『FINAL FANTASY VII EVER CRISIS』1周年!大型IPタイトルを支える、若手クリエイターの奮闘記
~『FINAL FANTASY VII EVER CRISIS』クリエイター座談会~
(株)スクウェア・エニックスが企画・制作・運営し、(株)アプリボットが開発を行う「FINAL FANTASY VII EVER CRISIS(ファイナルファンタジーVII エバークライシス)」が、2024年9月で1周年を迎えました。
本タイトルを支える新卒2年目のクリエイター、3名にインタビュー。クリエイターとしてのこの1年を振り返ります。
Profile
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アプリボット/ UIデザイナー
清田 康貴
2023年新卒入社。東京都立大学大学院システムデザイン研究科インダストリアルアート学域卒業。学生時代は空間演出やインタラクティブアートに携わる。エンターテインメント業界を志望し、業務内容が幅広いという理由でサイバーエージェントに入社。 -
アプリボット/リードエンバイロメントアーティスト(背景モデラー)
杉本 侑也
2023年新卒入社。日本工業大学卒業。学生時代はプログラミングや映像編集など幅広く学ぶ。コロナをきっかけに趣味でCG制作をはじめ、サイバーエージェントが主催する「CG Grand Prix “3D Cross“ powered by CyberAgent」で入賞。その後インターンシップを経てサイバーエージェントに入社。 -
アプリボット/イラストレーター
山口 美菜子
2023年新卒入社。東京芸術大学デザイン学科卒業。学生時代はプロダクトデザイン、映像制作、UXデザインなど幅広いデザインを学ぶ。イラストに関わること、さまざまな人と関わりながらゲーム制作をしたいという理由からサイバーエージェントに入社。
大型IPに関わる若手クリエイターの奮闘
― 皆さんの職種と仕事内容について教えてください。
UIデザイナーとして、主に新機能の設計やディレクション、グラフィック作成などを担当しています。「ハイウインド」や「ギルド」といった大型アップデートの情報設計を手がけました。
イラストレーターとして、衣装や武器のデザイン、キャラクターのポーズや表情のレイアウトなどを担当しています。最近はアートディレクターとしてフィードバックやディレクションも行っています。
リードエンバイロメントアーティスト(背景モデラー)として、バトル背景やダンジョン・ストーリー背景、イベント背景などを担当しています。最近はチームリーダーとしてメンバーへのディレクションやパートナー会社との連携も行っています。
まさに挑戦の連続でした。配属直後から身の丈以上の仕事に挑戦させてもらえる機会が多くて。今では背景業務全般を任せてもらえるような立場になり、正直まだ気持ちが追いついていません(笑)
私も同感です。特にイラストチームが担当する衣装や武器のデザインは、多くのユーザーが興味を持つ部分なので、常に力が入った状態でしたね。そこから経験を重ねて少しずつユーザーに認めてもらえるようなクリエイティブをつくれるようになったと実感しています。
同じく奮闘の1年でした。UIデザイナーとしての経験のなさを痛感したり、ゲーム経験が少なかったので心地の良い設計づくりに悩んだりしました。ですが、大型アップデートをリリースできたのは非常に良い経験になりました。
上司やチームメンバーが手厚くフォローしてくれる環境があります。上司からは「自由にやってみてみよう」と言ってもらうことが多くて、気負わずに挑戦できます。
チームとしていいものをつくろうという体制がありますよね。みんな自分事のように一緒に考えてくれますし、具体的なフィードバックももらえるので、勉強になることばかりです。
― 『FINAL FANTASY VII EVER CRISIS』を担当すると決まった時、どのような心境でしたか?
ハイクオリティな3Dモデル、しかも世界中に多くのファンがいるタイトルのスマホゲームなので、奮い立つような思いでした。
私は重圧と覚悟を感じました。『FINAL FANTASY VII REMAKE』のCGのクオリティの高さに衝撃を受けていたので、それに負けないクオリティを出さないといけないと。でも同時に、歴史あるIPに関われる喜びも大きかったですね。
背景制作で、上流のレイアウトの段階から関わったことですね。ユーザーが移動操作をするタイプの背景の制作はプランナーがレイアウトを作り、それを元に背景モデラーが背景を作っていくことが多いのですが、上流から関わることで、より世界観に合った険しい道の構造や高低差の表現を提案することができ、ゲーム体験をより良くすることができました。
オペレーティブに専念するのではなく、一ゲームクリエイターとしてゲーム制作全体にコミットする姿勢が身につくきっかけとなった仕事でした。
1周年を記念したSNS用の2Dイラストを担当したことです。プロジェクトとしても初めての試みでしたが、構図、絵柄など1から自分で考え、ラフ画を描いて提案し、進めていきました。
2Dならではの面白さや、『FINAL FANTASY VII』としては最新シリーズであるこの作品の新しさをどう表現するかなどにかなり悩みましたね。一人で担当していたのでそのプレッシャーもありましたが、チームメンバーや先方にアドバイスをいただきながら試行錯誤して制作しました。
リリース後、SNSでの反響も良く、若手ながら重要なプロモーションを任されたことが印象に残っていますし、大きなやりがいを感じました。
ギルド機能(※)の開発をメインデザイナーとして担当したことが最も印象に残っています。この機能はゲームリリース以降一番の大型アップデートで、ユーザーに新しい体験価値を提供するために、視覚的にも要件的にもこれまでと全く異なるコンテンツであるというのを示す必要がありました。
特に苦労したのはギルドの世界観やコンセプトの設計で、入社1年目で何を決めたら何が決まるのかすらわからない状態だったのもあり時間がかかってしまい焦りもありました。ただ、上長から初めてのタスクだから分からなくて当たり前というアドバイスをもらい肩の荷が降りたのを覚えています。
リリース後、反響があったのはもちろんのこと、これまでの『FINAL FANTASY VII EVER CRISIS』ではなかったユーザー間のコミュニケーションを新たに生み出すことができたのは嬉しかったですね。これほど大規模なアップデートの設計に関われたことは、貴重な経験になりました。
― 制作する際に意識していることはありますか?
『FINAL FANTASY VII』の世界観を理解した上で、それをデザインに落とし込むことを意識しています。協業先の担当の方にも相談しながら、『FINAL FANTASY VII』の無骨なかっこよさを衣装や武器のデザインに反映させつつ、現代のトレンドも取り入れるバランスが重要だと考えています。
UIデザイナーとして、心地の良いUIづくりはもちろん、様々なセクションと議論して最適な解決策を見出すことを心がけています。誰にとっても100点のUIを実現するのはなかなか難しいので、メリットとデメリットを比較しながら決めていきます。大勢関わるプロジェクトだからこそ、責任の所在を明確にしつつ、円滑にプロジェクトをディレクションしていけるように努めています。
背景は画面の大部分を占め、世界観への没入度を高める要素なので、ユーザーにゲームを楽しんでもらうための工夫をしています。第一印象で世界観が伝わる色味や雰囲気にまとめつつ、じっくり見たときにその背景のストーリーが伝わってくる作りを心掛けています。
良いゲームをつくるのに年次は関係ない
サイバーエージェントで働く面白さ
― サイバーエージェントで働く面白さはどんなところにありますか?
若手を応援する文化が特徴的だと感じます。やりたいと手を挙げれば重要な仕事でも年次関係なく任せてもらえる環境があります。
年次関係なく良いアイデアを受け入れてくれる雰囲気がありますよね。チームメンバー同士でフォローしあう環境ですし、新卒育成にも力を入れていて、サポートは手厚いと思います。
自発的な人が多いですよね。なので、周りの頑張りに触発されてモチベーションを高く保つことができます。また、自分の意思さえ決まっていれば、それを応援してくれる環境があるのはありがたいです。
背景チームのリーダーとしての責任を全うしつつ、自分自身のスキルアップも怠らず、より的確で素早いディレクションができるようにしていきたいです。1年目で得た経験を活かし、チーム全体の生産性と品質の向上に貢献したいと思います。
ディレクションとしての立ち回りが増えてきましたが、まだまだ実力不足を感じる部分もあります。自己研鑽を続けながら、ゲームの魅力とクオリティを拡張していきたいです。
特に、UI/UXの観点からゲーム全体の体験を向上させる提案ができるよう、視野を広げていきたいと考えています。若手だからこそ、新しい視点や発想を積極的に取り入れていきたいです。
判断力や責任感を持ちつつ、日々のインプットの質と量を落とさずに成長を続けていきたいと思います。『FINAL FANTASY VII』の世界観を深く理解しつつ、新しい表現にも挑戦し、ユーザーに感動を与えられるようなアートワークを生み出していきたいです。
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