

漆原:意思決定者と現場の間に多層的な構造を持つプロジェクトでは、現場が試行錯誤の末に形にしたものが、初期の本質的な要件から乖離してしまうケースが多々あります。

そのため、意思決定者や責任者が重視する要素を初期に具現化し、全員で認識をすり合わせるプロセスが極めて重要です。現場で制作を担う我々デザイナーが、意思決定者と直接会話させていただくのは、その実現に欠かせない要素です。

高木:実際に検討を行う中で、率直に議論をすることに勇気がいる場面もあります。しかし、我々デザイナーはユーザーへの深い理解を経営と結びつけることが仕事であり、「どれだけ使ってもらえるか」という視点で正直にコミュニケーションを行うことが非常に大事です。提案時にいいと思うものは明確にお伝えしますし、ユーザー体験の観点から課題があると感じた際には、専門的な知見から全力で別案を提言させていただくこともあります。
時間が限られているからこそ、お互いに本音で話し合える関係性をどれだけ早く作れるかが、プロジェクト成功の鍵だと思っています。

高木 和真 DXコンサルティング本部 DXDesign室 クリエイティブリーダー
高木 和真 DXコンサルティング本部 DXDesign室 クリエイティブリーダー

鬼石:杉本が言うように、戦略構築と開発をわけると、実装時にはトレンドが流れてしまうこともあります。だからこそ私たちのスタイルはまずモックを作って、反応を見ながらブラッシュアップしていくものです。このやり方により、クライアントの方々からも「イメージがすぐ形になる」とご満足いただけ、議論の解像度も飛躍的に上がります。

あるプロジェクトでも数週間で議論を尽くし、高い満足度をいただきました。
ユーザー視点に立った改善サイクルを回し、アイデアを「使われる形」に落とし込んでいく。 これが本サービスの根脈にあります。

アイデアや構想を、ユーザーに届くプロダクトへと育てるために

杉本:私たちは、「構想」と「開発」を分けたままでは、ユーザーに届くプロダクトは生まれないと考えています。プロダクトの価値は、ユーザーの反応を受けて初めて形になるからです。プロダクトの最終的な意思決定を担う経営層の構想を、できるだけ早い段階で触れる形に落とし込むことによって、構想の意図と実装の解像度を揃えたまま開発を進めることができると考えています。

DXコンサルティング本部には、事業の成長を支えるプロダクトを形にする力を持ったデザイナーが数多く在籍しています。構想段階からスピーディーに形にすることで、そのアイデアが本当にユーザーに届くのかを早い段階で見極める。このサイクルが成長を大きく左右します。自社プロダクトで得てきた知見を還元し、「使われ続けるプロダクト」の選択肢を提示し続けていきたいと考えています。

原田:当社の支援を通じて、クライアントのサービスを使われ続ける状態へと育てていきたい。具現化に悩んでいる企業に、このサービスを届け、ユーザーにとって価値のあるプロダクトを一緒に作っていければと思っています。

※「プロダクト構想支援サービス」は、こちらよりお問い合わせください。  

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