ABEMA エンタメDX本部長 藤井が登壇「立教人から学ぶメディアの世界」レポート公開
立教大学 全学共通科目(総合系)の授業「立教人から学ぶメディアの世界」にて、ABEMA エンタメDX本部長を務める執行役員・藤井が登壇し、ABEMAのビジネスやコンテンツづくりについてお話ししました。後半は、学生の皆さんからいただいた質問にお答えしています。内容の一部をご紹介します。
はじめまして、藤井と申します。2002年に立教大学経済学部経営学科に入学し、ゼミではマーケティングを学んできました。大学2年生の時からサイバーエージェントで学生バイトを始め、大学4年生の時には起業し、モバイルメディアの立ち上げなどを行いました。その後、2006年にサイバーエージェントに新卒で入社し、現在はエンターテインメント領域のビジネスを担当しています。本日は、ABEMAのコンテンツ戦略についてお話ししたいと思います。
“同時性”を大事にするABEMAのコンテンツづくり
2016年に開局した「ABEMA」は、「テレビの再発明」を目指し、「新しい未来のテレビ」を創ろうとしています。2022年には、新たなチャレンジとして「FIFA ワールドカップ カタール 2022」の全64試合の無料生中継を行いました。この素晴らしい国際大会を日本の1人でも多くの方に届けたいという想いと、「ABEMA」としてのサービスの格、ステージを一段階あげたいという想いから実施し、結果的に「ABEMA」がメディアとして確立するための大きな契機になりました。
「ABEMA」の年間売上は約700億円(※2022年通期決算発表より)ですが、収入源として広告・課金・PPV、加えて周辺事業などを展開しています。最近は、コムドットとのイベント『Creator Dream Fes』の開催について発表しました。「ABEMA」オリジナルの事前番組やグッズ販売など、一貫してアーティスト・タレントとのIPビジネスに取り組んでいます。
コンテンツづくりにおいて、大切にしている考え方の1つに“同時性”があります。個々に合わせてパーソナライズされたコンテンツをレコメンデーションで届けることが良いともされますが、実は皆が見ているものを同時に見ることがトレンドやスターを生みだすことに繋がっているという考えです。Twitterのトレンドで活発化していることや渋谷の街が賑わっている様子など、“同時性”を感じますよね。“同時性”で多くの熱狂を生む、これが経済効果を生むことに繋がるのですごく大事なことだと思っています。
ABEMA流コンテンツ戦略でコアファンから流行を生みだす
今までの映像コンテンツは、面白いものを作れば皆が見るという考え方が主流でした。どのようにコンテンツを見てもらうかという視点は、比率で言うとコンテンツ力8に対し、マーケティング力2くらいだと思います。
しかし、最近では、面白いだけではコンテンツが埋もれてしまうことも多いんです。そこで、「ABEMA」ではコンテンツ力5対マーケティング力5と同じくらいマーケティングも重視しています。
例えば「ABEMA」で配信している「オオカミ」シリーズを観たいと思ったときに、「ABEMA」のアプリを立ち上げて、検索して・・・と、コンテンツにたどり着くまでいくつかステップが発生します。それをしてでも観たいと思わせるような「観る前から面白そう」と感じる企画づくりと、その情報を多くの方に広く届けるマーケティングの両方を大事にしています。
さらに、最近のNetflix作品や韓国のテレビ番組は、日本の地上波番組の10倍くらいの費用をかけて制作していて、クオリティが高く、面白くて豪華なコンテンツでなければ、ヒット作品は生まれにくい時代になってきています。これからはコンテンツ力10:マーケティング力10でやるくらいでないとなりません。
流行づくりにおいてPPVで生中継した「THE MATCH 2022」を通じて改めて分かったのは、「まずはコアファンに仕掛けて部分的に流行らせないと、絶対に流行なんて起きない」ということです。
コアファンは誰なのかとターゲットを明確にしていくこと、どうやってコアファンに動いてもらいたいかということのストーリーを作っていきます。そして、コアファンのリアクションを見て、ライトファンまで届くと確信出来たら、世の中事化させるようなマーケティングを行っていきます。ピンポイントで息を吹きかけたら、気づくと自分達の手を離れて流行は勝手に広がっていくんです。
流行が広がってきたら、トルネードのようにその流れが勢いを増していくのですが、そうなったときに大事なのは、その流れを絶対に“壊さない”こと。流行をさらに大きくするために無理をするのではなく、ディフェンスが一気に重要になります。ミスや機会損失が起きないようにするんです。
何かを流行らせたいと思ったら、魅力的なコンテンツ制作はもちろん、熱狂的なファンをつくって、そこから広げて行くのが大事なのです。
学生の皆さんからの質問集(一部)
Q:多くのコンテンツがインターネットに移行していると感じますが、「ABEMA」のようなネットコンテンツは今後どのような位置づけでありたいと考えていますか?
藤井:「ネットで配信するものだから」ということをあまり重視していません。シンプルに面白いと思ってもらえるものを創ることと視聴者のことを考えています。
Q:コロナ禍で映像配信の価値が高まったと思います。私も「ABEMA PPV ONLINE LIVE」で音楽ライブを見て、すごく画質がいいなと感動しました。今後注目しているPPVの分野があったら教えてほしいです。
藤井:「ABEMA PPV ONLINE LIVE」でのご視聴ありがとうございます。今はまだ注力できていないのですが、ゲーム実況系に注目しています。コアファンが多いジャンルとして、ビジネスの可能性があると思ってます。
Q:大学4年の時に起業されて、現在も株式会社OENの社長をしていて、これまで多くの重要な決断をされてきたと思います。勇気を持って起業されたと思うのですが、特に学生の時は大変ではありませんでしたか?
藤井:起業って本当に簡単に出来てしまうんですよ。確かに2005年頃はほとんどやっている人はいなかったですが、サークルの皆でイベントを作ったりするのとほぼ同じような感覚でやっていました。どうやったらターゲットの人に喜んでもらえるかを考えながら、サイトをつくっていましたね。意外とできてしまうので、皆さんもやってみたらいいと思います。
最後に、学生の皆さんへのメッセージをお願いします。
藤井:インターネットが広がった今の時代は、自分で何でも出来てしまいます。
これをやってみたいと思う領域があるのなら、受け身でいるのではなく、自分からどんどん覚悟を決めてやることをオススメします。
さっきの話にもありましたが、会社を創るなんてそんな大した話ではないんです。
事業をやるのもそうですが、映像も音楽も絵も、なんでも自分で作れてしまうので、次の10年は自分で生みだせる人の価値が上がると思います。
もちろん絶対に失敗もあるし、どうやって乗り越えたらいいか分からないこともあるはずです。ただ、それが面白いと思うので、ぜひ挑戦してみて欲しいです。
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当社はゴールドスポンサーとして協賛のほか、クリエイティブメンバーがサイト制作、SNS運用、セッション企画・運営にも一部参画しました。
10月19日に行われたセッション「AI時代のその先に挑む、ブランド体験の可能性」では、当社の 坂井 嘉裕がモデレーターを務め、バスキュール 朴 正義氏 / NO MORE Inc. 広屋 佑規氏 / れもんらいふ 千原 徹也氏とともに、AI時代に突入した今、AIではつくれない 「人の心を動かす余白」をどう形にするか、クリエイターがその余白にどう介入し、真のビジネス効果を生み出すのか。その先にある未来の広告の役割と、クリエイターに求められるセンスについて語りました。