女性社員が"自然と"活躍できる環境づくりを目指す。サイバーエージェントの女性活躍とは

女性のキャリア

当社では性別を問わず優秀な人材が活躍しており、全従業員の30%強を女性が占め、管理職全体における女性比率は20%※、女性社員の4人に1名がママ社員と中長期で働きやすい職場環境づくりに取り組んでいます。※2022年8月最新では21.9%
「十人十色の働き方を応援する」を掲げる女性横断組織「CAramel」は、2017年の発足以来、多岐にわたる取り組みを推進しています。先月福利厚生としての導入を発表した「卵子凍結補助」の発案もCAramelによるものでした。
今回は、サイバーエージェントの女性活躍をテーマに専務執行役員 石田とCAramel代表 鈴村、副代表 白土の3人がお話しします。

ーーー石田さんは2020年10月より専務執行役員に就任し、人事管轄の本部長として「女性活躍推進」の責任も担っています。昨今では「女性活躍」という言葉が盛んに使われていますが、率直にどう感じていますか。

石田:
「女性活躍」はダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の第一歩だと捉えていて、日本全体で見てもまだまだ十分といえる状況ではないと思います。「女性活躍」という言葉だけが切り取られてしまうと、女性だけが優遇されるような印象を持たれることもありますが、そうではなく、男女問わず若手からベテランまで職種関係なく活躍できる環境を追求していった先に、自然と女性が活躍している状態を作りたいと考えています。

ーーーサイバーエージェントでは、もともと男女の分け隔てなく挑戦しやすい風土は根付いているようにも感じますが、意図があってのことでしょうか。

石田:
創業以来ずっと自然な流れで、男女問わず活躍できる環境がありましたが、意識的に女性活躍の事例を作る努力はしてきました。以前は優秀で能力がある女性社員でも、管理職になりたがらない人も多かったんです。その中でも会社から機会を提供していくことで、やっていくうちに「意外と楽しいかも」と気づきを得てもらって、管理職という道もあるのだと気づいてもらうことができ、働き方やキャリア形成のバリエーションが増えてきたのが今の状況だと思っています。
 

(株)サイバーエージェント 専務執行役員 石田裕子 
2004年新卒入社。広告事業部門で営業局長・営業統括に就任後、Amebaプロデューサーを経て、2013年及び2014年に2社の100%子会社代表取締役社長に就任。2016年より執行役員、2020年10月より専務執行役員に就任。人事管轄採用育成本部長兼任。
(株)サイバーエージェント 専務執行役員 石田裕子
2004年新卒入社。広告事業部門で営業局長・営業統括に就任後、Amebaプロデューサーを経て、2013年及び2014年に2社の100%子会社代表取締役社長に就任。2016年より執行役員、2020年10月より専務執行役員に就任。人事管轄採用育成本部長兼任。

ーーー鈴村さんと白土さんはサイバーエージェントで実際に働いていて、どう感じていますか。

鈴村:
新卒でサイバーエージェントに入社してから、これまで働く中で“女性だから” “男性だから”ということを特別意識をすることはなかったのですが、社外の方とお話させて頂く中で、それは決して当たり前のことではないのだと気づかされましたね。

白土:
私は中途で入社していますが、新卒/中途といった入社形態や、性別・年齢といった属性やなどに関わらず、抜擢の機会は平等に与えられていると感じますし、周りの人たちも応援してくれる環境は働きやすいです。実際、私もこれまでに子会社の執行役員に抜擢され経営に携わる経験をさせてもらったり、現在は新規事業の立ち上げに手を挙げ、挑戦している真っ最中です。
 

(右)CL事業本部 プロダクトオーナー・CAramel代表 鈴村唯 
(左)株式会社Lunatomo 執行役員・CAramel副代表 白土 莉加
(右)CL事業本部 プロダクトオーナー・CAramel代表 鈴村唯
(左)株式会社Lunatomo 執行役員・CAramel副代表 白土 莉加

白土:
最近、石田さんが立ち上げられた新たな女性社員活性化の取り組みとして、インターネット広告事業本部の女性管理職33名を対象に「WE~we×women's empowerment~?」を実施されたと聞きました。

石田:
副社長の岡本と話をしていて、インターネット広告事業本部は1000人以上の規模を擁す中、女性管理職比率を増やしていきたい方針があり、すでにいる女性管理職社員も明らかに組織において欠かせないコアな層になっています。そんな彼女たち同士がお互いを理解し合い、横のつながりを作り、それぞれが抱えている課題や悩みを共有しながら一緒に解決に向けてアクションを起こせるようにと思い、女性活躍推進プロジェクトとして「WE」を立ち上げました。行動制限がなくなったタイミングでオフラインで集まったところ、こちらが企画した以上に仲が深まったようで大変好評でした。
 

インターネット広告事業本部 女性社員応援プロジェクト「WE~we×women's empowerment~?」の様子
インターネット広告事業本部 女性社員応援プロジェクト「WE~we×women's empowerment~?」の様子

ーーー「女性活躍」を推進することで、今後どのように会社を良くしていきたいですか。

石田:
経営の意思決定に“自然と”女性が巻き込まれている状態を作りたいです。“自然と”というのが大事で、管理職比率などの数字だけ合わせにいくことは、誰でも良ければ簡単にできてしまいます。それは本質的ではないと思っていて、社内の女性の活躍の仕方のバリエーションが非常に増えてきているので、今後もあらゆる活躍のパターンを確立していきながら、重要な意思決定に関わっていく人をもっともっと増やしていくことが使命だと思っています。

ーーー女性横断組織「CAramel」について聞きますが、石田さんはCAramelの活動をどう見ているのでしょうか。

石田:
CAramelの締め会に過去数回出ています。サイバーエージェントでは自分達で会社を良くしようと多くの施策が走りますが、これだけ長く続いているプロジェクトはそんなに多くはないですね。会社全体を俯瞰してみたときに、どこに組織課題があるかを自発的に見つけ、自分達で解決策を発案して実行しているところが本当に素晴らしいです。最高のプロジェクトだと思います。

鈴村:
嬉しいです...!CAramelはあした会議での発案をきっかけに、「十人十色の働き方を応援する」というコンセプトのもと2017年から活動を始めました。当時は身近にロールモデルがいないことを理由にキャリアや働き方に悩みを抱えてしまう女性社員も少なくなかったため、キャリアの選択肢を増やし且つ示していけるように様々なテーマのイベントを実施しました。「挑戦と安心はセット」というサイバーエージェントの方針に沿って様々な取り組みを推進してきましたが、CAramelを通して色んな女性社員と交わることができ、相談出来る相手が増えたという声をいただくことが増えましたね。

ーーー最近では、男性社員も参加しているイベントも増えていますよね。

白土:
2021年4月に実施した卵子凍結について学ぶセミナーでは、女性社員だけでなく男性社員とそのご家族やパートナーも参加できるものにしたところ、すごく反響が大きかったです。私たちCAramelとしても相互理解できることが大事だと思っているので、男性を巻き込む機会も増やし、女性以外にもアプローチしていくことで、結果的に女性社員にとって働きやすい環境を作れたらといいよねということを意識して取り組んでいます。
 

ーーーCAramelの活動方針について、石田さんと対話することもあるそうですね。

鈴村:
私達が考える課題だと思っていることが、会社としての方針と合っているのかと目線合わせすることが大事だと思うので、必要なタイミングで活動方針を共有しています。

石田:
自分達で課題を見つけてその課題を解決するために自発的に動いているというCAramelのいいところを、より会社の方向性ともシンクロできるように打ち合わせしています。基本的には、話を聞いて「それいいね。課題だと思っていたからCAramelで動いてくれると助かる!ありがたい!」という感じで、方針そのものを修正したり、こちらからオーダーを出したりする形ではなく、方向性を合わせるようなものです。

ーーー石田さんとも話をする中で、新たに取り組んだことはあるのでしょうか。

鈴村:
先日発表した人事制度「macalonパッケージ」のアップデートに携わりました。個人の価値観が多様化し、コロナ渦も経て新しい働き方も広がる中、制度や働き方に関する改善案やアップデート案について提案をしていいと言っていただき、CAramelで昨年4期の頃から具体的に議論を重ねてきたんです。その中でも「卵子凍結補助」の導入について、女性社員がサイバーエージェントで長く働き続ける応援をしたいという想いから、ライフプランやキャリア形成について選択肢を広げるために導入したいと多くの意見がありました。そこで、CAramelから提案し、役員会での決議後は人事部と連携しながら制度化に至りました。
 

石田:
働きやすい環境づくりに関しては、そもそも働き方の選択肢が増えてきている中で、女性に限らず中長期的に全社員が働きやすい環境ってなんだろうと問題提起してくれて、macalonのアップデートは大きな一歩でした。昨年4期からの持越しで大きな決議ができたのはCAramelの功績ですよね。

ーーーCAramelとして、今後の活動への意気込みを聞かせてください。

鈴村:
CAramelは活動開始して丸4年になりますが、サイバーエージェントの女性活性化組織としては最長記録になるそうで、「これだけやり続けられていることはすごいね」と応援してくれる声や協力してくれる社員が増えました。女性を守ってほしいというわけではなく、女性の視点から全社をより良くして行ける組織であり、女性が安心して働ける環境であることを全社に伝えていきたいです。

白土:
私も鈴村さんと同じ気持ちです。CAramelの施策を通じて新しい働き方を知ってくれた社員がキャリアやライフスタイルを考え直すきっかけになったり、私自身もCAramelの活動を通じて女性の人生やライフスタイルを応援するような事業をやりたいと思うようになって新しいチャレンジをしたので、何かのきっかけになれたら嬉しいなと思っています。

石田:
CAramelのような女性横断組織を見ていると、本業以外にもこういう形で会社に貢献する形があるのだと、他の女性社員にとっても何か会社のためにできることはないかと考える機会になるのではないかと思っていて、引き続き私ができることはサポートしていきたいです。何よりCAramelから聞く現場社員の考えや声を伝えて、経営にブリッジさせていくことが私の役割だと思っているので、いいサポート体制を構築していきたいと思っています。
会社のために何かをしようと思って手を挙げる人が増えること自体が素晴らしいことなので、長く続けていきたいですね。

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【前編】女性活躍推進組織「CAramel」、有志メンバーで6年間続いている理由

女性のキャリア

女性活躍推進組織「CAramel(カラメル)」は、2017年に発足した社内の有志メンバーで構成される横軸組織*です。
*所属部署やミッションの垣根を超えた社員で構成される、全社横断組織

サイバーエージェントで働く女性社員の課題に向き合い、これまでの6年間で数多くの施策を実施し、社内実績を積み上げてきました。

本記事では「CAramel」がどのように組織づくりを行い、満足度の高い施策を実施し続けられるのか、前編・後編にわたってご紹介します。【後編はコチラ】

これらの情報が、各企業の女性活躍支援・ダイバーシティ推進プロジェクトのご担当者や、有志メンバーによる組織運営の一助となれば幸いです。

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