開局5周年を迎えた「ABEMA」、技術者による「ABEMA Developer Conference 2021」を開催
見どころや開発環境について聞きました
2021年12月17日(金)「ABEMA」のエンジニア・クリエイターによる「ABEMA Developer Conference」が3年ぶりに開催されます。当日は「WAVE」をテーマに約25以上のセッションをオンライン配信でお届けします。今回は「ABEMA Developer Conference」の開催を記念した特別企画として、2回にわたり「ABEMA」で活躍するメンバーをご紹介していきます。第1回目は、サイバーエージェント新卒入社以来「ABEMA」でエンジニア、データアナリストとして働く若手メンバー3名へのインタビューです。なぜキャリアのスタートに「ABEMA」を選んだのか、また「ABEMA Developer Conference」の見どころについても話を聞きました。
Profile
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國師 誠也
2018年株式会社サイバーエージェント新卒入社。 Androidエンジニア。
株式会社AbemaTV Native Teamに所属し、ABEMAモバイルアプリ開発に従事。
「AbemaTV Developer Conference 2018」では運営統括を担当。 -
橋川 丈一郎
2019年株式会社サイバーエージェント新卒入社。株式会社AbemaTV Backend Team所属のバックエンドエンジニア。
「ABEMA Developer Conference 2021」では運営統括を担当。 -
杉原 希瑳
2020年株式会社サイバーエージェント新卒入社。株式会社AbemaTV Data Technology Teamに所属するデータアナリストとして、有料プラン「ABEMAプレミアム」や「ABEMA PPV ONLINE LIVE」、レンタルなどの分析に従事。
経験のない自分でもここなら挑戦できるのでは、という思い
──現在のご自身の業務内容を教えてください。
現在は主に有料オンラインライブ「ABEMA PPV ONLINE LIVE」やレンタル、2021年10月にリリースしたUI/UXの大幅アップデートにおけるバックエンドのシステム開発に携わっており、「ABEMA PPV ONLINE LIVE」とレンタルに関してはプロジェクト内のバックエンドリーダーを担当しています。
これまでの業務でも特に印象的なのが「ABEMA PPV ONLINE LIVE」の開発です。コロナ禍でアーティストがライブをできなくなりオンラインライブの必要性が一気に高まったので、まずは土台となるシステムを2ヶ月で開発するというスピード感でした。その後修正を重ねて現在の「ABEMA PPV ONLINE LIVE」が出来上がりました。
「ABEMA」のデータ利活用を行うデータテクノロジーチームに所属するデータアナリストとして、有料プラン「ABEMAプレミアム」や「ABEMA PPV ONLINE LIVE」、レンタルなどの分析を行っています。
内定者時代から「ABEMA」でアルバイトをしていて、課金系事業を対象にUI/UXの変更や新機能リリース、大型キャンペーンを行った際の効果検証や課題抽出を担当していました。
その他にはデータ分析担当以外のメンバーも、より簡単にデータを活用した意思決定を行えるようにデータマネジメントチームと連携してデータマートの整備を行い、TableauでBI環境を整えました。データマネジメントチームのメンバーが担当したログ設計のおかげでデータマート作成の負荷が非常に小さくなったのですが、DevConでも同チーム伊藤・山村によるセッション「DMBOK活用によるデータマネジメントの取り組みと今後の展望」があるので興味のある方にはぜひ聞いていただきたいです。
Androidエンジニアとして、最近は「KMM (Kotlin Multiplatform Mobile)」を活用してiOSとAndroidのビジネスロジックを統一し、ソースコードベースを共通化させる取り組みを行っています。DevConでも「Multiplatform Engineering Roadmap for the Future」と題したセッションでお話するので、ご興味のある方はぜひ聞いていただければ嬉しいです。
入社後すぐはTVデバイスチームに所属し、AndroidTV開発に携わりました。1年目の終わり頃にモバイルチームに異動して番組や出演者のサポーターになれる「応援機能」プロジェクトに参加後、TVデバイスチームに戻ってグロースエンジニアとして取り組んでいました。
その後再びモバイルチームにて「ABEMA PPV ONLINE LIVE」やレンタルのAndroidプロジェクトリードを担当して、UI/UXの大幅アップデートにも携わりました。
──みなさん新卒入社後すぐに「ABEMA」の開発本部に参画していますが、なぜ「ABEMA」でキャリアをスタートさせたいと思ったのでしょうか?
音楽ストリーミングサービス「AWA(アワ)」で1年間内定者時代アルバイトをしていたので入社後の所属先として「AWA」も考えていたのですが、当時のトレーナーから「色々なプロダクトを見ることも大事だよ」と教えてもらったんです。「ABEMA」であれば技術的にチャレンジングなこともできそうだし、これまで携わったことのない大規模な開発と多くのユーザーに利用いただいているサービスだということに魅力を感じ、配属希望を出しました。
実は最初は「ABEMA」を希望していなかったんです(笑)というのも「ABEMA」は技術力の高いエンジニアが多い分、新卒の自分が加入しても技術的についていけないのではないかという不安があったからです。
でも実際に「ABEMA」に所属して感じているのは、心理的安全性の高い開発環境だということ。技術力の高い先輩方ばかりですが物腰柔らかな方が多く、技術の話もプライベートな話も気軽にできる雰囲気です。また、目標設定や振り返りの体制が整っているのでしっかり評価してもらえていると感じていますし、日々努力していけば着実にスキルアップできる環境だと思います。
理由はいくつかあるのですが、ひとつは人が良かったこと。内定者として「ABEMA」に入ったときから、先輩方ととても話しやすい雰囲気でした。また、単純に学生のときから「ABEMA」の番組が好きで、一ユーザーとしてサービスのファンだということですね。そのためサイバーエージェントに入社したいというよりも「ABEMA」への気持ちの方が強かったので、入社したきっかけも「ABEMA」のデータ分析コンペへの参加でした。
キャリアの観点でいうと、データ活用組織の立ち上げにいつか携わることができたらと思っていたところ、内定者として「ABEMA」でアルバイトを始めたのがちょうど前身のデータ利活用専門組織が設立されたタイミングだったんです。データを活用した意思決定を組織に浸透させることができる絶好のタイミングで、経験のない自分でも色々と挑戦できることがあるのではという思いが強くありました。
1,2年目のうちにプロジェクトをリードする上で気をつけていたこと
──若手のうちに「ABEMA」で経験を積むことのメリットとして感じていることはありますか?
「ABEMA」はWAU1,500万前後を推移する大規模なサービスなので、データ分析者としての立場で考えるとそのうち1%に影響を与えるものであったとしても事業インパクトが大きく、事業貢献しやすいということはメリットといえると思います。
働く環境でいうと、仕事においては良い意味でフラットで、年次に関係なく自分の考えや分析結果を伝えやすい雰囲気だと感じます。もちろん自分のアイデアが却下されることも時にはありますが、しっかり意見を聞いてもらって議論した上でなので納得感もあるし、何よりも新たな視点を得る勉強になりますね。
また、経営陣との距離が非常に近く、「ABEMA」の開発本部を統括する常務執行役員とは毎週ミーティングをして、直接意見を述べたりアドバイスを頂く機会があります。もちろんその分大変なこともありますが、自分が見つけた知見を開発や施策にすぐに活用できることにメリットを感じるし、学びが多いです。
「ABEMA」には優秀なエンジニアがたくさんいますが、社内で活躍しているだけでなく各技術スタックの業界においても有名な先輩方が多いです。そのため「ABEMA」にとって何が良いのかという視点のみならず、各技術領域のベストプラクティスをいちはやく取り入れたり、最先端の分野を若手ながら実感できるのが「ABEMA」ならではの良さだと感じています。
特定技術だけではなく、様々な技術領域におけるバランスが良いのが特長の一つではないでしょうか。
これだけ大規模な事業でトラフィックも多く、この規模のプロダクトだからこそ学べることが多いです。たとえば自分は学生時代に新規サービスの開発をしていたのですが、アプリを作ることはできても本番環境での運用知見を持ち合わせていないために、あまりうまくいかなかったことがありました。
「ABEMA」に入ってから日々感じるのは、単に機能を作るだけでなく負荷試験や監視、
パフォーマンス改善などこの規模のサービスでなければ経験できないものが多いことです。
いずれ新規事業をやりたいと思っている人も、「ABEMA」で学んでおけば有意義な知見が得られると思います。
さらに、これだけ大規模な「ABEMA」であっても大小様々な規模のプロジェクトが進行しているので、携われるプロジェクトの規模の多様性にも魅力を感じています。
入社直後に役員にDMを送り直訴
──みなさん1,2年目からそれぞれの立場でプロジェクトをリードしていたと伺いました。プロジェクトを進行する上で大切にしていたことはありますか?
2021年5月に開催された、20代のエンジニア・クリエイターが中心となって創り上げるカンファレンス「CA BASE NEXT」の「エンジニア・デザイナー両側から見る開発の裏側」というトークセッションで、「ABEMA PPV ONLINE LIVE」のプロジェクト進行についてのお話をさせてもらいました。同プロジェクトはコロナ禍リモートワークで立ち上がった上に非常にタイトなスケジュールで、自分はバックエンドのチームリーダーとしてクライアントリーダー陣とも密にコミュニケーションをとりながら仕様を詰める必要があったんです。
その際に特に気をつけていたのは、ドキュメントにしっかり残すことで認識のズレをなくすことでした。ただでさえタイトなスケジュールの中で、後から切り戻しが発生すると大きな工数が発生してしまいます。例えばAPIをどのような仕様にするかとかどういうシーケンスで利用してもらうか、といったことに関して、認識の齟齬がないようにドキュメントに落とし込み関係者が常に同じ認識を持てるよう心掛けています。
その他には、様々な技術領域でそもそも前提知識の違う人たちと連携して進めていくことが多いため、ミーティング前に必要な情報をできる限り可視化した資料を用意し、全員の前提知識を揃えた上で議論の本題に入ることも意識していました。
注意していることとしては、しっかり情報をインプットした上で今自分がどのプロジェクトに時間を割くべきか取捨選択することです。「ABEMA」内に大小様々なプロジェクト、施策がある中で、データ活用でぜひ力を貸してほしいと声をかけられることがとても多いです。データを活用して意思決定をすることが組織に浸透しているということなのでありがたいことではあるのですが、全てに携わるのは難しい。そのため、自分の行動に対するコストパフォーマンスを考慮するために、決算資料はもちろんですが経営層で実施されているミーティングの議事録にも目を通して、会社として今どこに力を入れるべきか考えるようにしています。
また取捨選択した結果、その時には自分が時間を割くことができなかった場合も、別の機会でBI環境に必要な情報を組み込むようにすることで、自分がいなくてもメンバーがデータを活用しやすい環境づくりを心がけています。
まずAndroidチームとしては、今年の「DroidKaigi Ninjas」でも紹介させていただいた、チームラーニングをやっています。チームメンバーの強みを知り、他メンバーから期待されていることと他メンバーに期待することを共有することで、それぞれのメンバーの期待値をすり合わせるようにしています。
個人としては自らもチャレンジし続けることで、チームメンバーのチャレンジやその上での失敗も許容できる雰囲気作りを心がけています。新卒で「ABEMA」に入ってから様々なチャレンジをさせてもらっているので。
例えば入社後早々に開発本部を統括する常務執行役員の長瀬にDMを送って、プロダクトのユーザー体験向上に特化したクライアント組織をつくりたいと直訴しました。その結果デザイナーリーダーとともに「エクスペリエンスチーム」を発足し、ユーザーの定量的な行動や定性的な感情からサービスをより良くするための様々な取り組みを行いました。
現在このチームは解散したものの、たとえ新たな試みが失敗したとしても大きな学びになるし、常に実力よりもちょっと上のところに挑戦することが大切だと感じています。
──最後に、来月開催されるDevConの見どころや、どんなカンファレンスにしていきたいか聞かせてください。
「ABEMA Developer Conference 2021」は “WAVE” というテーマを掲げました。これは「ABEMA」が時代に合わせてサービスの形を変え、新しい “波” を生み出すためのチャレンジを続けることで、あたらしい未来のテレビを作るための挑戦をみなさんにお伝えしたいという思いからです。
「ABEMA」としてのオンラインカンファレンスは初めての試みなので、運営メンバー一同で日々試行錯誤しながら準備に励んでいますが、エンジニア・クリエイター自身が企画 / 運営しているからこそ、同じ職種の方々や同業界を目指す学生にとっても有益な情報を届けられるのではないかと考えています。
様々な領域で新たな技術を取り入れたり、高い技術力を武器にして「ABEMA」が挑戦している様子が詳しく伝わるカンファレンスになればと思っています。
個人的には、一視聴者としてセッションを通してみんなの業務を知れるのが単純に楽しみです。これまで「ABEMA」のデータ活用に関しては外部に向けてオープンに情報を発信することがそこまで多くなかったように思いますが、「データでサービスのイノベーションを起こす!ビジネスバーティカル型組織へのシフト」や「ユーザーの動機推定と行動分析による検索精度改善戦略」など社外の方にとっても聞いてよかったと思える発表になるのではと思っています。
自分は「AbemaTV Developer Conference 2018」の運営に携わっていましたが、今回3年ぶりの開催ということで、この3年間でどれだけ「ABEMA」が進化してきたのかお伝えできる機会になると思います。
そしてCTO 西尾による基調講演「『新しい未来のテレビ』を目指す技術組織の在り方と今後の展望」では今後の戦略についても聞けると思うので、個人的にも楽しみです。
「ABEMA」のさらなる進化をぜひみなさんに見ていただきたいです。
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