「採用のゴールは、入社ではない。」AI時代を見据えた、サイバーエージェントの新卒採用・育成戦略

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AIの活用が急速に進み、新卒採用のあり方を見直す動きが広がっています。そうした中でも当社のビジネスコースでは、新卒採用・育成に変わらず取り組んでいます。
その背景にあるのは、自社のカルチャーに共感し、未来の事業を担う人材を育てることこそが、競争力の源泉だという考え方です。
内定者期間を"入社0年目"と位置づけた育成プログラム「ゼロスタ」や、AI活用力を育む「AIスタ」など、入社後の活躍まで見据えた取り組みを進めています。AI時代の新卒採用・育成について、人事本部 採用戦略室 室長の大久保泰行に聞きました。

Profile

  • 大久保 泰行 人事本部 採用戦略室 室長
    キャリアエージェントやタレントマネジメント業務を経て新卒採用領域を管掌。現在はビジネスコース新卒採用から内定者オンボーディング、入社1年目のフォローアップまでを一気通貫で統括している。

新卒採用は、事業とカルチャーを未来へつなぐ投資

ー AIの活用が進み、新卒採用のあり方を見直す企業も増えています。そうした中でも、ビジネスコースにおいて変わらず新卒採用を続けている理由を教えてください。

AI活用が進んだ現在でも、当社の競争力のコアは変わらず「人材」だと考えています。

事業をつくり、人を動かし、新たな価値を生み出す人材を育てていくことが、競争力につながると考えており、新卒採用は当社の成長を支える重要な投資です。

 私たちが事業を展開するデジタル領域では、若い世代がサービスのネイティブユーザーであり、ときには彼ら自身が市場をつくる存在でもあります。ビジネスを考える上で欠かせないユーザー視点を自然と備えているからこそ、若いうちから大きな裁量を持って挑戦できる環境があります。
実際に、入社5年目で中高生に人気の恋愛リアリティショーのプロデューサーを任される社員や、入社1年目から大型ゲームタイトルのプロデューサーとして、事業戦略の策定から大型コラボの推進までチームを率いる社員もいます。

もう一つ大きいのが、カルチャーの継承です。
サイバーエージェントが20年以上かけて築いてきたカルチャーは、事業成長を支える大きな強みです。新卒で入社した社員は、そのカルチャーを素直に受け止め、自分なりに解釈しながら日々の仕事で体現してくれます。
そうしてカルチャーが組織全体に浸透しているからこそ、経営の意思決定や挑戦する姿勢も自然と組織へ伝わっていきます。

変わらない採用基準「素直でいい人」と、AI時代により問われる想像力

 AI時代になって、採用基準は変わりましたか。

本質的な採用基準は変わっていません。

「素直でいい人」、つまり「変化対応力が高く、いっしょに働いていて気持ちがいい人」という考え方は一貫しています。
AIをはじめとする技術の進化によって、求められる能力や行動はアップデートされています。私たちのように変化の速い事業環境では、新しい技術やサービスを前向きに取り入れ、時代に適応していく姿勢がこれまで以上に重要になっています。
また、AI時代においては、他者や未来に対する「想像力」がより求められると考えています。
AIがさまざまな作業を担うようになる一方で、顧客やパートナー、チームメンバーとの関係性を築き、新しい価値を生み出すことは、人だからこそできる領域です。相手が本当に求めていることを想像し、対話を通じて本質を捉えながら、お互いに価値のあるものをつくっていく。
この力は、AI時代だからこそより重要になっていくと考えています。

「素直でいい人」という本質的な資質は変わりません。その中でも、変化を前向きに受け入れながら、相手や未来を想像し、新しい価値を生み出す力が、これからの時代にはこれまで以上に重要になります。
そうした資質を備えた人が、これからの時代に活躍する人材だと考えています。
 

採用のゴールは、入社後の活躍

ー採用戦略室では、一般的な企業の新卒採用チームよりも広い範囲を担当し、採用から内定後、入社1年目まで一貫して伴走しています。こうした体制にしている狙いを教えてください。

理由は2つあります。

1つ目は、内定者期間におけるキャリアや配属を見据えたオンボーディングが重要と考えるからです。
当社は事業の変化が非常に速いことから、特定の職種や領域に閉じた採用ではなく、総合職である「ビジネスコース」として一括採用しています。また、多様な事業領域があることから配属先の選択肢が多く、内定者期間に自分のキャリアを踏まえた配属希望を出せる状態をつくることが必要です。
そこで私たちは、内定者期間もオンボーディングの一部と捉え、「サイバーエージェントでどんなキャリアを歩みたいか」を考える機会をたくさん設けています。
内定者期間の育成にここまでコミットしている企業はまだ多くなく、入社前から大きく成長できることから、本人にとってもキャリアの大きなプラスになると考えています。

2つ目は、私たちは採用を「採用して終わり」ではなく、入社後の活躍を支えることまでが責任だと考えているからです。
採用を通じて経営成果に最大限貢献することを目指すなら、採用した人が入社後に活躍するところまで責任を持つべきです。
だからこそ、採用した本人を最もよく知る採用チームが、入社1年目まで伴走しています。そうすることで採用の責任範囲が明確になり、「どんな人が活躍するのか」という知見も蓄積され、採用要件にも還元できる。結果として、中長期でより良い採用につながると考えています。
 

「入社0年目」から始まるオンボーディング

ー具体的にどのようなオンボーディング施策を行っているのでしょうか。
 

オンボーディングは、大きく2つのフェーズに分けて設計しています。

1つ目は、採用から内定者期間までの「伴走期」です。当社では内定者期間を"入社0年目"と位置づけ、独自の内定者育成プログラム「ゼロスタ」を実施しています。
多様な事業や100以上あるキャリアパスの中から、「自分がどこで価値を発揮できるのか」を主体的に選択できる状態をつくることが目的です。
そのため、人事との面談やキャリア研修のほか、事業を横断して活躍する社員との接点も設けています。例えば、広告事業で成果を出した後にABEMAへ異動して活躍している社員など、多様なキャリアに触れることで、自分自身の可能性を前向きに描けるようにしています。
さらに、内定者アルバイトでは実際の業務を経験しながら社員との関係性を築き、各事業の動画コンテンツや事業部研修も活用しながら、自ら納得して配属希望を選択できるようサポートしています。

2つ目は、入社1年目の「後方支援期」です。 配属後はOJTを軸に実務を通じた育成が中心となるため、私たち採用チームは少し距離のある立場から伴走し、社員の業績向上や成長を阻む不安や環境のミスマッチといった「障害」の把握と解消に取り組みます。
コンディションを把握するための「GEPPO」の運用やフラットな人事面談を実施しており、回答内容は採用チームのみに共有されます。直属の上司には相談しづらい悩みも安心して話せる存在として、1年目の社員を支援しています。
また、GEPPOや面談で得られた情報をもとに、 目標設計の改善やトレーナーとのミスマッチの解消など、一人ひとりの状況に応じたきめ細かなフォローアップを行い、より活躍できる環境作りに取り組んでいます。
 

ーAI時代を踏まえ、内定者育成で新たに力を入れている取り組みを教えてください。 

ビジネスコースでは、2026年卒から入社時点でAIを実務で活用できる状態を目指し、 内定者期間のプログラムとして「AIスタ」を開始しました。

AIスタは、eラーニングや実践型ワーク「AIフレンドリークエスト」を通じて、生成AIの基礎から業務の自動化までを段階的に習得できるプログラムです。入社時点でAI活用を「当たり前のスキル」にすることを目指しています。
息をするようにAIを活用し、生まれた時間を新しい挑戦に使う。それをカルチャーにしていきたいと考えています。

AIは時流であり、社内でも活用が必須スキルになっています。
AIに親しんだ世代である内定者は成長スピードが非常に速く、実際に、AI教育を通じて未経験から自らAIエージェントを構築するまでに成長するメンバーも出てきています。
入社時点でレベルの高い新卒が入ってくることは、既存社員にとっても大きな刺激になります。
 

人に向き合う採用が、カルチャーと挑戦を育てる

ー AI活用が加速する中、今後の新卒採用や育成で大切にしていきたいことを教えてください。 

AI活用が進むからこそ、学生に対して人間的な価値を提供し、関係性を築くことに力を注いでいきたいと考えています。

そのため選考過程においては、多くの現場社員が学生と直接対話する機会を設けています。
そうした対話を重ねることで、選考が進むほど会社への理解が深まり、サイバーエージェントのファンになってもらえる採用活動であり続けることが重要です。
その結果として、「素直でいい人」が集まり、カルチャーが維持され、前向きな挑戦が生まれ、それを周囲が応援し、人が育ち、企業が育ち続けていくのだと考えています。

私たちは「21世紀を代表する会社を創る」ことを目指す会社です。
その実現には、新しい事業を生み出し続けるだけでなく、その挑戦を担う人材を育て、活躍し続けられる環境をつくることが欠かせません。
だからこれからも時代に適合しながら採用活動を続けていきます。
 

ー 最後に、これからサイバーエージェントへの入社を目指す学生や、AI時代に挑戦する若い世代へメッセージをお願いします。

AIに限らず、社会は変化し続けるものです。

インターネットが世の中を変え始めたときにサイバーエージェントは生まれ、スマートフォンの誕生とともにゲーム事業が、その後「ABEMA」が生まれました。

AIが登場した今、サイバーエージェントも第2創業期を迎えています。変化とともに人が育ち、事業が成長し、日本の閉塞感を打破して、21世紀を代表する会社を創る。
この先もずっと、そうあり続けたいと考えています。
世の中の変化を、事業と自分自身の成長の機会として楽しみ、ワクワクできる皆さんの挑戦を応援しています。

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